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「きぼう」日本実験棟船内実験室 End-to-End試験2006年10月4~5日にかけて、JAXA筑波宇宙センター(TKSC)とNASAジョンソン宇宙センター(JSC)、ケネディ宇宙センター(KSC)をつないで、「きぼう」日本実験棟船内実験室 End-to-End 試験が実施されました。 End-to-End 試験とはEnd-to-End 試験とは、「きぼう」が打ち上げられた後の運用を模擬して、TKSCから「きぼう」へのコマンドの送信や「きぼう」からのテレメトリの受信が正常に行われることを確認する試験です。End-to-Endとは、End(TKSCの運用管制システム(Operational Control System: OCS))-to-End(「きぼう」のシステム)を意味しています。 「きぼう」の運用では、TKSCと「きぼう」間のコマンドおよびテレメトリの送受信は、原則としてJSCと米国のデータ中継衛星(Tracking and Data Relay Satellite: TDRS)を経由し、国際宇宙ステーション(ISS)の米国モジュールを介して行われます。今回の試験は、実際の運用に近い構成として、TKSCからJSCを経由してKSCにある「きぼう」船内実験室までをつないだ構成で実施しました。 ISSに実際に取り付けられる「きぼう」船内実験室フライトモデルに対してコマンドを送信し起動する試験は、米国へ出荷する前の統合システム試験で行われましたが、今回は初めてJSCを経由して実施した試験でした。 試験の流れ試験では、「きぼう」船内実験室が打ち上げられる1Jミッションでの運用の流れに沿って、「きぼう」船内実験室の起動作業などを実際に行いました。 「きぼう」船内実験室の起動「きぼう」船内実験室の各部に電源を投入し、クルーが入室できる環境を整える起動作業は、軌道上のクルーと地上の飛行管制官との協調作業です。まず軌道上のクルーがポータブル・コンピュータ・システム(Portable Computer System: PCS)を使ってコマンドを送信し、ISSから「きぼう」船内実験室へ電源を供給する初期起動作業を行います。今回はこのクルー役をKSCにて土井、星出両宇宙飛行士およびNASAの宇宙飛行士2名の計4名が担当しました。 その後、TKSCから、現在シミュレーション訓練などで訓練中のJAXAの飛行管制官がコマンドを送信し、各装置の電源投入前に行う冷却機能の起動、「きぼう」船内実験室の中枢である「きぼう」管制制御装置の起動を行い、クルーが入室するまでの起動作業を行いました。
共通結合機構(CBM)の起動「きぼう」船内実験室は、「きぼう」船内保管室と共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)を介して結合されます。「きぼう」船内実験室には、モータの駆動で結合を行うアクティブCBM(ACBM)が設置されています。試験ではクルー役の宇宙飛行士がPCSからACBM起動コマンドを送信し、テレメトリを受信しているTKSCにてACBMが起動したことを確認し、また起動後の点検を行いました。 試験結果End-to-End試験は無事終了し、JAXA OCSから「きぼう」船内実験室へのコマンドの送信や「きぼう」船内実験室からのテレメトリの受信が正常に行われること、また「きぼう」船内実験室の起動、ACBMの起動・点検を正常に行うことが出来ることを確認しました。また、今回初めてJAXAの飛行管制官がフライトモデルに対してコマンドを送信し、実運用のシナリオ通りに問題なく「きぼう」船内実験室を起動することができました。 打上げに向けて今回の試験で識別された運用手順への反映事項を今後反映し、「きぼう」の打上げに向けて準備を整えていきます。 最終更新日:2006年11月2日
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