このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは一部が機能しない可能性があります。
サイトマップ

ロングインタビュー

宇宙(そら)へ --- 宇宙実験への軌跡 vol.1


パイロットになりたい・・
少年の宇宙(そら)への憧れが、いま宇宙実験として結実する

小さい頃、家の近くに空港があった。航空機がいまほど普及していなかった時代。

「ちょうど家の上を、毎日飛行機が飛んでいました。それを見て、パイロットになりたいなと思ったことがあります。その頃は宇宙のことなんてわかりませんでしたが、それでも、空とか宇宙に対する関心は非常に強くありました」

69年、アポロ11号で初めて人間が月面に着陸。大学生の時だった。これをきっかけに、宇宙実験への夢が芽生える。

「あのときは、生の映像が実況で降りてきて、一所懸命に見ました。人間が宇宙に行けるようになったっていうことで、すごく関心を持って宇宙をみるようになりました。その後、流体の研究をするようになって、自分の実験ももしかしたら宇宙でできるんじゃないかと。地上では重力の影響を排除できませんが、宇宙では重力がなくなったらどんなことが起こるかっていう実験ができる、そう思いました」

85年、ISS計画に日本が正式参加。92年に実験テーマの公募が行われた。河村の提案が採択される。宇宙実験への長い道のりがスタートした時だった。

「採択された時には、大変うれしかったと同時に非常に重い責任を感じました。自分がそうやって選ばれて、宇宙っていう特別な場所で実験できる。これは何としてでもいい実験をしなければっていう責任と喜びの両方を感じました」

当初、5、6年後に予定されていた実験は、ISS計画変更や03年のコロンビア事故により大幅に遅延。採択から15年の歳月が流れた。

「15年って長いようですが、短かった気もしますね。この間、けっして何もしないで待っていた訳ではなくて、地上でやれることはできる限りやってきました。研究室の学生たちが一所懸命に実験に取り組んでくれたおかげで、たくさんのことが明らかになりました。それと同時に、新たな未知の現象もたくさん出てきました。今となっては、それでも、もっとやっておくべきことがたくさんあって、ますます緊張が高まっているという気がします」

実験準備はいよいよ最終局面に入った。


1 | 2 | 3 | 4

次のページへ


Marangoni トップページへ | 「きぼう」での実験ページへ | ISS科学プロジェクト室ページへ

 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency サイトポリシー・利用規約  ヘルプ