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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #03-58 |
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第8次長期滞在クルー
コマンダーでNASA ISSサイエンスオフィサーのマイケル・フォールとフライトエンジニアのアレクサンダー・カレリは、今週はISSの内部を住みやすいように設定することから始めました。PMA2(与圧結合アダプタ2)の気圧を「デスティニー」(米国実験棟)と等しくした後、PMA2を開け、しばらく使用する予定のないさまざまな機器や物品を収納しました。それからPMA2のハッチを閉じ、PMA2を減圧しました。 フォールは、イタリアの科学実験のひとつである特別に作られたグローブを装着しました。これは物に手を伸ばす時とつかむ時の、微小重力下における手と腕の筋肉の動きの違いを見る実験です。この手の状態解析(Hand Posture Analyzer)はまた、長期間の宇宙飛行による筋肉の疲労の量も測定するものです。手に着けた手の動きを検知するグローブ(Posture Acquisition Glove)、手首についている慣性追跡装置(Inertial Tracking System)、握力とはさむ力を測定する装置(Hand Grip and Pinch Force Dynamometers)で得られた結果は、飛行前後のデータと比較される予定です。 フォールとカレリはまた、宇宙飛行中のじん臓結石の予防(Renal Stone)実験の一部として、クエン酸カリウムの錠剤か偽薬のいずれかの服用と、食事、水分、そして薬の摂取状況の記録を開始しました。過去の軌道上実験から、宇宙飛行中および飛行直後にじん臓結石を生じる危険性が増加することが判明しています。この実験は、地上で検証された対処療法を宇宙で試験するものです。 最後に、フォールはEarthKAM(Earth Knowledge Acquired by Middle School Students)で使用されるデジタルカメラをデスティニーの中の光学的な品質を持つ窓に設置しました。これにより、6~8学年の生徒(訳者注:日本では中学生に相当)たちが地球の写真を撮ることができ、撮った写真は学生たちの科学チームが解析するために地上に送信されます。 一方、第7次長期滞在クルーのコマンダーのユーリ・マレンチェンコとNASA ISSサイエンスオフィサーのエドワード・ルーは、ロシアの星の街にあるガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center:GCTC)で飛行後の医学検査と結果報告を続けています。彼らは米国中部標準時間11月18日(日本時間11月19日)にヒューストンへ戻る予定です。彼らはISSに183日間滞在した後10月27日(同10月28日)に帰還しました。彼らと一緒のISSソユーズ6宇宙船(ソユーズTMA-2宇宙船)で、欧州宇宙機関(ESA)のスペイン人宇宙飛行士のペドロ・デュークが帰還しました。彼は第8次長期滞在クルーと共に打ち上げられた後、8日間集中的に実験を行いました。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また地上のある地点からのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、11月14日に、または何かイベントが生じた際にはその前に発行する予定です。
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 |
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最終更新日:2003年11月10日 | |||
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