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スペシャルインタビュー

『天からの手紙』に誘われて --- 宇宙実験への軌跡 vol.2


航空機実験の記念写真

前列中央が古川先生、
左が共同研究者の横山先生

宇宙実験開始まで15年の歳月を要した。いよいよ待望の実験が始まる。

一次選定テーマに選ばれたのが1993年。 今年の11月にいよいよ宇宙実験が開始されます。

「同じテーマを暖め続けて15年目に実験をするというのは、科学の世界ではほとんど例がないでしょうね(笑)。 ただ、私たちの実験テーマは日々進化しています。 当時考えていた問題のなかにはすでに解決したこともありますし、逆に新しい問題も持ち上がってきました。 たとえば、樹枝状結晶についてはかなり分かってきたので、今回は円盤状結晶の不安定化に着目しています」

この15年間で特に印象に残っていることは?

「苦労もありましたが、楽しい思い出もたくさんありますね。 そのひとつが航空機を使った微小重力実験です。 航空機でパラボリックフライトをすると、1回につき20秒間微小重力状態になります。 その間に実験を行うのですが、実験の合間に体を浮かせて微小重力を体験することができるんです。 宇宙飛行士以外は、なかなかそういうチャンスがないと思いますが、私も実際に微小重力環境に身を置いて、宇宙とはどういうものなのか、ほんの少しだけ体感できたかなという気がしています」

地上と宇宙では実験環境が大きく異なります。 特に困難を感じるのはどんな時でしょうか。

「実際に『きぼう』で実験を行うのはクルーですが、彼らは分刻みのスケジュールで動いており、実験につきっきりという訳にはいきません。 ですから、できる限りクルーの手を煩わせず、地上からコントロールして実験ができるような装置を作らなければならない。 これがいちばん難しいところです。 地上では、実験装置も比較的簡単に作ったり、修理したりできますが、宇宙では、装置が壊れてしまうと、そこで実験は終わりになります。 そういう事態が起こらないように、実験システムを構築していくことが大きな課題です」



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