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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-40

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第9次長期滞在クルー
2004年7月16日(金) 午後3時00分(米国中部夏時間)
2004年7月17日(土) 午前5時00分(日本時間)

国際宇宙ステーション(ISS)では、宇宙滞在13週目に入った第9次長期滞在クルーが、定期的なISSのメンテナンス作業と、科学実験を実施しました。

コマンダーのゲナディ・パダルカと、NASAサイエンスオフィサーのマイケル・フィンクは、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内の自転車エルゴメータを漕ぎながらパダルカの心肺系の状態を測定する「Profilaktika」と呼ばれるロシアの実験を含め、多数の生医学実験を行いました。フィンクは、「デスティニー」(米国実験棟)内で流体挙動実験装置を操作しました。これは、微小重力環境下で注射器から液滴を出し、それが移動して1つの球体になる過程を調べるものです。また、微小重力環境下での気泡の特性を調べる実験も行いました。

ISSでの科学実験の詳細については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。

クルーは、ズヴェズダ後部にドッキングしているプログレス補給船(14P)へのゴミの積み込み作業を行いました。無人のプログレス補給船(14P)は、7月30日にロシアのフライトコントローラによってISSから分離され、地球の大気圏に突入する予定です。新しいプログレス補給船(15P)は、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から8月11日に打ち上げられ、8月14日にISSにドッキングする予定です。この新しいプログレス補給船(15P)には、パダルカとフィンク、そして10月にISSに打ち上げられる予定の第10次長期滞在クルーの食料や燃料、水、補給品が搭載されます。

7月15日に、ロシアのフライトコントローラは、ズヴェズダのコンピュータのソフトウェアを新しいバージョンに更新することができませんでした。このソフトウェアの更新は、ヨーロッパで開発されている無人の欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)の来年の初飛行に備えて行われているものです。ロシアの専門家は、何が原因でソフトウェアの更新ができなかったのかを分析しており、7月21日にもう一度更新作業を行う予定です。このコンピュータは、現在インストールされているソフトウェアで正常に動作しています。

7月16日の午前中にパダルカはズヴェズダのポンプ装置を交換しました。7月14日にこの装置に不具合が生じたため、ロシア側の冷却システムふたつのうちのひとつが機能せず、冗長性が一時的に失われていました。交換作業が行われるまで、ロシアの全システムは予備の冷却システムにより適切な温度範囲に維持されました。現在はどちらの冷却システムも正常に動作しています。

フィンクは、7月14日にボストン・グローブ・ニュースペーパー・マガジンのリポータとISS上での生活と作業について交信しました。また、NASAの研究チームが滞在している「アクエリアス」海底研究室との間で、宇宙と海底とを結んで数分間の交信をしました。アクエリアスはフロリダ州キーラーゴの沖合にあり、NEEMO(NASA Extreme Environment Mission Operations)の活動の一部として実施されています。

また、パダルカとフィンクは、緊急時の対処方法を訓練する一環として、医学的な緊急事態が発生した時の対処能力の維持と、ISS内の予期せぬ減圧に対処する訓練を行いました。

来週、フィンクは、ミッションコントロールの支援を受けながら、米国の宇宙服の不具合原因究明作業を再び実施する予定です。この宇宙服(Extravehicular Mobility Units: EMU)は冷却システムに問題を抱えており、現時点ではEMU内の水循環ポンプにまで原因は絞り込まれています。これらのポンプは、クルーの体を冷やしたり保温したりするため、宇宙服内の水を循環させます。フィンクは、パダルカが使用する宇宙服の水循環ポンプを取り外して、さらに調査を行う予定です。この宇宙服の修理部品は、来月、プログレス補給船(15P)に載せて打ち上げられる予定です。

ロシアのオーラン宇宙服を使用した次の船外活動は8月3日に予定されています。この船外活動では、科学実験装置の回収と設置を行うほか、ATVの来年の初飛行に備えて、ズヴェズダ外部のドッキングポートの準備が行われる予定です。来週、クルーは船外活動の準備と手順書の確認作業を開始する予定です。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。

次回のISSステータスレポートは7月23日か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。


出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2004/iss04-40.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2004年7月20日

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