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「きぼう」日本実験棟のエアロック機能試験

 1999年 8月4日、5日に、「きぼう」日本実験棟のエアロックの機能試験が「きぼう」日本実験棟船内実験室フライトモデル(実機)内にて行われました。この試験の様子をご紹介します。
(エアロックの詳細については、「きぼう」日本実験棟の構成 -エアロック-をご参照下さい)

エアロックの機能試験とは
 「きぼう」日本実験棟のエアロックは、一気圧の空気でみたされている「きぼう」日本実験棟の船内実験室から真空の宇宙にある船外実験プラットフォームに実験装置などの物を出し入れするための出入口です。エアロックには2つのハッチがあり、船内実験室側のハッチを内側ハッチ、宇宙に面しているハッチを外側ハッチと呼んでいます(下図参照)。軌道上ではこれら両方のハッチは同時に開かないような仕組みになっています。また、貴重な空気をできるだけ宇宙へ逃がさないように、エアロック内の空気を船内実験室に回収してから外側ハッチをあけて物を出し入れします。今回の試験では、エアロックのハッチと移動テーブルとが宇宙でちゃんと作動することを地上で確認しました。
エアロック
エアロックの図外側ハッチ内側ハッチ

試験の様子
ハッチの作動試験
  内側ハッチは人の手で開閉するのに対して、外側ハッチは電動で開閉するように設計されています。外側ハッチを電動で開閉する方法は2種類あり、1つをオートモード、もう1つをマニュアルモードと呼んでいます。オートモードはボタンを押すとハッチが自動的に開閉するように手順がすべて自動化されているモードです。マニュアルモードは、開閉手順を1つ1つボタンで確認しながら開閉していくモードです。なお外側ハッチは、電力の供給がたたれたときにも開閉できるように、人力で船内実験室側から開閉できるようにもなっています。
 この試験で、内側ハッチと外側ハッチがそれぞれの操作方法できちんと開閉することを確認しました。

試験の様子
 また、この試験の様子は動画(mpg形式)でご覧頂けます。

 ・内側ハッチ(開閉) 音声無 MPEG Movie [1224KB, 36秒]
 ・外側ハッチ( 閉 ) 音声無 MPEG Movie [816KB, 55秒]

 
 移動テーブル作動試験
 移動テーブルは、船内実験室から宇宙へ物を出し入れするときに使用するものです。実験機器などの軌道上交換ユニット(ORU)の荷物を、船内実験室側からと船外実験プラットフォーム側に移動したり、船外実験プラットフォーム側から船内実験室側に移動するためのもので、エアロックの中に設置されています。右の写真が示すように、テーブルの両サイドにあるつめで荷物をはさんで固定してから、荷物を移動するようになっています。
 この移動テーブルは、外側ハッチと同様に電動(オートモード/マニュアルモード)で、また電力の供給がたたれたときにも手動で移動できるようになっています。この試験では、それぞれの操作方法で移動テーブルがきちんと動作することを確認しました。

移動テーブル

荷物を挟んでいるところ
 また、この試験の様子は動画(mpg形式)でご覧頂けます。

 ・移動テーブル伸展 
  (船内実験室側) 音声無 MPEG Movie [1176KB, 52秒]
  (船外実験プラットフォーム側) 音声無 MPEG Movie [600KB, 27秒]
 ・移動テーブル収納
  (船外実験プラットフォーム側) 音声無 MPEG Movie [512KB, 23秒]

 
その他の試験
  内側ハッチは手動で開閉するのですが、開閉するのにどのくらいの力をかければ開閉できるのかを測定しました。
 また、ハッチの隙間から空気が漏れていかないようにハッチのまわりにはシールがついていて、閉めたときにハッチと壁の隙間をそのシールがふさぐようになっています。シールが正常に機能するためにはそのつぶし量が適正であることが必要です。今回は、つぶし量が適正であることをハッチと壁との隙間量を測定することにより確認しました。

ハッチを開くのに必要な操作力の測定

今後の試験
 この後は、加圧減圧機器作動試験とリーク試験を行う予定です。
 加圧減圧機器作動試験では、「きぼう」日本実験棟から船外に物を移動するとき(または船外から「きぼう」日本実験棟に移動するとき)にエアロック内を減圧して空気をできるだけ回収してから外側ハッチを開けますが、この動作確認などの試験を行います。また、リーク試験とはハッチや配管から空気が漏れていないか確認する試験です。
 エアロック単体での試験は以上の2つをもって終わります。今後は、ほかの「きぼう」日本実験棟のサブシステムと組み合わせて総合的な試験を行っていきます。


最終更新日:1999年 8月 31日

 
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