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日本が参加する実験テーマ1
μG下での耳石器神経活動の連続記録


代表研究者 S.ハイシュタイン(米国)
共同研究者 吉田薫(筑波大学)
臼井支朗(豊橋技術科学大学)
実験装置 海水型水棲動物実験装置(NASDA)


<実験の概要>
 耳石器神経の求心性活動に及ぼす微小重力の影響を解析し、耳石器の応答を調節する遠心系が宇宙環境への適応に果たす役割を調べます。
 内耳にある耳石器は、加速度を検知する感覚器官で、重力センサーとして働きます。耳石器から脳に送られる信号は、身体のバランスを保ち、姿勢と運動の調節にも重要な役割を果たしています。微小重力下では耳石器からの信号が大きく変化し、これが宇宙酔いの原因の一つとなるとされています。宇宙に長く滞在すると適応がおこり宇宙酔いから回復しますが、これは脳からの遠心系により耳石器の感度が再調整されるためと考えられています。
 実験には魚類の一種、ガマアンコウを用い、耳石器神経の活動を特殊電極により連続的に記録し、微小重力環境下および地上での応答を詳しく解析します。耳石器の機能は魚類から高等動物までほとんど変わらず、宇宙飛行士に起こることが魚にも起こると考えられます。本研究では重力センサーとしての応答特性を精密に調べるとともに、微小重力環境に適応していく過程で耳石器からの信号がどのように変化するかを調べます。

<期待される成果>
 本研究は耳石器の遠心性調節が微小重力環境への適応に果たす役割を解明し、宇宙酔いや動揺病の発症メカニズムの理解とその予防に必要な知見が得られるものと期待されます。


平衡感覚をつかさどる三半規管と耳石器 耳石器の構造


Last Updated : 1998. 3.27


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