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コロンビア号事故調査委員会(CAIB)公式記者会見2月12日(仮訳)

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2003年2月12日午前5時00分(日本時間) ジョンソン宇宙センター(JSC)

これよりコロンビア号事故調査委員会(CAIB)による最初の公式記者会見を行う。委員会の発表後、質疑応答とする。まず、CAIB委員長ハロルド・ゲーマンを紹介する。彼は元アメリカ空軍司令官である。

ハロルド・ゲーマンCAIB委員長

まずはメンバーの紹介、組織系統と概要を紹介し、質疑応答に移る。

  • 空軍Material Commandのジョン・バリー空軍少将、ライトパターソン空軍基地出身である。以前、チャレンジャー号事件の調査に加わっている。
  • 運輸省の ジェームズ・ハロック博士。彼は数多くの事故調査において証人としてNTSBとFAAに参加した。
  • Federal Aviation Agencyのスティーブン・ワレス氏。弁護士とパイロットであり、FAAで27年の経験があり、また、過去3年間はFAA Office of Accident Investigationの所長を務めている。
  • Naval Safety Centerのステファン・ターコット海軍少将。空軍・海軍におけるあらゆる航空事故の責任者である。
  • 産業界からはロジャー・テトラウト氏。核施設(heavy nuclear systems)での製造・開発・運行・安全管理において、産業界で指導的役割を果たしてきた。
  • ケネス・ヘス空軍少将。アメリカ空軍のChief of Safety(安全管理長官)および空軍安全センター司令官(Commander of the Navy Safety Center)であり、ステファン・ターコット同様、空軍におけるあらゆる航空事故の責任者である。
  • NASAエイムズ研究所所長のスコット・ハバード氏。唯一、NASAと関係を持つ委員会投票メンバーである。最近、ハバード氏は失われたマーズ計画の事故調査を終えたばかりで、この種の事故には慣れている。
  • Air Force Space Commandのデュアン・ディール氏(major general)。航空機・ミサイル事故におけるチーフであり、97年のデルタ2宇宙打上げ事故調査委員会の会長を務めた。
  • 元宇宙飛行士ブライアン・オコナー氏(Associate Administrator for Safety Assurance)。投票権を持たない非公式メンバーだが、本人もシャトル搭乗経験を持つ宇宙飛行士である。

    CAIBは航空事故調査の専門家が集合し結成された。メンバーは、この国で起きた大規模な航空事故の調査指揮官、または調査員を努めてきた者ばかりであり、航空事故調査に関してはこの国で右に出る者はいない経験と知識を持つ。誰がCAIBの委員長を務めてもおかしくない。全員優れた能力と長年の努力でここまで到達しており、その名声を汚すようなことはしない。
    CAIBはコロンビア号の事故調査の主導権を握り、すべての情報の公開、移動、解析・再解析、保管などの決定権を持つ。また、すべての調査チームをまとめているMishap Response Team(MRT)は我々に報告する。その内のデータ整理チームと破片回収チームからは随時報告を受ける。
    また、NASA外のチームとして、独立解析チーム(CAIB Analysis and Support Team)を設立した。技術面に対してCAIBに助言をする。これはNASAを信用していないわけではなく、我々の結論が確実で解析を元にした事実であるために必要な体制だと思われる。一般の研究所で行われている調査の報告もこのチームが行う。
    CAIBはオフサイトで行動し、NASAのTask ForceがCAIBとNASA間の情報伝達役をこなす。

    CAIBは3つの部に分かれ、運営される。

  • 物品管理部(Material management)はシャトルのミッション間の修理・改善、製造、品質管理、情報伝達の管理などを行う。
  • オペレーション部(Operations)はクルーの研修、ミッションの計画、安全手順、実際のミッションの運用などを行う。
  • 技術・エンジニア解析部(Technical and engineering evaluation)はテレメトリの解析、デブリの解析、破片にどのような実験をするか、調査の方向性など全般的な技術面の管理を行う。
    それぞれの部には委員会メンバーの2人か3人がついて指揮する。

    私たちは調査委員会をもっと大規模にしたいと考えている。調査委員会は航空安全やミスハップ調査に関しては深い知識と経験を持っている。しかし科学、工学、物理学の分野で新たに専門家を迎えるか、もしくは新たに調査委員会の一員に加える可能性もある。次回の会見では10名か11名に調査委員が増えているかもしれない。

    今後、コロンビア号事故調査委員会の記者発表は週一回行う予定である。会見の時には、私を含め調査委員が最低2人で行う予定だ。事故の途中経過、新しい情報の発表などに関しての質問などを行う。

    現在では1つの調査しか行われてない。それは我々コロンビア号事故調査委員会の調査である。NASAの科学者や技術者たちが集め、検証した全ての情報は本委員会(コロンビア号事故調査委員会)に報告される。

    今週の予定として、明日から事故調査委員会はケネディー宇宙センター、マーシャル宇宙センター、ミシュー組立工場に行き、土曜日にヒューストンに戻って来る予定だ。私は委員会が技術的な面をちゃんと把握する事が重要だと思う。

    国民が委員会に情報を提供出来るようにウェブ・サイトを作る事を検討中である。デブリの回収はテキサス州からルイジアナ州の範囲で行われている。フォートワースの西からは、まだシャトルのデブリ破片は1つも確認されていない。179個のうち105個のデブリを検証した。これまで16,000個のデブリがバークスデール空軍基地に集められた。すでにケネディー宇宙センターにデブリを積んだトラックが向かい、1日に2~3台のトラックが到着予定である。現在いくつものワーキンググループが作業を進ませており、調査が進むにつれ我々と各グループとの繋がりも強めて行く予定。現状では各グループが全力で各々が与えられた作業・調査を進ませている。

    現在力を入れている作業の一つが、写真や動画を使ったシャトル事故当時の大きなモザイクの作成である。これは一般の方々からの写真・動画の提供といった協力も含まれ、この写真・動画提供は作業に大きな助けになっている。集められた写真や動画から、シャトル事故当時の立体映像の作成と正確なタイムラインの作成を予定している。

    最後に、記者会見終了後にミッション・コントロール・センターのオーディオ・ループを公開(リリース)する。ご自分で聞いて結論を出していただきたい。すでに報告されたものだが、様々なコントロールステーションからの信号喪失・異変などのボイスレポートの様子が分かるだろう。私からは以上である。

コロンビア号事故調査体制
コロンビア号事故調査体制

 


ミッション・コントロール・センターのオーディオ・ループ (35分47秒 QuickTimeファイル)
http://qs240.pair.com/sfnvideo/sts107/030211fdloopaudio_qt.html



 

最終更新日:2003年 2月13日

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