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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-15

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第10次長期滞在クルー
2005年3月25日(金)午後5時00分(米国中部標準時間)
2005年3月26日(土)午前8時00分(日本時間)

国際宇宙ステーション(ISS)の第10次長期滞在クルー(コマンダーであるリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は、3月28日に予定されている船外活動に向けた準備を終え、この船外活動に備えて休暇を取りました。

シャリポフとチャオは、3月28日早朝に約6時間かけて、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)のためのアンテナをISS外部へ取り付けます。また、制御技術を試験するためのロシアの技術衛星Nanosatelliteを放出する予定です。

NASAテレビでは、米国中部標準時間3月27日午後11時(日本時間3月28日午後2時)からこの船外活動の様子を生中継する予定です。船外活動は、3月28日午前0時25分(同3月28 日午後3時25分)から開始される予定です。

今回の船外活動は、第10次長期滞在クルーにとって2度目で最後の船外活動となります。彼らは3月25日にタイムラインの確認を行い、船外活動の準備を始めました。また、アンテナを「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の外側に取り付けるための工具を集めました。3月28日には、地上の医師がふたりの状態をモニタする中、エルゴメータを使用して運動し、船外活動に問題のない体調であると判断されました。また、クルーはパン入れほどの大きさの衛星の状態をチェックしました。衛星は良い状態にありました。

船外活動では、ATVのための4~6番目の通信アンテナが設置されます。また、全地球測位システム(Global Positioning System: GPS)アンテナのズヴェズダへの設置と、ズヴェズダにある大きな「リラ(Lira)」アンテナが正確な位置にあるかを確認するための点検および写真撮影を行います。

3月25日の早朝に、「ピアース」(ロシアのドッキング室)の冷却を行う、ズヴェズダの冷却ループパネルのひとつが故障し、バックアップシステムが起動されました。それぞれのパネルにはふたつの循環ポンプがあります。船外活動時に十分なバックアップ体制を整えるには、両方のポンプパネルが必要です。3月26日早朝にポンプパネルの故障の原因究明を行い、劣化したパネルのポンプを1個、もしくは2個とも交換する予定です。

クルーは、3月27日午後4時55分(同3月28日午前7時55分)に米国モジュールとロシアモジュールの間のハッチを閉じ、午後5時30分(同午前8時30分)に ISS の最低限のシステム以外を停止し、午後7時(同午前10時)に宇宙服の初期チェックを、午後9時20分(同午後0時20分)にエアロックチェックを、そして宇宙服の最終チェックを午後9時50分(同午後0時50分)に行う予定です。

チャオとシャリポフは、3月27日午後10 時10分(同3月28日午後1時10分)にオーラン宇宙服を装着し、午後10時40分(同午後1時40分)からエアロックの減圧を開始する予定です。3月28日午前0時25分(同3月28日午後3時25分)頃にピアースのハッチを開けたときが船外活動の公式な始まりとなります。

また、今週はISSにドッキング中のプログレス補給船(17P)のタンクからISSに酸素を供給しました。ミッションマネージャは故障しやすいエレクトロン(酸素発生装置)の故障原因究明を船外活動後まで延期しました。水から酸素を生成するエレクトロンは、ISSの酸素供給源のひとつです。

3月23日に地上管制官は、モービル・サービシング・システム(Mobile Servicing System: MSS)を起動させ、先週更新したソフトウェアが正常に動作しているか確認しました。「カナダアーム 2」(ISSのロボットアーム)は、装備しているカメラで船外活動の様子を撮影できる位置に置かれています。

ロシアのフライトコントローラはISSのスラスタを噴射させ、高度を約1.8マイル(約2.9km)上昇させました。この軌道上昇(リブースト)により、次にISSに滞在する第11次長期滞在クルーと欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士の打上げに向けて、ISSは適切な軌道に乗りました。

3月24日には、故障した遠隔電力制御装置(Remote Power Controller: RPC)と呼ばれるブレーカをバイパスする作業をSTS-114ミッションの1回目の船外活動で行うことが、マネージャにより承認されました。この作業は、スペースシャトル「ディスカバリー号」がISSにドッキング中に、STS-114ミッションのクルーが行う3回の船外活動のうちの1回目に5分ほどかけて行われます。STS-114ミッションで船外活動を行うスティーブ・ロビンソン宇宙飛行士が、故障したRPCをバイパスするように電力ケーブル配線の切り替えを行い、これにより、コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscope: CMG)を再起動するための電力を送ることができるようになります。先週、RPCが故障したため、CMGの電力は絶たれました。

STS-114ミッションの後半には、ロビンソン宇宙飛行士と、もうひとり船外活動を行う野口聡一宇宙飛行士が、2002年6月に故障したCMGを取り替えます。作業が完了すれば、ISSは4基のCMGが稼働している状態に戻ります。ISSの姿勢は、現在2基のCMGによって制御されていますが、将来、ISSの組み立てが進み規模が大きくなると、2基以上のCMGが必要になります。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。

次回のISSステータスレポートは、船外活動後の3月28日または新規イベントがあれば発行する予定です。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-15.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2005年3月28日

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