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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-29
第9次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)上の第9次長期滞在クルーは、今週は、ロシアの補給船からの荷下ろしを行うとともに、6月の船外活動の準備を行いました。この船外活動で、故障した電力制御装置を交換します。 第9次長期滞在クルー(ISSコマンダーのゲナディ・パダルカとNASAのサイエンスオフィサーでフライトエンジニアのマイケル・フィンク)は、米国中部夏時間5月27日午前8時55分(日本時間5月27日午後10時55分)に「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の後方にドッキングしたプログレス補給船(14P)から約2.3トンの食料や水、予備部品、補給品を荷下ろしするため、数日を費やしました。 フライトコントローラ達は、後日、プログレス補給船(14P)のタンクからISSのロシアモジュールのタンクに燃料を移送する予定です。 船外活動の準備は6月3日から開始され、ロシア製の宇宙服の設定と、宇宙服とコードレスの工具で使用するバッテリの充電が行われました。 船外活動は、ヒューストン時間の6月15日以降に予定されています。準備の状況と船外活動の計画立案は、来週行われる予定の定期的なISSマネージャ会議でさらにレビューされる予定です。4月21日に電力制御装置が故障したことにより、ISSの姿勢を制御するコントロ-ル・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)3基のうちの1基が一時的に機能しなくなりました。これを交換するのが今回の船外活動の目的です。 ロシアのスラスタを使うことなくISSの姿勢を制御するには2基のCMGがあれば十分ですが、ISSのマネージャとフライトコントローラ達は、この夏に予定されている2回の船外活動時にはさらに予備のCMGを用意しておきたいと考えています。4番目のCMGは2年前に故障し、来年のスペースシャトルの飛行再開の際に交換が予定されています。 今度の船外活動は、史上初めて2国間の調整の下、行われます。ヒューストンとモスクワのフライトコントローラが交替で、地上支援チームの主担当になります。 ロシアのフライトコントローラは、パダルカとフィンクのロシアのオーラン宇宙服の着用、「ピアース」(ロシアのドッキング室)からの船外への移動、「ストレラ」(ロシアのクレーン)を使用したISSの米国部分への移動を支援します。そして、次に米国のフライトコントローラが、故障した遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)の交換に関する主担当となり、新しいRPCMからCMGへの電力の供給を支援します。CMGに電力が供給されると、ヒューストンのフライトコントローラがロシアのクレーンにクルーが乗るのを支援し、ロシアのフライトコントローラに主担当の役割を戻します。先週、フィンクとパダルカはISSの「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)をS0(エスゼロ)トラスに沿って移動させ、船外活動時のカメラ視野を確保できるようにしました。来週の終わりには、彼らはリハーサルで宇宙服を着用して、システムのチェックを行い、船外活動の日を待つばかりとなります。 今週、パダルカとフィンクは、生物医学実験の一部としてロシアの手の動きに関する研究や、定常的な日常業務も行いました。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、6月11日もしくは何かイベントがあればその前に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年6月7日
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