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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #07-06
第14次長期滞在クルー 1月31日、国際宇宙ステーション(ISS)のクルーふたりは、最近起動された冷却システムに関して、暫定的な場所から恒久的な場所への接続作業を開始すると共に、そのほかのISSの組立作業を行うため、7時間55分の船外活動を行いました。 米国製の宇宙服を着用した第14次長期滞在クルーのコマンダーであるマイケル・ロペズ-アレグリアとフライトエンジニアのサニータ・ウィリアムズは、米国東部標準時間1月31日午前10時14分(日本時間2月1日午前0時14分)に船外活動を開始しました。道具やテザーの設定を終えると、ふたりはISSの大きなトラスの中央付近であるZ1トラスとS0(エスゼロ)トラスが接続されている場所へと移動しました。 「ネズミの巣(rats’ nest)」とも呼ばれるこの狭いエリアで、ウィリアムズとロペズ-アレグリアは、電力ケーブル2本と、流体用の着脱コネクタ(Quick Disconnect: QD)配管4本を、まもなく停止される初期外部能動熱制御システム(Early External Active Thermal Control System: EEATCS)から外して、「デスティニー」(米国実験棟)の恒久的な冷却システムへと接続しなおす骨の折れる作業を行いました。 本日設定を切り替えた冷却ループは低温ループ(ループA)と呼ばれるもので、デスティニーに設置されている熱交換器を介してISSの環境制御システムの排熱を行います。ロペズ-アレグリアとウィリアムズが2月4日に行う2回目の船外活動では、アビオニクス機器とペイロードの排熱に使用されている中温ループ(ループB)の、恒久的なシステムとデスティニーの熱交換器への接続変更が再び行われる予定です。ミッション・コントロールの熱制御システム担当者の報告によれば、システムの再設定は成功しました。 ロペズ-アレグリアは、電力ケーブルをZ1トラスの電源出力からS0トラスへの配線を行う、2段階の作業のうち、第1段階を開始しました。本日敷設された2本の電力ケーブルは、2月4日の船外活動でS0トラスからデスティニーへと延ばされる2本のケーブルへと接続されます。このケーブルは、その後デスティニー前方のドッキングポートとなっている与圧結合アダプタ2(Pressurized Mating Adapter: PMA-2)へと接続されます。 このStation-to-Shuttle Power Transfer System(SSPTS)と呼ばれるシステムが完成すれば、ISSにスペースシャトルがドッキングしている間はISSの電力を使用できるようになり、ISSに滞在可能な期間を延長することができます。SSPTSは、今年6月のSTS-118ミッションから使用が開始される予定で、スペースシャトル「エンデバー号」は2週間飛行することができるようになります。その後のミッションでも、スペースシャトルは同様の期間ISSに滞在することが可能になります。 次に、ロペズ-アレグリアとウィリアムズは、飛行管制官がコマンドを送りP6トラス右舷側の放熱ラジエータを格納する作業の支援に向いました。このラジエータは、暫定的な冷却システムとしてISSの温度を適切に保つために、P6トラスが2000年に取り付けられた時から使用されていました。ふたりはラジエータを固定するための機構を用いて固定作業を支援しました。2番目のラジエータは2月4日の船外活動中に格納される予定です。3番目のラジエータも、2007年中に格納される予定です。P6トラスの3基のラジエータのうち、この3番目のラジエータだけは、P6トラスが移設された後に再び展開される予定です。 船外活動クルーのふたりは、格納されたラジエータを適切な温度に保つためのカバーをかけました。P6トラスの後方のラジエータは、2月4日の船外活動で同様に格納されます。 時間が足りなくなってきたため、ロペズ-アレグリアとウィリアムズはP6トラスの別の場 所へと移り、初期アンモニア充填装置(Early Ammonia Servicer: EAS)と呼ばれる大型のアンモニア貯蔵タンクにつながれた2本の流体配管のうちの1本を取り外し、それを収納しました。EASは、ISSの暫定的な冷却システムの冷媒であるアンモニアが漏れた場合にアンモニアを補充するために設計されたものです。もはや必要なくなったこのタンクは、今年の夏に行われる第15次長期滞在クルーの船外活動で取り外され、投棄される予定です。この流体配管を収納したことで、クルーはシステムが必要な場合には再利用できる準備を整えたことになります。 EASの2本目の流体配管は後日取り外され、収納される予定です。 流体配管のコネクタキャップのひとつからアンモニアの“氷の薄片”数個が飛び出したのが目撃されたため、クルーには、エアロックに戻った後、与圧を開始する前に、予防的な汚染除去作業として、宇宙服を“ベイクアウト(bakeout)”(有機物質を揮発させる作業)するよう指示が出されました。 船外活動は米国中部標準時間1月31日午後5時9分(同2月1日午前8時9分)に終了し、史上5番目に長い船外活動となりました。これはロペズ-アレグリアにとって7回目、ウィリアムズにとっては2回目の船外活動でした。今回の船外活動は、ISS組立てとメンテナンスのための船外活動としては78回目、ISSから行われた船外活動としては50回目となりました。 本日の船外活動により、ロペズ-アレグリアは船外活動の合計時間が47時間31分となり、累積時間のランキングではでジョセフ・タナーを抜き4位となりました。ロペズ-アレグリアは、2月8日に予定されている3回目の船外活動が完了すると、米国の宇宙飛行士としては船外活動の最長累積時間を有する記録保持者となり、世界でもロシアの宇宙飛行士アナトーリ・ソロビヨフについで2位となる見通しです。 現在ウィリアムズは、船外活動時間の合計が15時間26分で、女性宇宙飛行士の記録としては2位となっています。 ロペズ-アレグリアとウィリアムズは、2月1日と2日には休息時間をとり、2月4日の船外活動に向けて宇宙服の準備を行う予定です。 次回のISSステータスレポートは2月4日の船外活動後、または新規イベントがあれば発行する予定です。ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2007/iss07-6.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2007年2月2日
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