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星出宇宙飛行士の作業状況(2012年10月24日)
10月23日、星出宇宙飛行士は、「きぼう」日本実験棟での実験に関する作業や、ドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)の国際宇宙ステーション(ISS)からの離脱運用に向けた準備、国際パートナーの医学研究に関する作業など、多岐にわたる作業を行いました。
星出宇宙飛行士は、「きぼう」船内実験室で実施中の「植物の抗重力反応機構-シグナル変換・伝達から応答まで(Resist Tubule)」に関する作業として、細胞実験ラックの細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)からシロイヌナズナの微小重力環境サンプルと疑似重力環境サンプルを取り出し、KFT固定チューブに化学固定して冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)に保管する作業を行いました。また、ビデオカメラのセットアップを行い、作業の様子を記録しました。
Resist Tubule実験は、シロイヌナズナを軌道上の微小重力環境で生育させ、地上の重力環境やCBEF内の疑似重力環境で生育させたシロイヌナズナとの比較を行うことで、植物が重力に打ち勝って成長するために体を丈夫にしていく仕組みについて、遺伝子の働きや細胞内の変化に至るまでを詳しく調べることを目的としています。
星出宇宙飛行士は、ドラゴン補給船運用1号機のISS離脱運用に向けた準備として、サニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士とともに、約30分かけて手順書などのレビューを行いました。その後、地上の運用管制チームとともに、作業手順の確認やISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)操作卓があるキューポラの準備などについて、約30分かけて打ち合わせを行いました。ドラゴン補給船運用1号機のISS離脱は、10月28日に予定されています。
また、ウィリアムズ、ユーリ・マレンチェンコ両宇宙飛行士とともに、ソコル宇宙服を着用して、「ラスヴェット」(ロシアの小型研究モジュール1)にドッキング中のソユーズTMA-05宇宙船(31S)内で各自の座席に座り、約30分かけてシートライナーのフィットチェックを実施しました。この作業は、ISSの微小重力環境における体型の変化が、地上で宇宙飛行士の体型に合わせてオーダーメイドで製作されたシートライナーの適合状態に影響するか確認する目的で行われます。
国際パートナーの医学研究に関する作業では、「コロンバス」(欧州実験棟)にて、長期滞在ミッション中、およびその前後の酸素摂取量の変化を調査するNASAの研究(VO2max)の被験者として、肺機能システム(Portable Pulmonary Function System: PPFS)の機器を使用して、自身にとって軌道上で4度目となるセッションを実施しました。終了後には、機器の停止や清掃、取得したデータのダウンロードなどを行いました。この研究では、船内に設置されているエクササイズ機器を使用して運動テストを行い、ISS長期滞在中の肺活量の変化を調査します。
そのほか、ARISS(Amateur Radio on the International Space Station)プログラムの一環として、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のアマチュア無線機器を起動し、自身の母校でもある茨城県つくば市の茗溪学園高校の生徒たちと交信しました。
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