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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-39
第9次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)では、12週目に入った第9次長期滞在クルーが、定期的な保全作業、宇宙服の不具合原因究明作業、科学実験を主に実施しました。 コマンダーのゲナディ・パダルカと、NASAサイエンスオフィサーでフライトエンジニアのマイケル・フィンクは、地上に医学データを早く送信する可能性について探る科学実験を行いました。これを地上で応用すれば、離れた場所にいる病院の医師が患者の状態を素早く診断することも可能になります。 パダルカは今週の半ばに、フィンクを患者役にして、発展型超音波診断(Advanced Diagnostic Ultrasound in Microgravity: ADUM)実験を実施しました。この実験では、航空宇宙専門医(フライトサージャン)に対して素早くデータ送信ができることをデモンストレーションしました。これは、たとえば、事故の被害者の早期診断ができるようになるなど、地上での応用が考えられます。訓練をあまり受けていない人でも離れた場所にいる医師に情報を送ることができ、被害者を病院に搬送する前にデータを評価することができます。このようなテレサイエンスを使って早期診断と処置を行うことにより、命を救うことができるようになります。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 フィンクは、ミッションコントロールの支援を受けながら、米国の宇宙服の不具合原因究明作業を再開しました。米国製宇宙服(Extravehicular Mobility Units: EMU)は冷却に問題があり、現時点では宇宙服の水循環ポンプに原因が絞り込まれました。これらのポンプは、宇宙服内でクルーの体を冷やしたり、保温したりするための水を循環します。問題をより正確に把握するための、さらなる作業が7月19日の週に予定されています。この宇宙服の修理部品は、次のプログレス補給船に乗せて8月11日に打ち上げられる予定です。この新しいプログレス補給船(15P)は、8月14日にISSにドッキングする予定です。現在、ISSにドッキングしているプログレス補給船(14P)は、7月30日にドッキングを解除する予定です。 ロシアのオーラン宇宙服を使用した次の船外活動は8月3日に予定されています。この船外活動では、科学実験装置の回収と設置を行うほか、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)の来年の初飛行に備えて、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)外部のドッキングポートの準備が行われる予定です。 今週末に、クルーは、ヒューストンとモスクワのフライトコントローラと共に緊急事態発生時の対処方法を訓練する一環として軌道上での火災訓練を行いました。同様な訓練は、緊急時への備えとして軌道上で定期的に実施されています。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは7月16日か、もしくは何かイベントがあればその時に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年7月13日
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