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日本が参加する実験テーマ5
無重量下における自律神経系の可塑性


代表研究者 D.エックバーク(米国)
共同研究者 間野忠明(名古屋大学)
実験装置 医学実験装置(NASA,ESA,DARA)


<実験の概要>
 交感神経の活動は血圧調節に重要な働きをしています。宇宙飛行士は地上への帰還後によく立ちくらみを起こしますが、これも交感神経活動の変化が影響しているのではなかろうかとみられています。また地上における模擬試験でも、微小重力下で交感神経の活動が強く抑制されることがわかります。ただしその変化のメカニズムは十分には解明されていません。
 本研究では、実際に宇宙飛行士の自律神経繊維に細い電極を差し込み、継続した測定データを探ります。宇宙滞在中およびその前後に筋肉のなかの血管の働きを調整する自律神経である筋交感神経の活動を直接計測することによって、地上で常に重力に対して力を発揮している筋交感神経活動が、無重力環境へ適応してゆくにつれ、どのような変化を示すかを検証します。

<期待される成果>
 本研究によってヒトの心臓や血液循環の調節を行っている自律神経の働きについてより正確な知見を得ることができます。また、宇宙環境に適応する際に生ずる生理学的な不調のメカニズムの解明や軌道上での健康管理に必要なデータを与えると共に、帰還後の影響と回復についての指針を与えることが期待されています。


交感神経の活動 交感神経活動の計測
医学実験装置


Last Updated : 1998. 3.27


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