2月1日土曜日の午後1時頃以来、私達は定期的に記者会見を行い、入手した事実と証拠を提供してきた。その時以来、実に多くの情報が明らかになってきた。我々はその情報を常に一般に公開するというアプローチをとってきた。このアプローチのおかげで、データや映像データを調査している人々からもアドバイス・ご協力をいただくことができた。このように情報・証拠の収集に関してこの恐ろしい事故の原因を究明するために協力してくれたマスコミや一般の人々に感謝したい。
これまでNASAで毎日の記者会見を行い全ての情報を公開してきたが、今後はもう少し組織だったアプローチをとり、ゲーマン氏を委員長とする事故調査委員会(CAIB)からコメントを出す、という形にしたいと思う。事故調査委員会は現在行われている調査の範囲と進捗状況についてより詳細に説明し、原因究明をしていくだろう。
明日はゲーマン委員長がヒューストンから記者会見を行う。その際、事故調査委員会のメンバー紹介を行い、彼らの視点から調査状況と進捗状況を報告してもらう。事故調査委員会からの報告の頻度については、委員会が決定する。一方、NASAは情報が入り次第、定期的に会見を行っていく。この9日間でそうだったように、引き続きリアルタイムで完全情報公開を目指していく。一方、調査の進捗状況と調査方法については、ゲーマン委員長が、明日、より詳しく報告するだろう。
我々は、事故調査委員会を全面的に支援し、独立性と客観性のもとに適切な判断を下せるよう努力していく。事故調査委員会は、全ての情報・データを管理しており、それらをどの時点で公開するべきか判断を下す。事故調査委員会の指揮のもと、各データは公開前に念入りに検討され、正しい情報が公開される。
2月2日(日)午後には、ロバート・カブ(Robert
Cobb)(NASA Inspector General)はBarksdale空軍基地にてオブザーバーとして事故調査委員会と密接に働いている。彼の役割は、事故調査委員会の独立性と客観性を確保することであり、結果は大統領と国会に報告される。
ゲーマン委員長ができるだけ迅速かつ完全に事故原因を究明できるよう全力を注いでいる。
事故調査委員会の調査に関しての勧告や要求を実行に移すと共に、それらの情報の公開を同時に進めるつもりである。
私を含めNASA職員、コロンビア打上げに関わった関係者全てが事故の早期解決に全力をつくしている。それが我々の国民に対しての責任だと思う。事故を解明し問題を修正して一刻でも早く安全な飛行を行いたい。
今週の木曜日から金曜日の間、メモリアルサービスのためにケネディ宇宙センターを訪問した際、私は500マイルの道に沿って集められた破片を再組立し検証するためのケネディ宇宙センターの施設を視察した。現在合計で12,000個の破片がテキサス州Lufkinの周辺から集められた。これらの破片は、Barksdaleに集められ、シャトルのどの部分なのかを解析し、タグがつけられて、その後、ケネディ宇宙センターに輸送される。
金曜日にゲーマン委員長と事故調査委員会に、回収品の取り扱いの手順について合意を得た。またテキサスにある全てのコマンドセンターも訪問し、FEMA、FBI、ナショナルガード、州の公共機関の代表者達に会った。また、Barksdaleも視察した。ここに破片が集められ、パッケージされた後、KSCに18~20時間程度かけて輸送される。
我々は事故が起こった20分の間に何が起こったのかの解明を急いでいる。これまで、12,000個の破片が回収された。そのほとんどの破片は、フォートワースからShreveportの間のものである。そのうち、250個のオービタの破片はルイジアナ州で発見されている。ケネディ宇宙センターへの輸送は、今日、明日に行われ、水曜日には最初のものは到着する。
ケネディ宇宙センターへの破片の輸送は水曜日に行われる予定。
回収された破片はすべてタグが付けられ、どの破片がシャトルのどの部分かということも調査している。
現段階ではこれといった有効な事故原因は解明されていない。すべてが検討のテーブルに載せられている。この事故の経験も活かし今後のシャトル計画のためにも原因を追求している。
全ての原因を否定せず、全ての可能性を考えながら視野を広く保ち事故原因を解明している。 事故当時に得られたデータも引き続き調査している。今回の事故原因解明のために、50の航空機事故のデータ・経験等も収集している。
これらのデータも重要なデータの一部であり全ての可能性を考える。
今回の事故直後数時間で事故調査委員会を発足させ、事故当日午後5時にはテレコンにて第1回目の会合が開かれた。
次の日の午後には全ての委員会のメンバーがBarksdaleに集まった。
調査は現在重要な段階を迎えている。様々な破片が回収され、ケネディ宇宙センターにて再構築されるデータ・情報は事故調査委員会の管理の下で整理・解析されている。このおぞましい事故の究明のためにはどの様な要因、仮説も見逃さない。
現段階では、公開されている情報と我々の持つ情報は同等の物である。これからは、事故調査委員会の指示の下、その膨大なデータを事故原因究明のため、整理し、形づけることが必要である。