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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

星出彰彦宇宙飛行士

星出宇宙飛行士の作業状況(2012年9月26日)

写真:キューポラにて、星出、ウィリアムズ両宇宙飛行士(9月23日撮影)

キューポラにて、星出、ウィリアムズ両宇宙飛行士(9月23日撮影)(出典:JAXA/NASA)

9月25日、星出宇宙飛行士は、「きぼう」日本実験棟での実験に向けた準備や、国際パートナーの医学研究に関する作業、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)3号機、「エドアルド・アマルディ」の分離に向けた準備などを行いました。

星出宇宙飛行士は、「きぼう」船内実験室にて、「微小重力における溶液からのタンパク質結晶の成長機構と完全性に関するその場観察による研究(NanoStep)」に向けた準備として、溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility: SCOF)の試料セルを交換する作業を行いました。また、ハイビジョンカメラ(HDTV)とマルチプロトコルコンバータ(Multi Protocol Converter: MPC)を起動し、作業の様子を記録しました。

NanoStep実験は、タンパク質の結晶成長学的メカニズムの観点から、タンパク質の結晶を"その場"観察法により詳細に調べ、タンパク質の機能を分子構造から明らかにするために必要な、高品質な結晶作りの指針とすることを目的としています。

国際パートナーの医学研究に関する作業として、「コロンバス」(欧州実験棟)にて、明日に予定されているNASAの長期滞在ミッション中、およびその前後の酸素摂取量の変化を調査する研究(VO2max)で使用する設備やソフトウェアのセットアップを行いました。この実験では、船内に設置されているエクササイズ機器を使用して運動テストを行い、ISS長期滞在中の肺活量の変化を調査します。

また、NASAのSPRINT(Integrated Resistance and Aerobic Training Study)の一環として、筋量の計測データを取得した後、使用した機器の片づけやプログラムのシャットダウンを行いました。SPRINTは、長期滞在クルーを被験者として、高負荷・短時間の運動で、筋萎縮や骨量の減少を最小限に抑えるプログラムを開発することを目的とした実験です。今回の筋量の計測は、長期滞在中の筋量の変化を記録するために行われました。

写真:ISSに接近するATV3(3月29日撮影)

ISSに接近するATV3(3月29日撮影)(出典:JAXA/NASA)

そのほか、サニータ・ウィリアムズ、ユーリ・マレンチェンコ両宇宙飛行士とともに、ATV3の分離に向けた準備を行いました。

星出宇宙飛行士らは、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)にて、画像取得システムや近傍通信システムをセットアップし、機能確認を行いました。これらのシステムは、ATV3の分離とISS軌道からの離脱の様子をモニタする目的で使用されます。

なお、ATV3の分離は日本時間9月26日午前7時36分に予定されていましたが、ズヴェズダ内に設置したATV用の制御パネル(Display and command panel)の問題により、ATV3との通信が確立できず、分離は延期されました。ロシアとESA(欧州宇宙機関)は、原因調査と対応の検討を実施するとともに、新たな分離日程について国際パートナー各極と調整を行っています。

断りの無い限り、日時はISSでの時間(世界標準時 (日本時間-9時間))です。

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