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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-29
第13次長期滞在クルー 今週、国際宇宙ステーション(ISS)のクルーは、プログレス補給船(20P)の分離と、新しいプログレス補給船(22P)の到着、そしてスペースシャトル「ディスカバリー号」の到着に向けた準備を行いました。STS-121ミッションでは、新しいISS長期滞在クルーひとりも運んでくる予定です。 第13次長期滞在クルーのコマンダーであるパベル・ビノグラドフと、フライトエンジニアのジェフリー・ウィリアムズは、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士であるトーマス・ライターを迎える予定です。ライターの到着により、ISSクルーは2003年5月以来初めて3人体制になります。ディスカバリー号の打上げは7月1日以降に予定されています。 ディスカバリー号は機材と補給品をISSに運ぶ予定ですが、その大部分は「レオナルド」(多目的補給モジュール1)に搭載されます。このイタリア製の与圧式輸送モジュールは、ディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)から取り出され、ISSの「ユニティ」(結合モジュール1)に取り付けられます。ここで荷物を運び出した後、地上へ回収する機材、実験結果、その他の物品や不要品を積み込む予定です。 6月14日に、ビノグラドフとウィリアムズは、ディスカバリー号がISSへドッキングする前に行うランデブー・ピッチ・マヌーバ(Rendezvous Pitch Maneuver: RPM)中に写真を撮影する訓練を行いました。ディスカバリー号は、ISSの近くで後方宙返りを行い、カメラを持って待機するISSクルーにオービタ(機体)の下側を向けます。撮影された画像は地上へ送られて、耐熱タイルに損傷がないか綿密に検査されます。ISSクルーは、ディスカバリー号で地球に回収する物品の梱包も行いました。 ビノグラドフとウィリアムズは、プログレス補給船(20P)に不要品を積み込み、6月19日に予定されているISSからの分離と軌道離脱、そして投棄に備えました。ISSには、引き続きプログレス補給船(20P)のタンクから酸素が補給されました。また、プログレス補給船(20P)とISSとの間のハッチは6月16日に閉められて、気密の確認が行われました。 また、クルーはTORU手動ドッキングシステムの試験も行いました。TORUはプログレス補給船(22P)が、Kurs自動ドッキングシステムを使用して「ピアース」(ロシアのドッキング室)とのドッキングができないという万一の場合に使われます。プログレス補給船(22P)は6月24日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、6月26日にISSとドッキングする予定です。プログレス補給船(22P)には約2.3トンの機材と補給品が搭載されます。 ビノグラドフとウィリアムズはロシアの独立記念日である6月12日に休暇を取りました。6月13日には、二元コロイド合金実験(Binary Colloidal Alloy Test : BCAT)機材の分解、「デスティニー」(米国実験棟)のクルー健康管理システム(Crew Health Care System: CHeCS)ラックのavionics inlet fittingの交換、ロシアのVozdukh(二酸化炭素除去装置)周辺の騒音を減らすための作業等の活動を行いました。また13日には、ウィリアムズが、出身州であるウィスコンシン州のオークレア(Eau Claire)にあるWEAU-TVのレポーターと交信しました。 6月14日に、ビノグラドフは「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の内装パネルの交換と、煙感知器の移動を行いました。15日にはISSの除細動器の充電を行い、16日には、微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox: MSG)での作業とコロイド溶液中の常磁性体の集合体の構造研究(Investigating the Structure of Paramagnetic Aggregates from Colloidal Emulsions: InSPACE)の収納を行いました。 次回のISSステータスレポートは、6月23日または新規イベントがあれば発行する予定です。ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2006/iss06-29.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2006年6月19日
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