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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-19
第13次長期滞在クルー 今週、第13次長期滞在クルーは、実験やメンテナンス作業、約2.3トンの食糧や補給物資、機材などの到着に向けた準備を集中して行いました。 また、第13次長期滞在クルーのコマンダーであるパベル・ビノグラドフと、フライトエンジニアでNASAサイエンスオフィサーのジェフリー・ウィリアムズは、新しい住み家となった国際宇宙ステーション(ISS)に慣れるための時間をとりました。 実験活動では、ウィリアムズが毛細管実験(Capillary Flow Experiment)を行いました。この実験は、液体シリコンを用いて流体が微小重力下でどのように動くのかを観察するものです。今回の実験では、液体と固体である容器表面との接触部を観察しました。実験結果は今後開発される宇宙機の設計に役立つ可能性があります。 ウィリアムズは、中学生が遠隔操作をしてISSの窓から地球の写真を撮るためのカメラの設置と起動も行いました。これはEarthKAM(Earth Knowledge Acquired by Middle School Students)実験と呼ばれるもので、中学生たちは、地球の勉強を行ったり、ISSに取り付けられた特別なデジタルカメラを操作したりする事ができます。関心のある海岸線や山脈をはじめとする様々な地形を、宇宙という特別な視点から撮影することができます。今回の実験には8カ国から112校以上の学校が参加しており、ISSで行われる22回目のEarthKAM実験になります。 ウィリアムズとビノグラドフは、3回予定している腎臓結石予防実験のうち、第1回目を終えました。この実験は、クエン酸カリウムが腎臓結石形成のリスクを軽減することができるかどうかを研究するものです。宇宙では、尿中のカルシウム量が地上よりも高くなるため、宇宙飛行士は腎臓結石にかかるリスクが通常より高くなっています。クルーは飲食した物を全て記録し、後日地球に持ち帰るための尿のサンプルを採取しました。尿の採取をしている期間のクルーの食生活を把握することで、尿中カルシウムの余剰が食事に起因するものなのか、それとも微小重力への反応なのかを研究者が判断する材料となります。 第13次長期滞在クルーは、来週、ISSに到着するプログレス補給船(21P)に備えて、手動ドッキングシステムの使用方法を数時間にわたって練習しました。コンピューター上で行うこの訓練は、自動ドッキングシステムが正しく動作しないときに、クルーがプログレス補給船の操縦を代わってできるようにしておくためのものです。プログレス補給船(21P)は、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から米国中部夏時間4月24日午前11時03分(日本時間4月25日午前1時03分)に打ち上げられ、ISSには4月26日午後0時40分(同4月27日午前2時40分)に到着する予定です。NASA TVでは、ドッキングの様子を4月26日午後0時00分(同4月27日午前2時00分)から生中継します。 今週予定されていたISSのリブースト(軌道上昇)は、エンジン噴射が始まる前に中止されました。地上へ送られたテレメトリにより、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のスラスタ2基の日よけカバーのうち片方が完全に開いていないことが判明しました。ISSの搭載ソフトウェアが、カバーが完全に開いていないことを検知して、スラスタの噴射を行いませんでした。この噴射は、ズヴェズダが2000年7月にISSにドッキングして以来、一度も使用されていなかった2基のスラスタを試験するために行われることになっていました。ズヴェズダには他にもスラスタが搭載されており、必要なときには使用できます。コロリョフにあるロシアのミッションコントロールセンターでは、現在データを見直し、さらに試験が必要かどうか検討しています。 4月21日、クルーはヒューストンのミッションコントロールにいる専門家と、24日に予定されている電気修理の手順について打ち合わせを行いました。ふたりは、「デスティニー」(米国実験棟)の、故障した遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)と呼ばれるサーキットブレーカを交換する予定です。このRPCMは前長期滞在クルーの滞在期間中に故障した物で、いくつかのシステムへの電力供給は、交換が終わるまで別の経路に変更して行われています。 ビノグラドフとウィリアムズは6ヶ月間軌道上に滞在する予定です。クルーはこの間に、2機のスペースシャトルを迎え、2回の船外活動を行う予定です。7月1日以降に打上げが予定されているスペースシャトル「ディスカバリー号」によるSTS-121ミッションでは、欧州宇宙機関(ESA)のトーマス・ライター宇宙飛行士がISSに到着する予定です。ライターがISSに到着すれば、スペースシャトル「コロンビア号」事故後、物資を節約するためにクルーの数が減らされた2003年5月以来初めて、ISS長期滞在クルーの数は3人になります。アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)のペイロード運用チームが、ISS上での米国の科学実験活動の調整をしています。 次回のISSステータスレポートは、プログレス補給船(21P)打上げ後の4月24日または新規イベントがあれば発行する予定です。EarthKamについての詳しい情報や画像は、http://www.earthkam.ucsd.eduでご覧いただけます。 ISSでのクルーの活動、今後の打上げ予定、地球上の各地域でのISSの可視状況などISSの詳しい情報についてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2006/iss06-19.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2006年4月24日
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