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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

星出彰彦宇宙飛行士

星出宇宙飛行士の作業状況(2012年9月28日)

写真:ドラゴン補給船運用1号機の把持のシミュレーション画面(出典:JAXA/NASA)

ドラゴン補給船運用1号機の把持のシミュレーション画面(出典:JAXA/NASA)

9月27日、星出宇宙飛行士は、ドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)の到着に向けた訓練や、「きぼう」日本実験棟での実験に関する作業、国際宇宙ステーション(ISS)船内の定常的なメンテナンス作業などを行いました。

星出、サニータ・ウィリアムズ両宇宙飛行士は、地上の運用管制チームとともに、ROBoT(Robotics Onboard Trainer)と呼ばれる訓練用のソフトウェアを使用して、ISSとランデブ飛行するドラゴン補給船運用1号機をISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)で把持するシミュレーション訓練を行いました。

訓練終了後、星出、ウィリアムズ両宇宙飛行士は地上の運用管制チームと技術報告会を行い、訓練で使用した機材を片づけました。ドラゴン補給船運用1号機は、10月8日の打上げを目標として地上での準備が進められており、10月10日にISSへ係留される予定です。

星出宇宙飛行士は、「国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究(Microbe)」の第3回目の実験(Microbe-3)に関する作業として、「きぼう」船内実験室の勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)下部からサンプルを採取しました。

改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)のアルミニウム製のシリンダーを取り外し、交換用の新しいステンレス鋼製のシリンダーを取り付ける軌道上メンテナンス作業を約3時間かけて行いました。

ISS船内の定常的なメンテナンス作業の一環として、昨日から行っていた、低流量移送ポンプを使用して水バッグから水再生システム(Water Recovery System: WRS)の水処理装置(Water Processing Assembly: WPA)に水を移す作業を完了しました。そして、気泡を除去した次の水バッグからWPAに水を移送する作業を行いました。また、掃除機を使用して「きぼう」船内を清掃しました。

そのほか、食事摂取についてのアンケート(Food Frequency Questionnaire: FFQ)に回答しました。FFQは、宇宙飛行士が過去1週間に食べたものを記録し、どのような栄養を摂取したかを調査するもので、地上の専門家が宇宙飛行士の栄養状態を把握し、健康維持のためのアドバイスを行うのに役立ちます。

ISSへの接近が予測されていた宇宙空間に浮遊する人工物体の宇宙ゴミ(スペースデブリ)は、軌道モニタの結果、ISSへの衝突の危険性がなくなったと判断されたため、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)3号機、「エドアルド・アマルディ」のスラスタ(小型のエンジン)を使用したISSの軌道制御(デブリ回避マヌーバ)の実施は見送られました。

また、ISSの軌道制御が不要となったことに伴い、分離延期となっていたATV3の新たな分離日時が設定されました。ATV3は、日本時間9月29日午前6時46分頃にISSから分離する予定です。

断りの無い限り、日時はISSでの時間(世界標準時 (日本時間-9時間))です。

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