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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-27
第11次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)第11次長期滞在クルーの宇宙滞在も5月27日から第7週目に入り、今週は科学実験、メンテナンス作業、7月のスペースシャトルの飛行再開で行われる写真撮影の訓練を主に行いました。コマンダーのセルゲイ・クリカレフとフライトエンジニアのジョン・フィリップスは超音波診断装置を使ってお互いの検査を行いました。この装置はクルーが宇宙で詳細な医療検査を行えるようにするためのデータを提供します。この実験は、将来、遠隔治療に応用できるかもしれません。 フィリップスは、異なる濃度(粘性)を持つ液体の微小重力下での挙動に関する情報を集める、粘性計測実験を行いました。この実験は、宇宙旅行のために新しいハードウェアを設計する研究者の理解を深め、地上での工業的応用が可能かもしれません。 クリカレフとフィリップスは5月24日に「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内にあるデジタルカメラで写真を撮影する技術の訓練を行いました。この技術は、スペースシャトル「ディスカバリー号」がSTS-114ミッションの3日目にドッキングのために近づく際、距離600フィート(約183m)での熱防護シールドの高解像度写真を撮影するために使われます。 クルーは400mmと800mmレンズを使いズヴェズダにあるふたつの窓から、ディスカバリー号の熱防護タイルと強化炭素複合材(RCC)に照準を合わせます。 ディスカバリー号の船長であるアイリーン・コリンズは、ISSに接近するとき縦方向に1回転し、クリカレフとフィリップスが全方向から機体を記録できるようにします。ふたりはディスカバリー号が縦回転する1分30秒の間に、できるだけ多くの写真を撮影します。この写真は解析のため地上に送られます。 クルーは、酸素供給のために固体燃料の酸素発生装置(Solid Fuel Oxygen Generator: SFOG)をズヴェズダ内で使用し始めてから2週目に入りました。SFOGはISS内で使用可能な複数の酸素供給源のひとつで、プログレス補給船(17P)のタンクに貯蓄されていた酸素が空になり、エレクトロン(酸素発生装置)が停止しているため使われています。 7月中旬にISSに向けて打ち上げられる次のプログレス補給船(18P)は、新しい酸素タンク、SFOGとエレクトロンの電子部品を運びます。現在ISSにある酸素と次のプログレス補給船(18P)に搭載される酸素を合わせると、来年までクルーに酸素を供給できます。 5月27日早くに、ロシアの専門家の原因究明作業のために、クリカレフはエレクトロンを構成するいくつかの機器の電圧を検査しました。クリカレフは、水を水素と酸素に電気分解する装置の一部である電解槽ユニットに電圧がかからないことを確認しました。電解槽ユニットは故障したと考えられます。 クリカレフはロシアセグメントの凝縮水除去装置の詰まった管をバイパスする作業も行いました。 週末は通常のメンテナンス作業や家族との交信といった軽い作業が予定されています。ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、6月3日または新規イベントがあれば発行する予定です。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-27.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年5月30日
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