2002年8月19日から24日まで、筑波宇宙センターにおいて、「きぼう」日本実験棟の船内実験室気密試験がおこなわれました。
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気密試験とは | 気密試験は、ほぼ真空である宇宙環境において船内の気密性を確認するための試験です。気密試験は有人宇宙構造物特有の試験であり、日本では今まで有人宇宙構造物を製作していませんので、「きぼう」の気密試験が"初めて"ということになります。
この試験では、貴重なリソースのひとつである空気(酸素と窒素)の、スペースシャトルによる国際宇宙ステーション(ISS)への必要供給量を正確に見積もるために必要な「きぼう」の気密性データをNASA側に提示することも目的のひとつになっています。
今回の気密試験は、ISSに取り付ける「きぼう」の主要な構成要素のひとつである「船内実験室」について、筑波宇宙センターの総合環境試験棟(SITE)内の13mφスペースチャンバを利用しておこないます。試験の対象となるのは、各種バルブ、ハッチならびにエアロックなどにおける船内実験室の貫通部からの漏れ量です。
試験の手順は以下の通りです。 - 船内実験室を13mφスペースチャンバに搬入。
- スペースチャンバのふたを閉め、チャンバ内を排気し真空にする。(約15時間)
- 船内実験室にヘリウムを入れ、総漏れ量を計測。(約3日間)
- 計測終了後、真空となっているチャンバ内を大気圧に戻し試験終了。
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船内実験室の移動 | 気密試験に先立って、8月7日に船内実験室を宇宙ステーション試験棟からSITEへ移動させました。移動の様子を写真でご紹介します。
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プレス公開 | 気密試験に先立って、8月19日にスペースチャンバ内に搬入された船内実験室の模様を、報道関係者の方々に公開しました。
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公開前説明会 |
スペースチャンバ内に搬入された船内実験室 | プレス公開の様子 |
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今後の予定 | 気密試験終了後は、2003年頃にフロリダ州NASAケネディ宇宙センターへ輸送され、そこで、ISSの他のモジュールとの組み合わせ試験を行う予定です。
最終更新日:2002年8月20日
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