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皆さんこんにちは。 私は1994年の7月にスペースシャトルで初めて宇宙に飛び立ち、無重量空間で生命にはどのような変化が起こるのかを研究するため、シャトル内の実験室でライフサイエンス(生命科学)に関する様々な実験を行いました。2度目の宇宙飛行となる今回のSTS−95ミッションでは、生命科学、医学などに関する実験を約30種類行います。その中の1つが、皆さんと同時に行う植物実験です。 地球上のすべての生命は、初めて生命が誕生したときから数十億年の間、ずっと地球の重力の中で暮らしてきました。長い歴史のなかで、生命は重力を感知して上手に利用するように進化しました。例えば植物の根は下へ(重力の方向へ)伸びる性質を持っていますが、これは下へ伸びたほうが水がたくさんあるからです。根の中に重力を感じる部分があることが現在分かっていますが、芽が出たばかりの小さな根にもその性質が備わっているのは驚くべきことです。 では植物を無重量空間で育てたら、根はどの方向に伸びるのでしょうか。それは実はまだ解明されていません。重力の影響を調べるには、重力のあるところと無いところで比較実験をする必要がありますが、地球上では植物の成長を観察するのに十分な期間、無重量空間を作ることができないからです。 今、私たちは宇宙への第一歩を踏み出したばかりで、限られた人数で短い期間しか宇宙に滞在する事ができませんが、遠い未来には何万人もの人を乗せるスペースコロニーで宇宙で生活する日が来ることでしょう。その時そこで暮らす人々が食料を自給するために、宇宙で植物を育て、農産物を収穫する必要があります。今回の植物実験は、宇宙で暮らす未来のための礎として、とても重要なものなのです。 私は応援してくれる皆さんの期待に応えるべく、他の宇宙飛行士と協力していい仕事をして帰りたいと思っています。地上で実験を行う皆さんも、グループのメンバー全員が協力して実験を成功させてください。そしてすばらしいレポートを読ませていただくのを楽しみにしています。宇宙で、地上で、いっしょにがんばりましょう。
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