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2月 17日(木) 岳南中学校、大島小・中学校との音声交信 2月15日午前3時(同2月16日午後6時)頃から、スペースシャトルの毛利宇宙飛行士と、鹿児島県熊毛郡の屋久町立岳南中学校と鹿児島県鹿児島郡の三島村大里小・中学校の生徒達と音声による交信が行われました。 岳南中学校は、1993年12月11日に世界遺産に登録され、屋久杉で有名な屋久島にある全校生徒155名の学校です。また、大里小・中学校は三島村黒島にある全校生徒19名の学校です。三島村は全国で7番目に小さな村で、また黒島は鹿児島から定期船で5時間、三島村3島の中でもっとも大きい島です。 交信の様子を以下に紹介します。 音声ファイル(Real Video [6分35秒])
岳南中学校
毛利:屋久島はかすんであまりよく見えませんでした。昼間その上空を通っていないので、朝鮮半島の方を通った時に、九州、種子島、屋久島が遙かに見えました。ですから、特別美しいかということはわかりませんけれども、これからも見る機会があるので、確かめてみたいと思っています。 生徒:毛利さん、1回目に行った時に比べて、地球全体がどのように変化しているか、何か違いが分かりますか? 毛利:そうですね。環境問題に関しては、汚れが増えたとか、そういうものは8年前と比べてよく分かりません。そんなに増えてないような気もします。しかし、季節が違いますから、たとえば空気のきれいさとかはやはり違いますね。前はシベリアにたくさん緑が見えたのですが、今回は真っ白です。印象的だったのはヒマラヤからモンゴルにかけての砂漠地帯です。とても綺麗に見えました。 生徒:毛利さん、地球を宇宙から見て、緑が減ってきているのが分かりますか? 毛利:8年前と比べては分かりませんけれども、今まで、アポロの時代から含めて30年以上も宇宙から人間は地球を見ています。写真もとっています。特にスペースシャトルの時代になってからは写真を沢山とってますから、それを比べますと、たとえば南アメリカのアマゾン、熱帯雨林があります。あのあたりは明らかに焼き畑農業といいますか、森林を切り倒してですね、宇宙から見ると木のないところは太陽の光が反射しますから、白っぽく見えるんですね。その白っぽいところが随分増えています。それから、なかなかアジアの方は雲が多くて見えないのですが、インドネシア、ジャカルタあたりはかなり茶褐色のところが多くなっています。 大里小・中学校 生徒:毛利さん、宇宙の温度はどのくらいですか。暖かいですか、寒いですか? 毛利:はい。宇宙の温度といってもスペースシャトルの中と外は違います。宇宙は真空。空気がありません。それだけではなく、太陽があたっていないところは凄く寒いです。マイナス100度Cぐらいになります。しかし太陽があたると暑くなって、プラス150度Cぐらいにもなります。そんななかではとても人間は生きられませんから、スペースシャトルという乗り物の中は、ちょうど私たちが家の中でエアコンをきかせているような状態になっています。温度は25度、湿度は40%から60%にコントロールされています。 生徒:飲み水はどうするのですか? 毛利:皆さんは、島に住んでいると飲み水を川からとるのはなかなか大変だと思いますが、このスペースシャトルも宇宙にいますから飲み水をとるのは大変です。スペースシャトルは非常に面白い設備を使っています。私たちは生きるために必ず電気が必要です。飲み水も必要ですけれども、燃料電池を使って電気を作っています。電気を作ると水がどんどん出てきます。水というのは水素と酸素からできていますから、その水素と酸素が科学反応をおこすと水になります。その水を飲んでいますから、非常に純粋で、実は水というのはまずいんです。 生徒:毛利さん、オーロラは見えましたか?どんな感じに見えるのですか? 毛利:はい。夜にはオーロラが何度か見えました。特にカナダの上空ですね。そこを通った時にオーロラがゆっくり近づいてきます。でも、前回は太陽活動がもっと盛んだったので、今回よりもっと高くオーロラが見えたような気がします。今回は少しボワーっとかすんでましたけれども、緑色、白のオーロラが見えました。とてもそれは幻想的です。 生徒:毛利さん、2回目ということで、1回目とは気持ち的にどのような違いがありますか? 毛利:はい、もうすでに自分の体がどうなるか分かっていますから、今回はすぐ宇宙に慣れました。そして、前の時にはちょっと宇宙酔いになったのですが、今回は全く宇宙酔いにはならずに、全く気持ちよく、最初の日からたくさん物が食べられました。そのあたりが違いますね。また、今回は地球をたくさん見る仕事がありますから、前回よりも余裕をもっていろんなことを考えながら地球を見られるような状態です。
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