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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #03-35 |
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第7次長期滞在クルー
第7次長期滞在クルー(コマンダーのユーリ・マレンチェンコとNASAの国際宇宙ステーション(ISS)サイエンスオフィサーのエドワード・ルー)は、カナダアーム2(ISSのロボットアーム)に関する作業で今週の作業を終えました。この作業は、カナダアーム2をクルーが操作することなく地上から操作できるようにするための作業です。 ルーがヒューストンのフライトコントローラとともに始めた本日の作業は、米国中部夏時間7月25日午前3時(日本時間7月25日午後5時)を少し過ぎた頃に始まりました。この作業はフィジビリティ・スタディ(実現可能性の検討)でした。ルーは、カナダアーム2のエンドエフェクタ(Latching End Effector:LEE)の操作や関節動作の開始など、地上からまだ行うことのできない作業を行いました。この作業は、午前7時(同7月25日午後9時)前には無事終わりました。この結果は、概念の検証や、カナダアーム2を地上から制御する際に必要なソフトウェアやハードウェア、操作手順の変更を決める際に反映されます。 ルーは、また、デスティニー(米国実験棟)の微小重力研究グローブボックス(Microgravity Sciences Glovebox:MSG)内に設置された固体液体混合による結晶粒粗大化実験2(Coarsening of Solid-Liquid Mixtures 2:CSLM-2)のサンプル処理ユニット(Sample Processing Unit:SPU)について作業を行いました。ルーが設置したひとつのユニットが変形しているのが見つかったため、以前のSPUが再設置されました。CSLM-2実験は、内部の湿度と結露の心配があったため、今週はじめから延期されています。実験は来週には始まる予定です。この実験では、材料の強度を減少させる原因となる結晶粒粗大化(coarsening)と呼ばれる現象について研究されます。この現象は、雨雲中の水滴や歯科充填材など多くの材料中で見られる現象です。この現象により、高温のタービン翼が弱体化することもあります。一方、マレンチェンコは、ズヴェズダ(ロシアのサービスモジュール)後方にドッキングしたプログレス補給船(10P)への不要物の積み込み作業を2時間以上かけて行いました。 7月21日に、クルーは医学実験を行い、マレンチェンコは44個のロシアの医学品、食料品、軟膏などの在庫管理作業を約2時間行いました。22日には、さらに医学試験を行い、またモスクワのミッションコントロールセンターによる衛星航行システムのアンテナ試験も引き続き行われました。クルーは、ケネディ宇宙センターに集まった教師を介して小学校から高校までの生徒からの質問に答えました。 クルーは23日に、ソユーズ宇宙船の降下訓練と、週を通して行われている宇宙服の電池の活性化作業を引き続き行いました。24日には、ルーとマレンチェンコは、本日行われたカナダアーム2の運用の準備を行い、マレンチェンコは休息時の生体電気的な心臓活動についてのロシアの研究に引き続き参加しました。 1週間を通して、クルーはISSの通常の保守作業を引き続き行い、軌道上の微小重力環境下に長期間滞在したときの影響を防ぐため、日々の運動を行いました。 NASAは25日に、米国宇宙飛行士のマイケル・フォールとロシア宇宙飛行士のアレクサンダー・カレリがISSの第8次長期滞在クルーとなることを発表しました。彼らは、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士ペドロ・デュークとともに、10月18日ソユーズ宇宙船で打ち上げられる予定です。デュークは、4月28日にISSに到着した第7次長期滞在クルーとともに地球に帰還する予定です。帰還するソユーズ宇宙船は、10月28日にカザフスタン共和国に着陸する予定です。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また地上のある地点からのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://www.scipoc.msfc.nasa.gov/をご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、8月1日、または何かイベントが生じた際に発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2003/iss03-35.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。
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最終更新日:2003年7月28日 | |||
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