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実験内容


宇宙飛行士に、専用機器(図1)を溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility: SCOF)へ取り付けてもらいます。その後は、試料セルの交換時を除き、地上から機器の運転や制御を行うことができます。

専用機器の中には、リゾチーム種結晶とリゾチーム結晶成長溶液の入った試料セルと、反射型干渉計が搭載されています。リゾチーム種結晶表面は薬品を使って化学的に固定してあり、温度を上げても溶けないような加工をしています。打ち上げ後には多数の結晶ができていますので、いったん温度を上げて余分な結晶を溶かし、種結晶だけを数日かけて成長させます(図2)。その後、温度を少しずつ上げ下げしながら、結晶表面の成長様式や微細欠陥、成長速度を反射型干渉計を使って詳しく観察したり測定したりします。反射型干渉計では、結晶表面から反射してくる光により、微小な結晶表面の変化を観察できるだけでなく、僅かな成長速度をも測定することができます。

試料セルは3つあり、それぞれ溶液濃度を変えてあります。1つのセルにつき、1カ月程度かけて、じっくりと結晶の成長を観察します。

写真:専用機器外観
写真:専用機器内部

図1 (a)専用機器外観 (b)専用機器内部

写真:種結晶の再成長の様子

図2 種結晶の再成長の様子

ココがポイント!


微小重力のもとでタンパク質の結晶がどんなプロセスで成長するのか。完全な結晶化を阻む要因が解明されれば、今後行われる同様の実験がスムーズに進むだけでなく、タンパク質に限らず、完全性の高い有機・無機結晶をつくる指針にもなります。

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