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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-63
第10次長期滞在クルー 地上の多くの旅行者と同じように、今週、国際宇宙ステーション(ISS)の第10次長期滞在クルーは感謝祭を祝い、そして29日に予定されている小旅行の準備をしました。 ISSの第10次長期滞在クルー(コマンダーでありNASAサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は、ISSを少しの間留守にする予定です。ISSシステムを自動運用状態に設定した後に、ソユーズ宇宙船(9S)を現在のドッキング位置から他の位置へ移動させます。この移動の準備として、シャリポフは24日にソユーズ宇宙船(9S)のスラスタ噴射試験を行いました。26日には、クルーと地上コントローラとの間でISSからの分離と再ドッキングの計画のレビューを行いました。また、プログレス補給船(15P)と「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)との間のハッチも閉めました。他のハッチも28日と29日の朝、ソユーズ宇宙船(9S)の移動前に閉じられます。 米国中部標準時間11月29日午前3時29分(日本時間11月29日午後6時29分)に、ソユーズ宇宙船(9S)コマンダーのシャリポフとチャオは、ソユーズ宇宙船を「ピアース」(ロシアのドッキング室)から分離させる予定です。ISSから約30m後退させた後、側面に沿って約14m移動し、ザーリャの下部にあるドッキングポートに向かい合う位置で少し止まります。その後、ソユーズ宇宙船をザーリャのドッキングポートに合わせるように回転させ、11月29日午前4時00分(同11月29日午後7時00分)にザーリャと再ドッキングさせる予定です。この移動によって、チャオとシャリポフが来年2回行う予定のロシアの船外活動時に、ピアースをエアロックとして使用することができます。 この29日の移動の様子は、NASAテレビで11月29日午前3時00分(同11月29日午後6時00分)より生中継されます。 24日に行われたスラスタ噴射試験の結果、全システムは移動に向けた準備が整っていることが確認されました。しかし、10月にソユーズ宇宙船(9S)が到着した時に確認されたのと同様に、ソユーズ宇宙船のスラスタへの推進剤流入量か圧力が減少している可能性があると、ロシアのフライトコントローラは指摘しました。指摘された現象は、29日に行われるソユーズ宇宙船の運用やそれ以降の運用には支障をきたさないため、ISSマネージャは30分間の移動を実施することを24日に最終承認しました。当初、このシステムをモニタしているロシアの専門家がさらにデータを収集するため、29日の移動中にも問題のスラスタに対してさらに試験を行う計画でしたが、29日には使用しないスラスタであるため、26日にロシアのマネージャによってこの計画は取り消されました。 また、今週はISSにドッキングしているプログレス補給船(15P)の分離のための準備も始まりました。クルーはプログレス補給船(15P)にドッキング機構を再度取り付けました。プログレス補給船(15P)は、クリスマスの数日前にISSから分離し、軌道を離脱する予定です。 先週のプログレス補給船のスラスタを使用したリブースト(軌道上昇)時にわずかに高度が足りませんでしたが、ロシアのマネージャは、この高度を補うための再リブーストは行わないことを決めました。その結果、ロシア連邦宇宙局(FKA)は、次のプログレス補給船(16P)の打上げを1日ずらし、12月24日(米国時間12月23日)に行うことを考えています。この場合、12月26日(米国時間12月25日、クリスマス当日)にISSとドッキングすることになります。プログレス補給船(16P)の打上げ日は、来週前半に最終決定される予定です。 クルーは24日に感謝祭を祝うための休暇を取り、パッケージに入れられた七面鳥のくん製とポテトを食べて過ごしました。また、29日早朝のソユーズ宇宙船の移動のため、28日夕方から作業を始めることになりますが、その前に、週末の休みを取る予定です。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、11月29日のソユーズ宇宙船移動後か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年11月29日
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