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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-62
第10次長期滞在クルー 第10次長期滞在クルー(コマンダーでありNASAサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は科学実験の実施と新しい補給船の到着に向けての準備を行いながら、国際宇宙ステーション(ISS)での6ヶ月の任務期間の2ヶ月目に入りました。 現在ISSは今週始めより約2マイル(約3.2km)高い、高度222マイル(約357.3 km)の軌道にあります。これは17日に行われた「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)にドッキングしているロシアのプログレス補給船(15P)のスラスタを使用したロシアの地上からのコマンドによるリブースト(軌道上昇)作業の結果です。スラスタの噴射は予定通り9分9秒間行われたものの、ズヴェズダの燃料タンクではなく、プログレス補給船にある2つの燃料タンクのうち1つを使用した結果、スラスタの性能が少し落ちてしまい、ISSの高度は期待された高度まで上昇しませんでした。 この予定より低くなった高度はISSの活動には影響しませんが、ロシアのシステムの専門家たちが原因を調査し、高度を補うための行動が必要かどうかを決めるために集められました。12月初めに2回目のリブーストを行うか、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から12月23日に打上げが予定されている次のプログレス補給船(16P)の予定を1日変更するかを現在検討中です。 また、今週、コマンダーでありNASAサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフは科学実験を行い、ロシアのオーラン宇宙服を検査し、ISSの定期メンテナンス作業を行いました。 11月15日にクルーは発展型超音波診断(Advanced Diagnostic Ultrasound in Microgravity: ADUM)実験の一部である超音波スキャンを完了しました。第5次長期滞在期間に始まったこの実験は、宇宙滞在中の宇宙飛行士が船内にある医療器具を使用して検査を行う能力を評価できるように設計されています。成功すれば、この実験は地球で緊急時や遠隔地医療において広範囲にわたり応用できる可能性があります。 今週、2つ目の実験は「デスティニー」(米国実験棟)で行われました。シリアル・ネットワーク・フロー・モニタ(Serial Network Flow Monitor: SNFM)と呼ばれるこの実験は、クルーがインストールしたソフトウェアで通信を監視し、ペイロード間でやり取りされるデータ量を分析するものです。他の科学実験としては、シャリポフがPLANT実験の試料を採取した他、赤血球の数を計測するHEMATOKRITと、体液シフトの研究実験であるSPRUTというロシアの実験2つを行いました。 1週間を通して、シャリポフはロシアのオーラン宇宙服2着に対する作業も行いました。彼は、12月にプログレス補給船(15P)が投棄される時に共に廃棄される、軌道上での寿命を迎えた1着から部品を取り外しました。さらに1月と3月にチャオと共に行う船外活動で着る予定の新しいオーラン宇宙服1着の検査も行いました。 18日にクルーは、メリーランド州ゲイザーズバーグのミドルスクールの生徒と交信を行いました。これは第5回国際教育週間(International Education Week)に国際関係と国際協力による利益をクローズアップするために米国教育省と共に開催したものです。 両クルーは空気清浄化システムの電子ボックスとデスティニーの実験ラック付近の掃除を含む、定期メンテナンス作業を行いました。また、チャオは消火器用のポートにラベルを貼りました。そして両クルー共にクルー・メディカル・オフィサー用の技能訓練を行いました。19日にチャオは、来月プログレス(15P)と共に投棄される予定の米国の物品の在庫管理を行いました。 クルーは今週の活動をイタリアのマーレの学生とのアマチュア無線による交信で終了しました。週末にかけて、クルーは休日を楽しみ、家族とプライベートな会話を交わし、バッテリー充電などの軽い作業や定期メンテナンスを行う予定です。 11月24日にはソユーズ9S宇宙船のスラスタの噴射試験が行わる予定です。これは11月29日に予定されている、現在のドッキング場所である「ピアース」(ロシアのドッキング室)からの切り離しと「ザーリャ」(基本機能モジュール)への再ドッキングに先立って実施されるものです。この移動によってピアースを、来年初めに2回予定されている船外活動専用のエアロックとして使うことができるようになります。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、11月26日か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年11月22日
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