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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-66
第10次長期滞在クルー 今週、国際宇宙ステーション(ISS)の第10次長期滞在クルーは、研究活動とメンテナンス作業を引き続き行い、次のプログレス補給船(16P)の到着に向けた準備を行いました。 12月8日にISSマネージャーたちは、カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定のロシアのプログレス補給船(16P)の準備状況を確認しました。米国中部標準時間12月23日午後4時19分(日本時間12月24日午前7時19分)の打上げに向けて、作業は順調に進行していることが確認されました。 このプログレス補給船(16P)は、食料、推進剤、衣服など約2.3トンの補給品をISSに運びます。ISSの食料を補充するため、約70個の食料コンテナが積荷に加えられました。プログレス補給船(16P)は、クリスマスの夜、12月25日午後6時05分(同12月26日午前9時5分)にISSに到着する予定です。食料や水、予備の部品、科学機器以外にも、コマンダーでISSサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフへのクリスマスプレゼントや、他にも個人的な物資を運ぶ予定です。 現在ISSにドッキングしているプログレス補給船(15P)は、新しい補給船のドッキングポートを空けるため、12月22日午後1時32分(同12月23日午前4時32分)に「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)後部から分離される予定です。 今週、チャオは、「デスティニー」(米国実験棟)に新しい科学実験装置を搬入するための準備として、実験装置を設置する予定のペイロードラックのひとつに装備されている能動式ラック制振システム(The Active Rack Isolation System: ARIS)の試験を支援しました。NASAマーシャル宇宙飛行センターにあるペイロード運用センターの地上管制官たちは、ラックの動きを制御するコマンドを送信しました。チャオは試験前にガイドを取り外し、試験中に観察された動作を管制官に報告しました。 ARISは、ISSのシステムやクルーの動きによって生じる振動から精密な実験装置を守るため、ラックを少し動かすことができるアクチュエータを装備しています。デスティニーにはペイロードラックが5つ搭載されています。そのうちの3つ(ひとつはARISを装備)には、現在実施中の実験装置が設置されています。残りのふたつ(ひとつは今週試験されたラック)は、実験装置を保管する目的で使われています。 チャオは、12月10日に二元コロイド合金実験(Binary Colloidal Alloy Test: BCAT)の写真を撮影しました。この実験では、液体中に粒子が浮遊している牛乳や塗料のような液体について研究します。最初に実験サンプルが振られ、その後、微小重力環境下での粒子の挙動を定期的に撮影しました。研究者は、この実験で得られたデータから、ロケット推進からケーブルテレビにわたる広い範囲で、新しい技術が開発されることを期待しています。 チャオとシャリポフは、宇宙での人間の循環器系に関する試験を行うロシアの実験を行いました。この実験では、シャリポフが"Chibis"と呼ばれる特殊なスーツを身につけました。このスーツは吸引力を使うことで、筋骨格系に力をかけます。研究者は、この実験で得られた情報から、無重量状態の宇宙で長期間生活する際の人間の体の適応力を評価します。 チャオは週末に、4回目の宇宙におけるはんだ付け実験(In-Space Soldering Investigation)を行いました。この実験は5回実施する予定で、将来の宇宙船の開発や修理に向けて技術を洗練するため、宇宙でのはんだ付け用具の挙動を調べます。 今週のメンテナンス作業では、米国製宇宙服のバッテリのコンディショニング、モジュール間換気ダクト部での測定とデータ収集、分析のための水・空気サンプルの採取、ISSのロシア部分へのケーブル敷設が行われました。また、ISSから緊急避難する手順も含んだ火災訓練も行いました。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の詳細については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、12月17日か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年12月13日
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