このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 

2004年度NASA予算に関する米下院公聴会(仮訳)
(コロンビア号事故によるNASA予算への影響について)

<< CAIB公式記者会見 2月26日|CAIB公式記者会見 3月5日 >>

 

日 時
2003年2月28日午前0時00分~午前3時00分(日本時間)
場 所
米国下院Rayburn会館
出席者
ボーラート下院科学委員会委員長
 
ローラバッカー下院航空宇宙小委員会委員長
 
ホール下院科学委員会ランキング(最高位)メンバー
 
他、下院科学委員会委員、下院航空宇宙小委員会委員

公聴会要旨

ボーラート議長

これから毎年恒例のNASA予算に関する評価を行う。この公聴会は2月1日のコロンビア爆発前から計画されていたものだ。この悲劇は、未だに私たちに感情的かつ物理的な波紋を投げかけている。次の会計年度の有人宇宙飛行プログラムの予算、そしてNASA全体の予算がどうなるか検討もつかない。しかし計画は立てねばならないし、事故原因究明用以外の予算についても考えなければならない。

昨夜ゲーマン委員長と話をした私は、コロンビア号事故調査委員会(CAIB)が広範囲で徹底的かつ有益な調査を進めるための独立性と資源を有するという確信をますます深めた。委員会はさらに追加メンバーを必要としているが、これは数週間以内に決まることだろう。

ゲーマン委員長の調査は6ヶ月にわたる場合もある。部分的にはこれより早く完了するものもあるし、ゲーマン委員長によれば情報を段階的にアップデートしていくそうだ。また、重要な情報が入り次第、情報をリリースしていく。

スペースシャトルが長期にわたって飛ばない可能性があると考えた方がよい。今日、オキーフ長官の方からシャトル凍結中のNASAのISSオペレーションについて発表する。それについても私は疑問があれば追求していく所存である。

しかし、今朝の主な議題はFY04(2004年度)の予算問題である。様々な問題があるが、私が特に懸念しているのはNASA全体の予算の引き上げが求められる中、航空学(aeronautics)用の支出が減少しつつあることだ。航空学研究がこれほど重要であるにもかかわらず、何故こういうことが起きるのかが不思議で仕方がない。今後NASA(National Aeronautics and Space Administration)ではなくN'SA(National Apostrophe Space Administration)と呼びたくないなら、航空学研究用の予算を考え直すことが必要だ。

今後数週間で、NASAとFederal Aviation Administrationの航空学研究に関する公聴会を開く。3月12日にはCongressionally-created Aerospace Commissionのメンバーと両院(full committee)公聴会を開く。委員長はボブ・ロッカーだ。また、地球科学研究も重要なNASAミッションであることに触れたい。地球規模の気候変化などの重要な問題を調査するためにも必要である。また、ここに集まったメンバーは企画の段階にあるNASAの軌道往還機(Orbital Space Plane)についても興味があるはずだ。現在、最も切実な研究はシャトル代替機の研究であろう。

オキーフ長官からNASAの人材面でのニーズについて話がある。これらのニーズはいくつかのGeneral Counting Office Studiesで軽んじられてきた。今後、NASAが人材を募集かつ維持するための柔軟性を保てるようにしたい。私はNASAと数ヶ月間働き、これを行うための立案を出した。これを予算案に含めたかったのだが、手続き上の理由でできなかった。だが、来週もしくは再来週中にNASA人材に関する議案(NASA Personnel Bill)を導入したいと思う。ではオキーフ長官どうぞ。まず、10分にわたる証言を行った後、午前11時までに質疑応答に移る。その後、休憩の後に再開する。


ホール議員

私は議長のように、必要である独立性がまだ得られているとは思わない。我々は団結して、宇宙センターの継続のためにも、的を絞り、前進せねばならない。オキーフ長官をこの公聴会へ歓迎する。もう少し、明るい状況の中で、この予算案を聞くことが出来ればよかったのだが。

この委員会の役割のひとつは、コロンビア号事故の原因解明と、類似事故の再発防止である。未来の安全確保のために行われる調査であり、過去の間違いを責めるためではない。この委員会、その議長、ガーデン氏は皆、正しい方向に進んでいると思う。昨日ゲーマン議長と会談したが、彼も我々同様、事故の徹底的究明を目的としている。この委員会は、難しい質問(NASAや我々自身についても)を投げかけることに、引け目を感じてはならない。これから数ヶ月に渡り、コロンビア号事故が、NASAの予算やプログラムに与える影響について議論しなければならない。今日の公聴会では、この予算案の予算増減の理由について討議する。例えば、何故航空学の研究開発費(aeronautics RND)の予算はこれから5年間削減するのか。何故NASAの民間技術プログラムを中断するのか。何故重要な機能向上が延期される中、シャトル機能向上予算は、引き続き、もとの予算案に比べ遅滞しているのか。今日はこれらの質問に答えを出したい。

行政管理予算局(OMB)が10億ドルのエウロパ・オービタ・ミッションをキャンセルした1年後、NASAは40億ドルの木星のicy moonsミッションを計画している。 OMBが14億ドルのISS米国クルー帰還船を延期した2年後、NASAは10倍の額を軌道往還機(orbital space plane)の開発に使おうとしている。

コロンビア号事故の影響で、クルーの安全問題が注目されている。チャレンジャー号事故から17年、もっと スペース・シャトルのクルー生存システムに視点が向けられるべきである。ISSモジュール運搬による、シャトル積載量の制限が、課題であったが、ISSが完成されようとしている今、その問題はない。この予算案の主点は、新しい、高価なミッションの実行に向けられているように思う。軌道往還機(orbital space plane)がシャトルの代わりではなく、補足として使われることについての説明も必要である。


ゴードン議員

亡くなった宇宙飛行士達の家族に対するNASAとショーン・オキーフ長官の配慮を称賛したい。またさまざまな改善、特に独立した調査委員会の設立を実行に移したことを称賛したい。

しかし私の意見としてはまだ大きな問題が解決していない。私はあなたに、大統領へロナルド・レーガン元大統領のモデルに似た政策をとるよう進言して欲しいと願っている。このモデルは完全に独立した調査委員会が必要だ。現在の調査委員会の委員並びに専門知識をもっている人材を大統領に任命してもらい、予算を与え大統領及び議会に報告する体制が最善の策だと思う。


ローバッカー議員

昨日私はゲーマン議長と会話を交わした。コロンビア号は再突入過程を75%クリアし、着陸まであと少しというところで惨事に遭った。再突入時の最も熱い飛行区間を通過し、再突入の危険を75%回避したあとにコロンビアを失ったのだ。犠牲になったクルーの命を無駄にしないために、我々は、再度NASAを正しい方向に導くためのチャンスを与えられた。真剣にこの問題に取り組み、技術的な原因を解明するだけではなく、将来に繋がるような結果を導きたい。

30年前に初めてシャトルが設計された時、これは工学技術的に驚きであった。しかしこれは30年前の話である。今我々が優先的に考えるべきことは、低コストでなおかつ安全な宇宙への飛行を目指すこと、そしてそれはアメリカがこの分野で一番であるべく進めたい。ここにいる人々と協力し、事故の原因解明を行い、これから先我々が望むアメリカがあるべき姿に戻したい。

これを成し遂げるためには、今日の予算委員会が大切になってくる。大切なポイントでホール氏が先ほど話していたことが、過去にあった様々なエウロパの計画だ。これは予算でもみてわかるように非常に高額な木星のicy moonsミッションだ。この計画は最初の5年で30億円を予定しており、しかも計画はあと11年続く予定で、この先どれほど莫大な金額を必要とするのか思いやられる。1ドルも無駄にする金はなく、人命を尊重しつつ、今日は困難な質問や問題に直面していきたい。

最後にこれは超党派委員会である。

ボーラート議長

“過去の過ちから学び未来の教訓として生かす”との意見に私も賛成だ。先ほどゴードン議員とホール議員が述べたように、我々は2つの党を基盤として作業を行っている。これはコロンビア事故調査委員会が完全に独立していることを証明するためだ。

ハロルド・ゲーマン氏と昨日会った際、「調査委員会は完璧に独立している、これからも委員会の体制に変化はありえない」と聞いた。私の意見だが、これは非常に重要なことだと思う。

また委員会の拡張に関しても満足している。「あなたは誰の下で働いているのか」と言う私の問いに対し「我々はホワイトハウス、議会、NASA、アメリカ国民のために働いている。そしてなによりもコロンビアに乗船していた宇宙飛行士達の家族のためだ」との答えに満足している。

ショーン・オキーフ長官とNASAの職員、家族の協力的な姿勢、情報の公開に対し非常に満足している。我々は皆、あなたと共にいる。そしてあなたの仕事をなるべくしやすいように努力していることを述べておきたい。

ショーン・オキーフ長官

本日は、2004年度NASA15.5億ドルの予算案について話し合いたい。まず、現在進行中のコロンビア号事故調査状況についてアップデートを行おう。昨日、ゲーマン委員長が議会メンバーの前でプレゼンテーションを行ったが、これに付け加えるべきことは何もない。私たちは事実と証拠によって審議を進めていく所存である。NASAはCAIBに情報や資源を無限に提供しつつ、協力しながら事故原因を究明していく。遺族のためにも、また、この発見と探求の旅を可能にしてくれたアメリカ国民や長年ISSの開発に協力してくれたインターナショナル・パートナーのためにも、実際に何が起きたか究明してく必要がある。

また、今後継続的に取り組んでいくべき問題もいくつかある。CAIBが事故原因を究明し、修正すべき点が修正され安全な飛行に戻るまでの期間中(interim period)、ISSを維持する必要がある。私たちは16のインターナショナル・パートナーと協力してこの期間中に何をするべきか解決策を模索し、昨日、ある結論に至った。パートナー国は非常に建設的なパートナーシップ・ソリューションを編み出した。

今後、この期間中は、年に2回ISSにローテーションされるソユーズの緊急帰還機(Emergency Egress Spacecraft)を使い、ISSのメンバーをローテーションさせる。4月末あるいは5月初旬の次のフライトでは現在ISSにいる3人のクルーを帰還させ、Expedition 7の2人のメンバー(アメリカとロシアの宇宙飛行士)を送る。すでに2人の宇宙飛行士が指名され、現在このオペレーションのための準備と訓練を行っている。

また、今後1年にかけてのソユーズのフライト内容を決めた。10月には再び緊急帰還機によるフライトを行う。また、ISSに水や物資、そしてスペア等を供給するためプログレスの無人機のフライト計画を促進させることにも合意した。さらにソユーズやプログレスの限られたスペース内で、ISSを維持し研究調査を進めるために必要不可欠な要素のみを実行することに合意した。最低でも今後18ヶ月の間、ISSの人員キャパシティを維持するためにプログレス機を2003年に1機、2004年に1機追加することにした。というわけで、私たちはパートナー間でISSにおける人員キャパシティと重要な研究を維持するための合意に至った。

次に、予算と審議内容のハイライトについて紹介する。
この予算案は、我々の最優先事項をもとに作られている。案は信憑性に優れ、技術的に困難な計画に対する積立金、その他計画費用を完全に考慮している。新しい試みを、長期計画に組み込む切実な意志も示している。9月までに長期計画を提出するよう法律で定められているが、我々は迅速に対応し、この予算案の一部として2月に提出することが出来た。この予算案はこれからの宇宙探検・先進技術の進歩を趣旨としている。この案は、この9ヶ月で議論された、これからのNASAの方向性、長期計画の資源分布予定を示している。

この予算案には、9つの計画が記載してある:

  1. プロミシウス・プロジェクト:推進力・発電システム能力の現状打破(従来の100倍以上)を開発・実証する。複合的軌道通過(multiple orbital passes)を現実させるための取り組み。

  2. 研究計画:ISS・地球軌道外の安全な長期ミッションの可能性、また地上の医学進歩に貢献する、生物医学的研究・技術的進歩の拡大。

  3. 視覚情報通信計画・画期的なレーザー通信技術:ミッション中に膨大な研究データを送信。

  4. アインシュタイン超越事業:アインシュタイン観測所を2つ設置(リサ:深宇宙重力波探知機(deep space gravity wave detector)とブラックホール縁部物質反応のX星座(constellation X)ミッション調査(mission probing)。アインシュタインが残した3つの重要課題に取り組む調査:ビッグバンの原動力、ブラックホールの形成・成長、現在宇宙を引き離している力の謎の解明。

  5. 天候変化研究計画:不確定要素を軽減し、的確な計画・管理判断を行う。

  6. 航空安全計画:本土防衛に備えた、テロ・犯罪行為対策。

  7. 国家宇宙空間システム変換拡大(national aerospace systems transformation augmentation):効率性、受容能力、安全性向上のための技術開発を促進。

  8. 騒音回避航空機技術:地域社会への騒音公害の軽減、改善計画の節約。

  9. 教育事業:宇宙飛行士研修プログラム、探検者養成校などを支援するNASAの新事業を援助。

引き続き努力していきたいのが、ISS計画、シャトル飛行の安全性の確保、国際パートーナーとの協力とISSへの安全な飛行準備、研究の継続、そしてISS建設の継続だ。これは科学と研究の目標に基づく。ISSの発展のために、ハッブル望遠鏡計画のような、非政府機関の設立を許可したい。一体化した宇宙運搬計画の改正も、11月にあった2003年予算委員会であげられた。そして2004年予算に続き、シャトル・オペレーションの継続、ISSへの新しい軌道往還機(orbital space plane)の製造、次世代打上げ機の技術開発への投資が予定される。

秋には委員会にこの長期計画(Strategic plan)を提出したいと思う。Government Performance Results Actに基づく典型的な方法で提出せず、今提出する。そしてIntegrated Budget Performance Document and Performance Accountability Reportは機関の向上を示し、特に、予算とミッション関連活動に焦点をあてている。さらに予算は明確な18のゴール指向で取り組み目標を達成したい。

Full Cost Accounting and Management Functionが取り組みに含まれていて、これは十分な金額が全ての計画やイニシアチヴに割り当てられるよう進められる。それは計画資金経理に、規格化された活動を取り入れた企画エリアによってすべての経費を割り当てる。Integrated Budget Performance Documentは評価された公約コストを議会に通知し、そして認められた研究計画の専門的な要因が、行動計画と共に予算に出される。この2つは直接的な関係がある。

最後にIntegrated Financial Management Systemが含まれる。これははじめてNASAの予算が統一され、ひとつの経理システムで管理され、6月までには実施されるであろう。そして財政面でも今回はじめて外部からクリーンな意見も採り入れている。そして最後に議長に個人的な人事面でのご協力を感謝したい。様々な要求にも応えてもらえた。我々は長期計画に繋がる責任がある。

最終更新日:2003年 3月 3日

<< CAIB公式記者会見 2月26日| CAIB公式記者会見 3月5日 >>
JAXAトップページへサイトポリシー