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コロンビア号事故調査委員会(CAIB)公式記者会見(仮訳) | |||||||||||||||||||
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今日、私と共に参加しているCAIBのメンバーを紹介する。
我々は常に新しい情報を即公開している。 デブリ回収作業を継続している。非常に重要と考えている。いくつか破片について興味深い傾向や証拠が見つかった。 現在、CAIBメンバーはジョンソン宇宙センター(JSC)、パームデール(オービタ組立工場)、マーシャル宇宙飛行センター(MSFC)、ケネディ宇宙センター(KSC)、ユタ(サイアコール社)で同時に調査を進めている。 CAIB独自の予算もついた。E-メール、フリーダイアル、 ウェブサイトも開設された。 3月6日(木)ヒューストン大学にて最初の公聴会を行う(詳しくはホームページにて)。
破片調査の進展についてだが、同じ破片の2枚の写真を紹介する。フォートワースの30マイル西方ネパラ郡パウェルで発見されたタイルの下側(機体側)だ。タイルの下側の一部は高熱ガスによってボロボロになっている。 次の写真は、これは高熱のガスで変形したと思われる。現在このタイルの検証を行っている。シャトル再突入時にこのようなタイルの損傷ができるのは不自然(Not typical, very unusual)だと報告を受けている。我々が解明しなくてはならない謎のひとつは、このタイルの損傷がオービタにまだ装着されていた時に起きたものか、もしくは剥がれた後、受けたものなのかだ。 このデブリは、最近まで一番西で発見されたデブリだった。しかし、テキサス州リトル・フィールドで新たなデブリが発見された。このタイルが現在最も西で発見されたデブリだ。テキサス州リトル・フィールドで発見されたデブリは、タイル(Fragment of tile)の破片だという報告を受けている。基地に(デブリが)到着し次第、検証を行う予定だ。発見されたタイルはシャトルの翼の前縁上部で胴体と接合する近くでグローブと呼ばれている箇所の近くのものと考えられる。 デブリは我々にとって重要だ。デブリ発見のために協力してくださった一般の方々に感謝する。そしてこれからも発見したら、中には危険性の高いものもあるので触らずに、連絡をしてくださるようお願いする。 私の予定としては、今日ワシントンDCに飛び、明日、上院議員、下院議員、NASA監視委員会等に会い、調査の進行を報告することになっている。
我々の役目は、材料とメンテナンスとマネージメントの調査である。 我々は今、調査に、広さだけでなく深さを加えている。いまはまだ、どれひとつとして、壊れた、あるいは全て正常という仮定を持って調査を行っていない。客観的な視点から原因解明を目指している。現在我々は、集められた過去の様々なレポートを検証している。STS-7、STS-32、STS-50、STS-112の過去の断熱材の脱落の記録や、宇宙安全諮問委員会のレポート、メンテナンス活動や、政府調査委員会レポートなどを検証している。 3つのカテゴリーに分けることが出来るインタビューの管理も始めた。まずは一般のメディアなどへのインタビュー。事実背景に関する専門家のインタビュー、例えばジーン・ゲドマン、航空機老朽化の専門家によるものがある。全ての目撃者にも、インタビューを予定している。 まず考えなければならないのは、何が起こったのかではない。消去法で何が起きていないのかを省いていくことが大切だ。これはプログラム全体から始めることになる。 いま全てを計画的に端から端まで正確に行っており、この先それらを改善し事故が二度と起こらないよう努力している。 最後に2つの視点を伝えたい。ひとつはみなさんへの再確認である。シャトルは研究開発目的の機体である。コロンビアは28回目のフライトで、(スペースシャトルの)システムとしては、113回目のミッションであった。シャトルは定期航空機でもなければ、一度だけ使うタイプでもない。R&D(研究と開発)の環境での老朽化などを調べている。2つ目の視点は、我々が抱える複雑性との直面している点で、NASAは数多くの故障の木解析(3feet×15feetの範囲で15段階にもなる)を行っている。我々の仮説やシナリオと照らし合わせている。 私たちは出来るだけ賢明にどんどん遂行していくつもりだ。データを受け取るだけではない。今述べたとおり、専門家と共に解析し、我々自身での評価をしていく。我々の方向性をお伝えする機会をいただいた事に感謝する。すべき事がたくさんあるが、私たちが取り組んでいる事の雰囲気をつかんでいただけただろうか。
こんにちは。委員長のコメントと、ジョン・バリー氏のコメントに同意する。委員会が任務を終了するためには、多くのプロセスを見ていかなければなりません。これからニュースメディアで全くカバーされていない分野を見ていく。実際に原因があるだろうというのではなく、完全な調査を行っていくためにはプログラムを事故の原因と全く関係ないところで、NASAにお知らせする価値のあるアイデアやコンセプトがあるかもしれないという面からも見ていかなければならないからだ。 委員会の我々の担当は、訓練や、ミッション計画、生命科学といった面からみていくことですが、ジョン・バリーがおっしゃったように、非常に詳細なdecision treeがある。ですが、到達するためにはやっていかなければならない。 このミッションのためにクルーの搭乗割り当てプロセスや実験を含むクルーの訓練についても検討しければならない。 ですから我々の仕事の最初の部分では訓練管理と、飛行準備状況における搭乗員の健康状態などの初期の医療的なものの確認をしていく。 最初にトレーニングの段階としてクリアしたいのがクルーの健康診断と健康状態だ。これは2週間半ほどかかるであろう。インタビューなども今週から始める予定である。打上げ時のiceteam、打ち上げGO判断についても確認する過去数年の航空機事故調査を専門とする2人の調査官も呼んでいる。いま我々は準備を整えはじめ、原因解明するためにやっと開始出来る段階にいる。
技術・エンジニア評定課題担当グループは、ジェームズ・ハロック、ロジャー・テトラウト、シェイラ・ウィドナールと私で行っている。 我々はシステムアプローチの手法を用いている。どのような事故も、一連のイベントが重なり合って起きる。その様々な要因の関連性を我々は追求している。例えば、今後外部燃料タンクの破片、熱防御システム(TPS)の耐性、航空力学の専門家たちの研究データを結びつけられるようにしたい。その取り組みのひとつとして、仮説による実験を行おうとしている。20平方インチ(4X5)の亀裂からのプラズマ流の進入と、主脚格納庫内の温度上昇の関連性などが調べられている。また、例えばセンサーの故障とワイヤーとの関連性が示唆されているが、前部のセンサーの故障が説明できない。航空力学的な解析では左主脚部に異常が起きた、しかし8つのセンサーの計算結果がそれぞれ違う答えを出しているなど、まだまだデータの関連づけにはほど遠い。 32秒の解析についてだが、最初の5秒間、コントロール・ジェット、シャトルの姿勢制御、APU(補助動力装置)は全て正常だった。最後の2秒間、APUは作動していたが、全3装置の(油圧用の)作動液がゼロ、作動液タンクも0%に陥っていた。 これからの予定としては、まず独自に専門家を呼ぶ。スタンフォード大学の同僚であり、スペースシャトルのタイルの専門家であるエリザベス・パテ・コーネル博士を招き、追跡解析について、助言していただいた。 明日、ロジャー・テトラウトはKSCにて、2人のTPSの突入力学(entry dynamics)専門家と会談する予定だ。
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最終更新日:2003年 2月27日 | |||||||||||||||||||
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