このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 

コロンビア号事故調査NASA記者会見状況 2月8日(仮訳)

<< NASA記者会見 2月7日|NASA記者会見 2月11日 >>

NASA本部定例記者会見要旨
ジョンソン宇宙センター(JSC)定例記者会見要旨

NASA本部定例記者会見要旨

2003年 2月 8日午前 1時30分(日本時間)
ワシントンNASA本部
NASAマイク・コステルニック宇宙飛行局次長

また、ヒーロー達を悼む新たな1日がやってきた。今日は、KSCで追悼式典が行われた。これからもNASAの各センターにて追悼式典を行っていく。

現在、初期の対応はほぼ終了し、次のフェーズに移る移行期間である。
オキーフとそのチームは、JSCに赴き、Ghemanと調査の体制、責任等について調整を行った。調査は、1200名を超える人々が参加している。テキサスとルイジアナの州兵800人、テキサスとルイジアナの州警察400人、海中捜索チーム、220人のNASAスタッフ、dog team、騎兵25人、猟監視員36人。公的な機関の航空機も調査に協力している。多くの破片が回収されているが、具体的な量は不明である。
破片は、Barkdsdaleに持ち込まれその後KSCに運ばれる。調査委員会はそれら破片の再構築の状況を管理する。その作業は大変な努力を要する作業であり、期待通りのスピードでは進んでいないが、単に破片を集める以上の作業である。
現時点では公衆の安全を優先している。これまで複数の者が病院で様々な症状を訴えてはいるが、入院した者はいない。
破片回収の初期は遺体の回収と安全の確保に集中していたが、現在は破片の維持と回収に集中している。1200名もの人員が協力しているため、回収場所が不明確になる可能性があり、回収された場所を文書化することが必要となっている。重要で優先度の高い物は識別されている。
破片の回収は事故調査委員会の管理のもと行われている。当初の現場の目的は公衆の安全を確保し、遺体を回収することであったが、原因究明のための順序立てた分析と調査組織に移行している。

フォートワース地区でカーボンコンポジット製の翼の一部、リーディングエッジの大きな一部が発見された。まだ左右どちらの翼かは断定されていない。今後更に多くの破片がKSCに運ばれ再構築作業が行われるだろう。
それ以外に西の破片にもチームを派遣した。調査を継続し一部持ち帰っているが、コロンビアの一部かどうかは不明である。フォートワースの西方でも破片が見つかっている。こちらはコロンビアの一部と確認されたものはないが、可能性は残されている。フォートワースの西方150kmの範囲に破片がないか、更にレーダで調査を継続している。カリフォルニアの破片についてはまだ調査対象である。公衆やメディアからの情報を期待している。


ジョンソン宇宙センター(JSC)定例記者会見要旨

2003年 2月 8日午前 7時30分(日本時間)
ジョンソン宇宙センター(JSC)
ロン・ディットモア(スペースシャトル・プログラムマネージャ)

アクシデントが発生してから6日間が経った。皆にとって長い一週間だった。情報を共有しようとの試みは、混乱や推測を呼んでいる。情報の多くが流動的なものである。私は結論を急ぐことに警告を発してきた。今週の初めたくさんの情報を入手し、現在は新しい情報は多くない。今はこれまで入手したデータの検討及び再検討のフェーズに入っている。タイムラインはほぼ完成したが、更に検討が必要である。今回はセンサについての情報を提供する。
今朝はルイジアナ州ミシュー組立工場で外部燃料タンクを組み立てているチームを訪問した。FTA作成、試験計画の立案等多くの作業が走っている。彼らは世界の重さを背負っていると感じている。彼らには、それは全体の一部で、他も同様に注目されているんだと説明した。彼らの作業及び彼らが原因究明に対して大変モチベーションが高いことに感謝している。
最新情報によれば、26~27インチの長さのRCC(Reinforced Carbon-Carbon)製リーディングエッジに、18インチの翼構造が残った破片が見つかった。現在左右どちらの翼なのか調査中である。これ以外にもフォートワース地区の外で350件の破片に係るレポートが報告され、うち132件がカリフォルニア、130件がアリゾナ、90件がニューメキシコのものである。シャトルの破片と確認されたものはない。

(以下スライドを用いた説明)
本スライド及び写真については、下記URLにてアーカイブ可能。
http://www.spaceflight.nasa.gov/shuttle/investigation/sensors/index.html

P1

これから連続したスライドを用いて、左翼表面の温度センサの挙動について説明する。記載された時間は暫定的なもので正確なものか不明である。従って時間の記述は信じないで欲しい。更に詳細にデータを確認すれば、我々が誤っていたことが判るかもしれない。図の時間は変更される恐れがある。確実な数値ではない。

P2

上から左翼を見た図である。各センサの位置を示している。車輪格納庫には多くのセンサが設置されている。緑は正常なもの、赤はオフノミナル、黒はオフラインになってしまったものである。これはコロンビアと通信が途絶えるおよそ7分前の様子である。

P3

20秒後である。時間はあまり正確ではない。説明をわかりやすくするためのものだと考えて欲しい。ここでセンサが赤くなっている。左メインギアブレーキラインの温度が毎分華氏2度で上昇し始めた。毎分2度の温度上昇は、通常でもあり得ることで、ここから異常事態が起きたというには、早いかもしれない。第一の兆候として伝える。

P4

センサーについて。左舷 break line温度が毎分6度の割合で上がり始める。
trailing edge of the wingに青の別のかたまりがある。センサーに影響を及ぼす熱の源を考えることが重要。

P5

3つ目のセンサーの異常として、左メインブレーキラインの温度が上がり始める。

P6

第1の兆候として、油圧系の温度センサーのオフライン状態が左翼エレボンに見られる。

P7

油圧システム3左翼アウトボードエレボン アクチュエーターリターンラインがオフライン

P8

油圧システム1左翼インボードエレボンリターンラインがオフライン

P9

油圧システム1左翼アウトボードエレボンリターンラインがオフライン

P10

油圧システム2左翼インボードエレボンリターンラインがオフライン
あるパターンが見えてきます。
これらのセンサーをオフラインにさせる共通のポイントがあるケーブルのワイヤリングや、配線を見ているわけです。そしてタイムラインをみていますが、ただしタイムラインは、各イベントのシークエンスに沿って見ているだけです。

P11

車輪格納庫内の左のメインギア・ブレイクライン(Left Main Gear Break Line)温度B
温度の上昇が見られる。
車輪格納庫に戻る。

P12

この温度上昇は非常に興味のある点である。なぜならこれまでの(wire bundles(ケーブル))、エレボン、wheel wellに全く関係のない。翼ではなく機体(オービタ)側面の不可解な温度上昇である。このデータの重要性はまだ分からない

P13

左のメインギアstrut actuator 温度上昇

P14

LMG Uplock Actuator Unlock Line 温度上昇
7:54(CST)頃、いくつかのセンサーの異常があるにもかかわらず、乗組員・地上のFlight Control Teamからなんの報告もなく、全てのオペレーションは正常と判断されていたが、次々とセンサー不備があらわれた。

P15

Wheel wellにてSystem 3 LH Forward Brake Switch Valve Return Lineの温度上昇

P16

MLG Left Outboard タイヤ温度がオフライン
一度にではなくセンサー機能停止があらわれる(タイヤがパンクしたのではないが重要性はわからない)タイヤには複数のセンサーがあり、それが、一度にOffにされていればタイヤそのものの喪失が考えられるが、Outboardタイヤ温度センサーのみが停止していることから、タイヤが喪失したとは思えない。

P17

Left Upper Wing Skin温度・Left Lower Wing Skin温度の作動停止
このセンサーのケーブルは他のセンサーにも共通につながっている。

P18

System 2 LH Aft Brake Switch Valve Return異常な温度上昇が始まる(開始時刻に意味があるのか分からない)
この時点で温度の上昇はかなりゆるやかで、過去のデータとの再解析によりこの時点での温度上昇は異常ではなく、実際は数分後に何か問題が起きたのかもしれない。(開始時刻が正確ではない可能性あり)

P19

Main Landing Gear Left Hand Outboard タイヤ圧力その1がオフライン

P20

Main Landing Gear Left Hand Inboard タイヤ圧力その1がオフライン

P21

Main Landing Gear Left Hand Inboardタイヤ温度がオフライン

P22

Main Landing Gear 左面Outboardタイヤ圧力その2がオフライン

P23

Main Landing Gear 左面Inboardタイヤ圧力その2がオフライン

この情報が有益であることを願っている。いつ何が起きたかを理解するのに役立っている。しかし、結論付けるのには注意する必要がある。今は、写真や映像など証拠の解析に追われている。非常に時間のかかる作業であり、また、チャレンジングな作業である。
ニューメキシコ州カートランド空軍基地から寄せられたシャトルの映像を受け取った。解像度が非常に悪い写真である。ある人達はこの写真で結論を導き出そうとするかもしれないが、私にはできない。写真の専門家が見ることで何かわかるかもしれないが、ことは白黒つけられるものではない。見る人によって結論が変わるかもしれない。私にとってこの写真が何か重要なものを秘めているかどうかはわからない。全ての写真や情報を加えなければならない。

事故の原因解明は、長い道のりになるだろう。そのなかで、我々はいろいろな可能性を検討していき、結論を急ぎたくない。
事故解明へのプロセスで、新しいチャプターが始まったことを報告したい。
追悼式や悲しみを乗り越え、事故解明へ向けて全力を注ぐフェーズに入ることを報告したい。
事故調査委員会がヒューストンに到着してからは、すべての権限を事故調査委員会に委ねた。NASAは彼らが必要とする情報を喜んで提供し、サポートに徹する。行うべき作業は大量にある。今週が終わり、我々が記者会見を行ったチャプターはクローズした。我々は可能な限り情報を公開してきたと思う。自分達が理解していないデータでさえも提供してきた。中には信頼性の乏しい情報もあると思うが、徐々に良くなってきている。もう、私が皆さんに説明する必要はないと思う。権限を委員会に移したように、これからは委員会が記者会見を行うことになる。記者会見のスケジュ-ルはお知らせする。
Q&Aに移行する前に、一つお伝えしたいことがある。
私たちが今まで、オ-プンで正直な記者会見を行ってきた主な利益は、みなさまに何を今行っているかを報告し理解してもらうのと同時に、全米にいる私たちのチ-ムに、最新の情報を伝えるためでもありました。例え情報がまだ公開するのに、早すぎたとしても(確信がとれていない)最新の情報を伝えることが、最善であると考えるからです。

これまでの、みなさまの調査のご協力とご理解を大変感謝いたします。

 

NASA news conference (67分44秒 QuickTimeファイル)
http://qs240.pair.com/sfnvideo/sts107/030207jscbriefing_qt.html

THE PRELIMINARY SEQUENCE (10分42秒 QuickTimeファイル)
http://qs240.pair.com/sfnvideo/sts107/030207timeline_qt.html

 

最終更新日:2003年 2月10日

<< NASA記者会見 2月7日| NASA記者会見 2月11日 >>
JAXAトップページへサイトポリシー