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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #04-16
第8次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)のエレクトロン(酸素生成装置)は、3月20日早朝に主要部品が交換され再起動されてからは、順調に作動しています。 第8次長期滞在クルー(コマンダーのマイケル・フォールとフライトエンジニアのアレクサンダー・カレリ)は先週2日間かけて、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内に設置されているロシア製のエレクトロンの液体ユニットと水流システムを交換しました。エレクトロンは、排水から酸素と水素を生成する装置です。酸素はISSの大気に使用され、水素は船外に廃棄されます。 エレクトロンはこの数週間、作動してすぐにシャットダウンするという現象を繰り返し起こしていました。この間クルーは、酸素と空気をISSにドッキングしているプログレス補給船(13P)やSFOG(Solid-fuel Oxygen Generator、固体燃料の酸素発生装置)から補給していました。ひとつのSFOGで、ひとりのクルーが1日に必要とする酸素を供給することができます。 エレクトロンが修理されて作動するまでの間に、合計13個のSFOGが使用されました。ISSには100個以上のSFOGが残っており、また「クエスト」(エアロック)のふたつの高圧タンクにも酸素が残されているため、必要となれば数ヶ月の酸素が供給可能です。 エレクトロンが順調に作動している間、フォールとカレリは週の大半を科学実験に費やしました。 カレリは、エンドウ豆を入れた温室を使うRasteniya実験を行いました。これは、微小重力環境で植物がどのように生長するのかを調べる実験です。カレリはまた、ズヴェズダにドッキングしているプログレス補給船(13P)を使って、ロシア製のTORU(手動ドッキングシステム)の点検を行いました。このプログレス補給船(13P)は、約2.3トンの物資や補給品、水、燃料を搭載した新しいプログレス補給船(14P)が到着する前日の5月中旬にISSから分離し、地球大気圏で焼却されます。 フォールはまた、MFMG (Miscible Fluids in Microgravity)実験を行いました。この実験では、水の入った容器に蜂蜜を注入し、微小重力下でこのふたつがどのように混ざるのかを観察します。フォールはまた、気泡の生成と移動性の研究(Pore Formation and Mobility Investigation: PFMI)を行いました。こちらは、微小重力科学グローブボックス(Microgravity Science Glovebox:MSG)の中で透明な材料を溶かし、物質中に存在する気泡の生成と相互作用を観察します。この実験により、このようなプロセスの中で気泡の生成の防止や、その結果としてより強い材料の生成が期待できます。 3月22日と23日に、ふたりのクルーは、定期的に計画されているISSの騒音レベルの試験の一部として、約8時間騒音測定器を装着しました。両日とも後半は騒音測定器を取り外し、動かない場所に固定しました。3月25日に、ふたりのクルーは、ニューヨーク州ウィリアムズビルのミル中学校の生徒たちと会話をしました。 3月26日に、フォールとカレリはISS内のふたつのアメリカ製の宇宙服のうちのひとつに対して定期的な詳細検査を行いました。もうひとつの宇宙服についての検査は、数ヶ月間は予定されていません。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、4月2日か、もしくは何かイベントがあればその前に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2004年3月29日
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