|
||||||
国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-59
第12次長期滞在クルー 6ヶ月間のミッションも3ヶ月目に入り、国際宇宙ステーション(ISS)の第12次長期滞在クルーは今週、科学実験やメンテナンス作業、そして今後の活動のための機材準備を行いました。 軽い作業のみの週末を終えた後、コマンダーのウイリアム・マッカーサーとフライトエンジニアのバレリー・トカレフは、科学実験関連の作業で今週の活動を開始しました。 NASAのサイエンスオフィサーでもあるマッカーサーは、人体研究ラック2(Human Research Facility 2: HRF-2)での作業を主に行い、今後の実験で生体試料を入れることになる、冷却機能付きの遠心分離器の準備を行いました。また、二元コロイド合金実験3(Binary Colloidal Alloy Test-3: BCAT-3)を行いました。この実験では基礎物理の研究のために、コロイドと呼ばれる小さな粒子を使い、新しい薬剤やロケットエンジンの開発といった、幅広い応用分野で役立つ知識につながるデータを収集します。マッカーサーはさらに、磁性材料の実験である、コロイド溶液中の常磁性体の集合体の構造研究(Investigating the Structure of Paramagnetic Aggregates from Colloidal Emulsions: InSPACE)の試料を検査しました。この研究は地上の多くの電気機械分野で使われているプロセスを理解するために、流体中の磁性粒子の物理的性質を研究するものです。 また、マッカーサーは「デスティニー」(米国実験棟)にある微量汚染物質のモニタ装置を修理しました。船内のガス量を計測するこの装置の温度ヒューズを交換しました。来週、この装置を起動し、点検する予定です。 今週、クルーは幾つものメンテナンス作業を行いました。「ユニティ」(結合モジュール1)の消火用の穴へのラベル貼り、水容器の在庫調査、ロシアのセグメントにおける換気システムの予防的メンテナンスを行いました。マッカーサーはアマチュア無線で、マサチューセッツ州タウンゼントのホーソーンブルック中学校とカナダのアルバータ州エアドリーのラルフ・マッコール校の2校の生徒と交信しました。 クルーは、定期的に行われている医療担当者用の習熟訓練を終えました。 トカレフは、現在ISSにドッキングしているプログレス補給船(19P)での作業を行い、プログレス補給船(19P)の酸素でISSの空気を補充しました。「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)にあるエレクトロン(酸素発生装置)は、プログレス補給船(19P)の酸素を使い切るために、先週停止されました。トカレフはプログレス補給船(19P)からの荷下ろしとISSでは不要となった物品のプログレス補給船(19P)への積み込みを続けました。プログレス補給船(19P)のタンク内に保管されていた推進剤は、「ザーリャ」(基本機能モジュール)のタンクに移されました。 ISSマネージャ達は、プログレス補給船(19P)のISSからの切り離しを延期させるという、ロシアのエンジニア達からの提案を評価中です。切り離しは12月20日に予定されています。この提案ではプログレス補給船(19P)をISSに長い期間ドッキングさせ、クルーが不要品を積み込み、プログレス補給船(19P)の酸素を使い切るようにします。プログレス補給船(19P)がドッキングされたままでも、切り離される場合のいずれでも、プログレス補給船(20P)の打ち上げとISSへのドッキング予定日は、それぞれ12月21日と12月23日のままとなります。新しいプログレス補給船(20P)は、食料品、水、推進剤、空気と、クルーへのクリスマスプレゼントをISSに届ける予定です。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。 次回の ISS ステータスレポートは、12月9日または新規イベントがあれば発行する予定です。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-59.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年12月5日
|