アクシデントが発生してから6日間が経った。皆にとって長い一週間だった。情報を共有しようとの試みは、混乱や推測を呼んでいる。情報の多くが流動的なものである。私は結論を急ぐことに警告を発してきた。今週の初めたくさんの情報を入手し、現在は新しい情報は多くない。今はこれまで入手したデータの検討及び再検討のフェーズに入っている。タイムラインはほぼ完成したが、更に検討が必要である。今回はセンサについての情報を提供する。
今朝はルイジアナ州ミシュー組立工場で外部燃料タンクを組み立てているチームを訪問した。FTA作成、試験計画の立案等多くの作業が走っている。彼らは世界の重さを背負っていると感じている。彼らには、それは全体の一部で、他も同様に注目されているんだと説明した。彼らの作業及び彼らが原因究明に対して大変モチベーションが高いことに感謝している。
最新情報によれば、26~27インチの長さのRCC(Reinforced Carbon-Carbon)製リーディングエッジに、18インチの翼構造が残った破片が見つかった。現在左右どちらの翼なのか調査中である。これ以外にもフォートワース地区の外で350件の破片に係るレポートが報告され、うち132件がカリフォルニア、130件がアリゾナ、90件がニューメキシコのものである。シャトルの破片と確認されたものはない。
P1 | これから連続したスライドを用いて、左翼表面の温度センサの挙動について説明する。記載された時間は暫定的なもので正確なものか不明である。従って時間の記述は信じないで欲しい。更に詳細にデータを確認すれば、我々が誤っていたことが判るかもしれない。図の時間は変更される恐れがある。確実な数値ではない。 |
P2 | 上から左翼を見た図である。各センサの位置を示している。車輪格納庫には多くのセンサが設置されている。緑は正常なもの、赤はオフノミナル、黒はオフラインになってしまったものである。これはコロンビアと通信が途絶えるおよそ7分前の様子である。 |
P3 | 20秒後である。時間はあまり正確ではない。説明をわかりやすくするためのものだと考えて欲しい。ここでセンサが赤くなっている。左メインギアブレーキラインの温度が毎分華氏2度で上昇し始めた。毎分2度の温度上昇は、通常でもあり得ることで、ここから異常事態が起きたというには、早いかもしれない。第一の兆候として伝える。 |
P4 | センサーについて。左舷 break
line温度が毎分6度の割合で上がり始める。 trailing edge of the wingに青の別のかたまりがある。センサーに影響を及ぼす熱の源を考えることが重要。 |
P5 | 3つ目のセンサーの異常として、左メインブレーキラインの温度が上がり始める。 |
P6 | 第1の兆候として、油圧系の温度センサーのオフライン状態が左翼エレボンに見られる。 |
P7 | 油圧システム3左翼アウトボードエレボン アクチュエーターリターンラインがオフライン |
P8 | 油圧システム1左翼インボードエレボンリターンラインがオフライン |
P9 | 油圧システム1左翼アウトボードエレボンリターンラインがオフライン |
P10 | 油圧システム2左翼インボードエレボンリターンラインがオフライン
あるパターンが見えてきます。 これらのセンサーをオフラインにさせる共通のポイントがあるケーブルのワイヤリングや、配線を見ているわけです。そしてタイムラインをみていますが、ただしタイムラインは、各イベントのシークエンスに沿って見ているだけです。 |
P11 | 車輪格納庫内の左のメインギア・ブレイクライン(Left
Main Gear Break Line)温度B 温度の上昇が見られる。 車輪格納庫に戻る。 |
P12 | この温度上昇は非常に興味のある点である。なぜならこれまでの(wire
bundles(ケーブル))、エレボン、wheel wellに全く関係のない。翼ではなく機体(オービタ)側面の不可解な温度上昇である。このデータの重要性はまだ分からない |
P13 | 左のメインギアstrut
actuator 温度上昇 |
P14 |
LMG Uplock Actuator Unlock Line 温度上昇 7:54(CST)頃、いくつかのセンサーの異常があるにもかかわらず、乗組員・地上のFlight
Control Teamからなんの報告もなく、全てのオペレーションは正常と判断されていたが、次々とセンサー不備があらわれた。 |
P15 | Wheel wellにてSystem
3 LH Forward Brake Switch Valve Return Lineの温度上昇 |
P16 |
MLG Left Outboard タイヤ温度がオフライン 一度にではなくセンサー機能停止があらわれる(タイヤがパンクしたのではないが重要性はわからない)タイヤには複数のセンサーがあり、それが、一度にOffにされていればタイヤそのものの喪失が考えられるが、Outboardタイヤ温度センサーのみが停止していることから、タイヤが喪失したとは思えない。 |
P17 | Left Upper
Wing Skin温度・Left Lower Wing Skin温度の作動停止 このセンサーのケーブルは他のセンサーにも共通につながっている。 |
P18 | System 2 LH
Aft Brake Switch Valve Return異常な温度上昇が始まる(開始時刻に意味があるのか分からない) この時点で温度の上昇はかなりゆるやかで、過去のデータとの再解析によりこの時点での温度上昇は異常ではなく、実際は数分後に何か問題が起きたのかもしれない。(開始時刻が正確ではない可能性あり) |
P19 | Main Landing
Gear Left Hand Outboard タイヤ圧力その1がオフライン |
P20 |
Main Landing Gear Left Hand Inboard タイヤ圧力その1がオフライン |
P21 | Main Landing
Gear Left Hand Inboardタイヤ温度がオフライン |
P22 |
Main Landing Gear 左面Outboardタイヤ圧力その2がオフライン |
P23 | Main Landing
Gear 左面Inboardタイヤ圧力その2がオフライン |
この情報が有益であることを願っている。いつ何が起きたかを理解するのに役立っている。しかし、結論付けるのには注意する必要がある。今は、写真や映像など証拠の解析に追われている。非常に時間のかかる作業であり、また、チャレンジングな作業である。
ニューメキシコ州カートランド空軍基地から寄せられたシャトルの映像を受け取った。解像度が非常に悪い写真である。ある人達はこの写真で結論を導き出そうとするかもしれないが、私にはできない。写真の専門家が見ることで何かわかるかもしれないが、ことは白黒つけられるものではない。見る人によって結論が変わるかもしれない。私にとってこの写真が何か重要なものを秘めているかどうかはわからない。全ての写真や情報を加えなければならない。