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スペシャルインタビュー vol.3


ドイツ留学中、イモリ採りの際のスナップ
(29歳、写真手前)

生き物への飽くなき興味と満天の星ぼしへの憧れ。 この実験が、かつての少年の夢を実現する舞台となる。

先生は新潟県佐渡のお生まれとうかがいました。 佐渡といえばトキが有名ですが、自然の豊かな美しいところなんでしょうね。

「トキのほかにも、佐渡マイマイとかアカツバメとか、面白い生き物がたくさんいますよ。 僕は昆虫少年で、虫を見たり草花を見たりしては、自然の美しさとか不思議さ夢中になっていましたね。 幼心にその不思議なメカニズムを解き明かしてやりたいと思ったわけで、まあ、その一つがカエルの卵だったんです。 ただ、その豊かな自然もだんだんと損なわれてきましてね。 トキなんか、一度は絶滅の憂き目にあいましたし。 そんななかで、本当に豊かになるとはどういうことか、自然と共生するにはどうしたらよいか、多様性を保つことがいかに重要であるかなど、さまざまに思いを巡らせるようになりました」

宇宙を意識し始めたのはいつ頃からですか。

「意識したというか、宇宙に対する憧れだったらずっと昔からありました。 佐渡で夜空を見上げると、星がもうそれこそ無数に瞬いているんですよ。 小さい頃は、『この空の向こうにはどんな世界が広がっているんだろう』と思いながら、よく天の川を見つめていました。 天の川には銀河系があって、銀河系の一つ一つにさらに数え切れない星があると聞いて、なんだかとても不思議な感じがしました。 だって、そんなにたくさんの星があって、その星の一つ一つにその星なりの歴史があるわけでしょう。 その歴史って一体何なんだろう、地球の歴史ってどういうものなんだろう、なんて考えながら、一晩中夜空を眺めていたこともあります。 当時、星空はまさに夢の世界で、憧れの場所でした」

生き物と宇宙、その二つの夢を追いかけて、今の先生があるんですね。

「生き物と宇宙を結び付ける場が、今回の実験を通じて実現できるのかなと思っています。 夢の実現に60年余りかかりましたけど(笑)。 でも、まだまだですね。 これはほんのスタートラインであって、むしろこれからが本番、これからはもっと深く広い視野で物事を見ていけるんじゃないかと期待しています」



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