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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-16

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第10次長期滞在クルー
2005年3月28日(月)午後5時30分(米国中部標準時間)
2005年3月28日(月)午前8時30分(日本時間)

国際宇宙ステーション(ISS)のクルーは、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の外側に通信アンテナを取り付けるとともに、小型の実験衛星を放出するために4時間30分の船外活動を行いました。この機器の取付作業は、来年に予定されている欧州宇宙機関(ESA)の欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)「ジュール・ベルヌ」とISSとの初のドッキングに備えたものです。

ロシアのオーラン宇宙服を着て、第10次長期滞在クルー(コマンダーであるリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は、米国中部標準時間3月28日午前0時25分(日本時間3月28日午後3時25分)に「ピアース」(ロシアのドッキング室)からISSの外へ出て、素早く船外活動用の工具とテザーを準備しました。

船外活動中はISS内が無人になるため、各システムは停止もしくは自動運用状態にされました。さらに万が一、クルーがISSに戻れないような事態が発生した場合に備えて、ISSの米国モジュールとロシアモジュールの間のハッチも閉じられました。

最初の作業は、WALと呼ばれる宇宙機間の通信に使うアンテナを3基、ズヴェズダ前方の円錐形の場所に設置することでした。このSバンド低利得アンテナは、近距離通信機器(Proximity Communications Equipment: PCE)の一部で、ATVとズヴェズダの接近・ドッキング運用時の通信に使われる予定です。最初の3基のアンテナは、第9次長期滞在クルーがズヴェズダ後部に既に設置しています。

船外活動開始から約2時間たった頃、シャリポフはピアースに取り付けられているはしごの所から、長さ1フィート(約30cm)、重さ11ポンド(約5kg)の実験衛星NanosatelliteをISS後方へむかって放出し、チャオはその画像を撮影しました。この衛星は送信機を搭載しており、地球軌道上を周回する間に、小型衛星の制御技術の開発や、衛星運用の監視、新しい姿勢制御システム用センサの開発を助けるといった運用を行うことが期待されています。衛星が放出されてから約2時間後に、ロシアの専門家は衛星から良好な信号を受信したとクルーに伝えました。

ロシアのフライトコントローラが、クルーの次の作業場所で、ロシアのスラスタ噴射が行われないように噴射を禁止する状態に設定している間に、クルーは工具と機器を集めました。この設定作業の完了後、クルーはズヴェズダ後方の端へ移動する許可を受けました。ズヴェズダ後方の端に着いた後、彼らは、全地球測位システム(Global Positioning System: GPS)受信機を設置しました。この受信機もATV通信機器の一部であり、ATVがISSへ接近する際に、ISSとの相対位置データをATVに送ります。

チャオとシャリポフは、GPSの配線を設置する作業場所にいる間にズヴェズダの通信用アンテナの検査を行うと共に、アンテナ位置の写真を撮影しました。チャオは、その後、以前取り付けられたレーザ・リフレクター(これもATVの近接運用に使われる)の写真を撮影しました。クルーはズヴェズダの配線を、ピアースに戻りながら固定していきました。

稼働中であった3基のコントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscope: CMG)のうち1基が、サーキットブレーカーの故障で最近、稼働を停止したにもかかわらず、船外活動終了直前まで、ロシアのスラスタ無しで残り2基のCMGのみでISSの姿勢を制御していました。ISSが姿勢制御無しでドリフト状態にあったのは20分以下でした。チャオとシャリポフがズヴェズダのスラスタから十分に安全な距離にいると報告された後に、スラスタが再起動され、姿勢はすぐに回復されました。

チャオとシャリポフはピアースに戻り、3月28日午前4時55分(同3月28日午後7時55分)にハッチを閉じ、船外活動を予定より1時間早く終了しました。ピアースを加圧した後に、チャオとシャリポフはISSに戻り、宇宙服を脱ぎ、ISSのシステムを再起動し、米国モジュールへのハッチを開けました。クルーは28日の午前中に就寝し、29日は幾つかのシステム再設定作業など、軽い作業のみが予定されています。

今回の船外活動は、シャリポフにとっては2回目、チャオにとっては6回目の船外活動でした。ふたりはこの長期滞在中に2回、合計で約10時間の船外活動を行いました。これは、ISSの組立てと保全のための船外活動としては58回目、ISSから船外に出たものとしては33回目、ピアースから船外に出たものとしては15回目でした。ISSの運用が始まってから、合計で348時間15分の船外活動が行われました。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/をご覧ください。

次回のISSステータスレポートは、2005年4月1日か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-16.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2005年3月29日

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