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実験内容


宇宙飛行士に、専用機器(図2)を溶液結晶化観察装置に取り付けてもらいます。その後は、地上から機器の運転や制御を行うことができます。

実験には水に微量の不凍糖タンパク質を溶かしこんだ水溶液が使われます。この水溶液を冷やして氷の結晶を成長させます(図3)。複数の温度条件で、氷の成長速度や界面での様子を観察します。結晶表面観察には反射型干渉顕微鏡を、成長パターンや成長速度の計測には透過位相差顕微鏡を、そして結晶の向きの確認には結晶方位確認用カメラが用いられます。こうした多方面からの観察によって、不凍糖タンパク質が氷結晶の成長にどのように影響を及ぼすかを調べます。

ココがポイント!


この実験の結果、不凍(糖)タンパク質による氷の結晶成長抑制効果が明らかになれば、不凍(糖)タンパク質を持つ魚や昆虫が、どのようにして低温から身を守っているのかなど、その生体反応をより深く理解することができます。

また、生活に密着した分野でもその成果は活かされます。冷凍食品、とくに生ものの冷凍は、凍結解凍を繰り返すと細胞が破壊されておいしくなくなります。不凍(糖)タンパク質を利用することで、細胞の破壊が抑えられれば、おいしい冷凍食品の開発につながります。そして臓器移植分野でも、損傷しないように、臓器をできるだけ低温で凍らせずに保存する技術の開発に大きく寄与するでしょう。


(a)


(b)

(c)

図2
(a)専用機器
(b)専用機器の中に収納されている試料部
(c)試料部の断面図

画像:より大きな画像へ

図3 試料部の模式図

結晶成長セルと回転可能なガラス細管(核形成セル)は試料で満たされている。
ガラス細管の一部を急冷し、氷を結晶成長セル内まで成長させ、ガラス細管の先端に出現した氷結晶の様子を①〜③の方法で詳細に観察する。

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