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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-49

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第9次長期滞在クルー
2004年8月27日(金) 午後3時00分(米国中部夏時間)
2004年8月28日(土) 午前5時00分(日本時間)

今週の国際宇宙ステーション(ISS)では「成功」という単語がキーワードになりました。これは、第9次長期滞在クルーがいくつかの重要な機器を無事に修理したためです。

今週はじめ、NASAのサイエンスオフィサーでフライトエンジニアのマイケル・フィンクは、これまで飛行中に行われた米国製宇宙服の修理作業の中で最も複雑な作業である、宇宙服の冷却システムで使用する水循環ポンプの交換作業を行いました。8月23日に4時間半かけて交換作業が行われた後、8月24日に数時間の試験が行われました。この試験により水循環ポンプは正常に動作していることが確認されました。地上の技術者はこの米国製宇宙服が使用可能になったかどうか決定する予定です。もしそうなれば、ISS内の使用可能な米国製宇宙服はふたつになります。さらに3つ目の宇宙服もISSに搭載されていますが、冷却システムに問題を抱えています。しかし、マネージャが3つ目の宇宙服に対しても同じようなメンテナンス作業を行うと選択した場合、ISS内にはふたつ目の予備の水循環ポンプがあるため、修理可能です。

フライトコントローラはフィンクによる交換作業を称賛し、今回の作業により将来のISS運用への理解が深まっただけでなく、将来のあらゆる長期宇宙飛行に適用できる重要なデータを得ることができたと彼に告げました。

また8月23日にフィンクは、ISSの運動器具のうち、ゴムの張力で負荷を調節して運動を行う筋力トレーニング装置(Resistive Exercise Device: RED)の重要な部品を交換しました。フィンクは、REDで使われていた従来のキャニスタに比べて2倍の耐久性を持つよう設計された新しいキャニスタをふたつ取り付けました。そして、運動を行いながら動作を点検し、REDが良好な状態であることを確認しました。ISSで行う運動は、無重量環境が体に与える影響を少なくするひとつの方法として、クルーにとって欠かせないものです。宇宙服の水循環ポンプとREDキャニスタの予備品は、8月14日にISSに到着したプログレス補給船(15P)に搭載されて運ばれました。

フィンクとコマンダーのゲナディ・パダルカは日が進むにつれて、来週に予定されている彼らにとって4回目で最後となる船外活動に向けて準備を進めました。9月3日の船外活動では、クルーはロシアのオーラン宇宙服を着用し「ピアース」(ロシアのドッキング室)から外に出て作業を行う予定です。この船外活動では、来年初飛行を行う欧州宇宙機関(ESA)の欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)の飛行を補助する3つのアンテナを「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)外部に取り付けます。その他の作業として、ロシアモジュールの冷却システムの一部である「ザーリャ」(基本機能モジュール)上のポンプパネルの交換作業、宇宙服のテザーを引っ掛けるためのガイドをザーリャのハンドレールへ取り付ける作業、ピアースのハッチ近くのハンドレールへカバーを取り付ける作業があります。

今週フィンクとパダルカは船外活動の手順を確認し、使用する工具を集めて点検しました。8月30日にはオーラン宇宙服の電源を入れ、準備を続けながら宇宙服の動作点検を行います。船外活動は、米国中部夏時間9月3日午前11時50分(日本時間9月4日午前1時50分)に開始され、約6時間行われる予定です。船外活動の模様は、NASA TVで9月3日午前10時30分(同9月4日午前0時30分)から生中継される予定です。

今週行われた他の作業として、8月25日夕方にISSの軌道上昇(リブースト)が行われ、プログレス補給船のスラスタ噴射によりISSの高度は約2.5マイル(約4km)上昇しました。この軌道上昇(リブースト)により、10月のソユーズ宇宙船と新しいクルーの到着時に必要な軌道高度近くまでISSは移動しました。さらに9月にもISSの軌道上昇(リブースト)が行われ、軌道高度の上昇を完了する予定です。ISSは現在、遠地点高度約230マイル(約370km)、近地点高度約218マイル(約351km)の軌道上を飛行しています。

8月23日と24日にフライトコントローラはISSのカメラを操作し、フィリピン海を瞬く間に横切った風速(時速)165マイル(秒速約74m)の台風「チャバ」(台風16号)のビデオ映像を撮影しました。本日フィンクは、大西洋上のハリケーン「フランシス」の写真を、ISSが上空を飛行したときに撮影し報告しました。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。

ISSでの科学実験の詳細については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。

NASA TVは、アメリカ大陸ではAMC-6衛星の中継器9C(西経72度、周波数3880MHz、垂直偏波、モノラル音声帯域6.8MHz)から受信することができます。アラスカとハワイでは、AMC-7衛星の中継器18C(東経137度、周波数4060MHz、垂直偏波、モノラル音声帯域6.8MHz)から受信することができます。インターネットでのNASA TVの詳細については、http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/index.htmlをご覧ください。

次回のISSステータスレポートは9月3日の船外活動後か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。 


出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2004/iss04-49.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2004年8月31日

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