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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-26
第9次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している第9次長期滞在クルー(コマンダーのゲナディ・パダルカとNASAのサイエンスオフィサーでフライトエンジニアのマイケル・フィンク)は、宇宙服の試着を含めた船外活動の準備で忙しい1週間を過ごし、宇宙での最初の1ヶ月間を終えました。 米国製の宇宙服をチェックしていた時、パダルカの宇宙服の冷却システムに問題が見つかりました。その結果、トラブルシューティングとさらなるチェックが行われることになりました。この宇宙服チェックは、ISSのトラス上の故障した電力制御装置を交換するためにパダルカとフィンクが行う船外活動の準備の一環として実施されました。修理によって、4月に電源が落ちたコントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)の電力が回復することが期待されます。ISS上の他のふたつのCMGは今も順調に動作しており、ISSの姿勢を保っています。船外活動は現在、6月16日以降に実施される予定です。 宇宙服のチェックは5月19日に7時間かけて行う予定でしたが、パダルカから冷却機能が働かないことが報告された後、短縮されました。彼はチューブ内を循環して冷却効果を与えるための水の中に小さな気泡があることを報告しました。5月21日、パダルカとフィンクはパダルカの宇宙服の冷却システムの水を交換しました。22日には、彼らは水が循環することを確認するためにパダルカの宇宙服の冷却システムを再チェックする予定です。必要であれば、システム内のチェックバルブ(逆止め弁)の動作も試験します。 5月19日に宇宙服を試着したとき、フィンクの冷却システムにも小さな問題が生じましたが、うまく動かないバルブが原因であることが速やかに特定され、フィンクの宇宙服を使用する上での懸案事項はなくなりました。 パダルカの宇宙服のトラブルシューティングがうまくいけば、もう1回行われる米国製の宇宙服の試着を含め、船外活動計画の完了まであといくつかの段階が残るのみです。必要であれば、ロシアのオーラン宇宙服でも船外活動を実施できます。 今週はまた、ISSの地上コントローラたちによってISSにドッキングしているプログレス補給船(13P)のエンジンが11分間噴射され、ISSの遠地点高度が2.3マイル(約3.7km)上昇し、軌道傾斜角が100分の1度調整されました。プログレス補給船(14P)の到着に向けて、ISSのプログレス補給船(13P)は、米国中部夏時間5月24日午前4時19分(日本時間5月24日午後6時19分)にISSから分離します。プログレス補給船(14P)は5月25日午前6時34分(同5月25日午後8時34分)にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定です。新しいプログレス補給船(14P)は5月27日午前8時55分(同5月27日午後10時55分)に「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)にドッキングする予定で、その模様はNASAテレビで中継されます。 燃料や食糧、補給物資の他に、プログレス補給船(14P)はパダルカとフィンク用にサイズ調整された新しい米国宇宙服のグローブやその他の宇宙服部品を輸送します。 クルーは今週もまた、超音波装置を使ったボディスキャンを実施する科学実験を引き続き行いました。この実験は、最低限の訓練を受けたクルーがミッションコントロールセンターの医師の支援を受けながらこれらの先端型試験を実施できるかを判定する研究プログラムの一環として行われました。コンピュータを使用した訓練を先週終えたクルーは、今週、ひじ・ひざ・腹部・胸部のスキャンを含めたボディスキャンを2回行いました。 クルーはまた、宇宙加速度測定実験(Space Acceleration Measurement System: SAMS)装置のハードディスクを交換しました。SAMSは、小さな振動が結晶成長実験など周辺の敏感な実験装置に対していかに影響を与えるかを測定する研究プログラムへのデータを供給するシステムです。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、5月25日のプログレス補給船(14P)の打上げ後もしくは何かイベントがあればその前に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年5月24日
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