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若田宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する間に実施されるJAXAに関わる科学実験や理工学ミッションの一覧です。
目的 | 重力形態形成に関わると考えられている「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられている「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにします。 |
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概要 | 細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を用いて、微小重力環境と人工的につくる1G重力環境でキュウリの芽生えを生育させ、いろいろな発育段階でペグ形成とCsPIN1タンパク質の局在を解析します。また、水分勾配を形成させた条件と水分飽和の条件で、CsPIN5タンパク質の局在に対する重力と水分勾配の影響を調べます。 |
期待される成果 | 植物の形態形成や根が伸びる方向をコントロールすることができるようになれば、植物栽培技術への貢献や将来の宇宙における植物工場などへの貢献が期待できます。 |
代表研究機関 | 東北大学大学院 生命科学研究科 教授 高橋 秀幸 |
詳細情報 |
目的 | 植物の細胞が伸びる方向を決める「表層微小管」に注目し、植物が重力に耐える体を作るしくみの全容を探ります。 |
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概要 | 緑色蛍光タンパク質(GFP)によって、表層微小管に目印をつけたシロイヌナズナの種子を宇宙で発芽させ、3日間育てます。宇宙で育てたシロイヌナズナの茎の細胞の形や表層微小管の様子を「きぼう」船内にある顕微鏡を使って観察します。 |
期待される成果 | 植物が重力に耐える体を作るしくみがわかれば、それを利用して植物の形をコントロールすることができ、地球上での植物の効率的な生産や将来の宇宙における植物栽培に役立てることができます。 |
代表研究機関 | 大阪市立大学 大学院理学研究科 准教授 曽我康一 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙の微小重力環境において起きる骨量減少に関して、メダカの細胞を用いて宇宙空間における骨代謝について解析します。 |
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概要 | 重力影響を受ける可能性がある咽頭歯部にある破骨細胞を用い、微小重力下での破骨細胞活性の変化に関し解析、検討を行います。 また、生体内で特に高密度の歯と骨の周囲にある組織と細胞について組織解析と遺伝子発現解析を行い、生物の重力感知機能について検討します。 |
期待される成果 | 生物の重力感知機構について解析することにより、重力による骨量減少を解明します。 |
代表研究機関 | 東京工業大学大学院 生命理工学研究科 教授 工藤明 |
詳細情報 |
目的 | マウスの万能細胞の一種であるES細胞(胚性幹細胞)を用い、哺乳動物細胞への宇宙環境の影響を調べます。 |
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概要 | マウスのES細胞を凍結状態でISSに打上げ、きぼう内の冷凍庫(MELFI,-95℃)に保存します。それぞれ6ヶ月、1年、1年半、2年、3年と軌道上で保存したのち、地上へ回収し細胞を培養して宇宙滞在の影響を調べます。 |
期待される成果 | 医療機器などによる放射線のリスク評価や、食品添加物などの発がん性や有害性のリスクを予測できることが期待されています。 |
代表研究機関 | 大阪市立大学大学院 医学研究科 老年医科学大講座 遺伝子制御学 教授 森田隆 |
詳細情報 |
目的 | ほ乳類の生殖細胞が宇宙空間で長期間保存可能かどうか検討し、将来人類も含めたほ乳類が宇宙で繁栄できるか確かめます。 |
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概要 | 地上で凍結乾燥させた精子を宇宙に運び、冷凍庫でそれぞれ5ヵ月、1年、2年保管した後に回収し、地上に持ち帰り顕微鏡下で授精を行います。 |
期待される成果 | 種の保存を目的とする遺伝資源保存プロジェクト、繁殖学や良質な肉や毛を持つ家畜の繁殖など有益な実験動物の種の保存、生殖細胞の保存に応用できます。 |
代表研究機関 | 山梨大学生命環境学部 生命工学科 教授 若山照彦 |
詳細情報 |
目的 | 地上あるいは宇宙の人工重力下で生育させたものと比較して、その成長のようすから、遺伝子の働きや細胞内の変化に至るまでを詳しく調べます。 |
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概要 | シロイヌナズナの野生型と様々な突然変異体を微小重力下で生育させます。それを、地上あるいは宇宙の人工重力下で生育させたものと比較して、その成長の様子から遺伝子の働きや細胞内の変化に至るまでを詳しく調べます。 |
期待される成果 | 植物の重力に対する反応メカニズムがわかれば、地球上で植物の効率的な生産が可能になり、また、微小重力下の宇宙空間で植物を育てる際にも役立つと思われます。 |
代表研究機関 | 大阪市立大学 大学院理学研究科 生物地球系専攻 教授 保尊隆享 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙実験により、筋細胞による無重力ストレスの感知機構を明らかにします。 |
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概要 | 実験用に特殊に培養した筋(管)細胞を微小重力環境に曝露し、微小重力環境下で増大する細胞内の筋萎縮関連遺伝子を指標にして、細胞膜張力のゆらぎの影響、チャネルや酵素の阻害剤、活性剤の効果を解析します。 |
期待される成果 | 「なぜ筋肉は宇宙環境や寝たきり状態では委縮するのか?」という疑問を明らかにするとともに、筋委縮治療薬の開発にもつながります。 |
代表研究機関 | 名古屋大学大学院 医学系研究科 細胞生物物理学 教授 曽我部正博 |
詳細情報 |
目的 | 不凍糖タンパク質による氷結晶の成長抑制効果についてより深く理解します。 |
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概要 | 水に微量の不凍糖タンパク質を溶かしこんだ水溶液を冷やし、氷の結晶を成長させます。複数の温度条件で、氷の成長速度や界面での様子を観察します。た多方面からの観察によって、不凍糖タンパク質が氷結晶の成長にどのように影響を及ぼすかを調べます。 |
期待される成果 | 不凍(糖)タンパク質が氷の結晶成長をコントロールするしくみが解明できれば、冷凍技術の向上や臓器移植への活用など、生活のさまざまなシーンに役立つことが期待されます。 |
代表研究機関 | 北海道大学 低温科学研究所 所長 古川義純 |
詳細情報 |
目的 | 熱対流の影響を受けない、宇宙ならではの環境を利用して高品質の半導体結晶を育成します。JAXAが独自に研究開発に取り組んできた、「TLZ法」という育成方法の有効性を検証します。 |
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概要 | 温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)を使って、シリコンとゲルマニウムが半々に混ざった混晶半導体を育成します。大口径で組成が均一な半導体育成のための基礎的データを取得します。 |
期待される成果 | 取得されたデータをもとに、地上で高品質の半導体結晶が製造できるようになれば、コンピュータの処理能力は飛躍的に伸び、地球環境への負荷が大幅に軽減されると期待されています。 |
代表研究機関 | 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 主幹研究員 木下恭一 |
詳細情報 |
目的 | マランゴニ対流(表面張力により引き起こされる対流)のメカニズム解明に向けた基礎データを取得します。 |
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概要 | 地上では実現できない大きな液柱をつくり、液柱の両端に温度差を与えてマランゴニ対流を発生させます。液柱両端の温度差を大きくしていくと、最初の安定した流れ(定常流)は振動流という周期的に変化する流れに変わり、さらにはカオスとよばれる状態になり、最後には乱流という完全に乱れた状態になります。実験では、液柱内部の流れの変化や液柱表面の温度測定などを行います。 |
期待される成果 | マランゴニ対流のメカニズムを明らかにすることで、半導体などの結晶の高品質化、携帯電話やパソコン等の電子機器を冷却するヒートパイプの高効率化、化学分析や医療分析で重要となるマイクロ流体ハンドリング技術の確立などへの貢献が期待できます。 |
代表研究機関 | ケースウェスタンリザーブ大学 機械・航空宇宙工学部門 教授 鴨谷康博 |
詳細情報 |
目的 | ソーレ効果(熱拡散効果)による金属・半導体等の融体も含む液体中の溶質成分の物質輸送のメカニズムを理解し、未知の溶液・融液系についてソーレ効果を予測するための指針を得ます。 |
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概要 | 対流抑制のある微小重力環境下で、2波長マッハツェンダー干渉計によるその場観察を行い、ソーレ係数の精密測定を行います。 |
期待される成果 | 材料製造プロセス(結晶成長・凝固等)における材料に適用され、石油精製プロセスなどの開発に利用が期待されるほか、温度勾配下で生じる生体の変化、海洋・惑星内の溶質分布に対しても知見を与えると考えられます。 |
代表研究機関 | 早稲田大学 高等研究所 鈴木進補 |
詳細情報 |
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目的 | 対流や沈降のない微小重力環境を利用して高品質なタンパク質結晶を生成します。 |
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概要 | タンパク質サンプルを蛋白質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility: PCRF)内で成長させます。実験で使うPCRFセルユニット内には、最大12個のタンパク質結晶生成セルを搭載できます。 |
期待される成果 | 軌道上で成長させた高品質なタンパク質結晶の構造解析を地上で行い、様々な疾病の治療薬の開発や、環境・エネルギー問題の解決に貢献します。 |
代表研究機関 | JAXA |
詳細情報 |
目的 | 宇宙飛行が睡眠覚醒リズムと心臓自律神経活動に及ぼす影響を評価します。 |
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概要 | 長期宇宙滞在する飛行士が簡易型生体機能モニタ装置(携帯型ホルター心電計)を使用して48時間の心電図記録を行います。また、アクティウォッチを用いて睡眠・覚醒の評価を行います。 |
期待される成果 | 不整脈や虚血性変化が起こった時の循環機能評価や、自律神経機能診断などの遠隔医療に活用します。 長期宇宙滞在が心臓自律神経機能の概日リズムに及ぼす影響を解析します。 |
代表研究機関 | JAXA/東京女子医科大学 |
参考情報 |
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目的 | 「きぼう」船内の宇宙放射線環境の計測、及び宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測します。 |
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概要 | 受動型線量計を「きぼう」船内17箇所に6ヶ月程度設置して宇宙放射線環境を計測し、データベースとして整備します。また、宇宙飛行士が受動型線量計を携行し、被ばく線量を測定します。 |
期待される成果 | 「きぼう」での実験に必要な宇宙放射線情報を利用者に提供します。将来の有人探査に必要な基礎情報を蓄積します。長期滞在宇宙飛行士のリスク評価や健康管理にも活用します。 |
代表研究機関 | JAXA |
詳細情報 |
目的 | 「きぼう」のエアロックとロボットアームを活用した超小型衛星の放出を行います。 |
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概要 | 4機の超小型衛星を装填した小型衛星放出機構を取り付けた親アーム先端取付型実験プラットフォームを、「きぼう」のエアロックを使用して船外に搬出し、「きぼう」のロボットアームにより放出位置まで移動して、超小型衛星を放出するミッションです。 |
期待される成果 | 2012年10月の放出(技術実証)に続いて2回目の放出で、超小型衛星ユーザーに対して打上げ機会を提供します。 |
代表研究機関 | JAXA |
詳細情報 | |
実施日 | 日本時間2013年11月19日午後9時17分(ピコドラゴン、Ardusat-1、Ardusat-X)、アフリカ南部上空で放出 |
飛行前後に地上でデータ取りを行うJAXAの医学実験
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