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スペシャルインタビュー vol.2


基礎はすべての根幹。地道な基礎的研究がはかりしれない実を結ぶこともある。

この実験を通して皆さんに伝えたいことはありますか?

「今のご時勢では大変なことかもしれませんが、やはり基礎的な研究は大事にしてほしいですね。 今回の実験で明らかにしようとしている結晶成長のメカニズムも、非常に基礎的なことなんです。 何の役に立つかということはもちろん重要ですし、基礎的な研究の成果がどういうかたちで皆さんにすぐさま還元されていくのか、はっきりと申し上げにくいのも事実です。 ただ、その成果が思いもしなかった分野に応用できるかもしれないし、サイエンスの新たな扉を開くかもしれない。 ですから、目先の利益にならないとばっさり切ってしまわないで、基礎的な研究を大切に育てる懐の深さが大学や研究機関そして企業にもあってほしいと願っています」

それは子どもたちにも伝えていかなければならないことですね。

「大人に対してもそうだと思います。 社会では、ともすると短期的な利益が重視されがちで、目標達成のために必要以上に急かされている感じがします。 短期間で実現可能かつ明確な目標の設定と達成はもちろん確かに大事ですが、並行して基礎的な研究も続けるべきだと思うんです。 大人が率先してそうした姿勢を示せば、子どもたちにも理科の勉強とか、すべての土台になる基礎こそが大事なんだよっていうことは伝わるでしょう。 今、私たちが享受している科学技術も、基礎的な研究があるからこそ成り立っているんだということをわかってもらいたいですね。 のびのびと枝を伸ばしてやるためには、まずは幹、そして根っこがしっかりしていなければならないでしょう。 それと同じだと思います」

この実験の成果をもとに、今後はどんな研究に発展させたいとお考えですか?

「一例ですが、46億年前にガス星雲であった原始太陽系から現在の惑星系の原型ができていく過程でも、実は結晶成長が重要な役割を果たすという観点から、東北大の塚本勝男先生と一緒に研究を行っています。 その際にファセット結晶成長の研究を応用して、46億年前の結晶成長のメカニズムを解明できないかと思っています。 自分の専門分野はこれ、と固く決めてしまわないで、いろんなことに挑戦してみたいんですよね、基本的に雑食ですから(笑)」



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