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古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する間に実施されるJAXAに関わる実験は以下の通りです。
目的 | 重力形態形成に関わると考えられている「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられている「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにします。 |
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概要 | 細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を用いて、微小重力環境と人工的につくる1G重力環境でキュウリの芽生えを生育させ、いろいろな発育段階でペグ形成とCsPIN1タンパク質の局在を解析します。 また、水分勾配を形成させた条件と水分飽和の条件で、CsPIN5タンパク質の局在に対する重力と水分勾配の影響を調べます。 |
期待される成果 | 植物の形態形成や根が伸びる方向をコントロールすることができるようになれば、植物栽培技術への貢献や将来の宇宙における植物工場などへの貢献が期待できます。 |
詳細情報 |
目的 | マランゴニ対流(表面張力により引き起こされる対流)のメカニズム解明に向けた基礎データを取得します。 |
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概要 | 地上では実現できない大きな液柱をつくり、液柱の両端に温度差を与えてマランゴニ対流を発生させます。液柱両端の温度差を大きくしていくと、最初の安定した流れ(定常流)は振動流という周期的に変化する流れに変わり、さらにはカオスとよばれる状態になり、最後には乱流という完全に乱れた状態になります。実験では、液柱内部の流れの変化や液柱表面の温度測定などを行います。 |
期待される成果 | マランゴニ対流のメカニズムを明らかにすることで、半導体などの結晶の高品質化、携帯電話やパソコン等の電子機器を冷却するヒートパイプの高効率化、化学分析や医療分析で重要となるマイクロ流体ハンドリング技術の確立などへの貢献が期待できます。 |
詳細情報 |
目的 | 熱対流の影響を受けない、宇宙ならではの環境を利用して高品質の半導体結晶を育成します。JAXAが独自に研究開発に取り組んできた、「TLZ法」という育成方法の有効性を検証します。 |
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概要 | 温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)を使って、シリコンとゲルマニウムが半々に混ざった混晶半導体を育成します。 大口径で組成が均一な半導体育成のための基礎的データを取得します。 |
期待される成果 | 取得されたデータをもとに、地上で高品質の半導体結晶が製造できるようになれば、コンピュータの処理能力は飛躍的に伸び、地球環境への負荷が大幅に軽減されると期待されています。 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙でナノレベルの物質(ペプチド-PEG)を板状のプレート(基板)の上に規則的に配列させて、凹凸(マスクパターン)を作ります。 |
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概要 | 軌道上で作った基板を地上に持ち帰り、化学処理して凹凸を固定化し、2次元ナノテンプレートを作製します。この2次元ナノテンプレートの表面の凹凸は、スタンプの要領で電子材料基板に転写され、半導体素子などが作られます。 |
期待される成果 | コンピュータの高性能化、日本がトップシェアを誇る青色発光ダイオードへ、半導体を使った製品の製造コストの削減などといったところへの貢献が期待できます。 |
詳細情報 |
目的 | 対流や沈降のない微小重力環境を利用して高品質なタンパク質結晶を生成します。 |
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概要 | タンパク質サンプルを蛋白質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility: PCRF)内で成長させます。実験で使うPCRFセルユニット内には、最大12個のタンパク質結晶生成セルを搭載できます。 |
期待される成果 | 軌道上で成長させた高品質なタンパク質結晶の構造解析を地上で行い、様々な疾病の治療薬の開発や、環境・エネルギー問題の解決に貢献します。 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙飛行士がISS滞在中に呼吸によって取り込む、あるいは環境中の空気に曝露されることで皮膚に付着する微生物叢の変化を評価します。 |
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概要 | 長期滞在・短期滞在クルーから飛行前、飛行中、飛行後に皮膚、鼻腔粘膜、咽頭粘膜、喀痰試料を採取し、微生物叢の変化を解析します。 |
期待される成果 | 長期宇宙滞在において、微生物による健康被害を未然に防ぐための技術開発を目指します。宇宙飛行士の効果的な除菌等を含めた菌叢管理法開発に繋がる基盤データを得ることは、有人宇宙開発における医学管理技術の向上につながるものと期待されます。 |
目的 | 毛髪を分析することによって宇宙環境が人体に与える影響を評価し、宇宙飛行士の健康管理に役立てます。 |
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概要 | 飛行前、飛行中、飛行後に毛髪を採取します。毛幹の微量元含有量、および毛根部の細胞に含まれる遺伝子やタンパク質などの変化を調べます。 |
期待される成果 | 毛髪は環境から受けるストレスに敏感に反応しています。毛髪の遺伝子発現や微量元含有量を調べれば、宇宙に滞在する宇宙飛行士の健康状態を知ることができるようになると期待されます。 |
目的 | 長期宇宙滞在する飛行士の24時間心電図記録を行い、生物学的リズムの変動と、睡眠中における心臓の休息度等を評価し、宇宙飛行士の健康管理技術の向上に役立てます。 |
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概要 | 長期宇宙滞在する飛行士を対象に、飛行前1回、飛行中3回(前・中・後期各1回)、および飛行後1回、24時間心電波形を記録し、データをダウンリンク後、心臓自律神経活動の解析・評価を行います。 |
期待される成果 | 不整脈や虚血性変化が起こった時の循環機能評価や、自律神経機能診断などの遠隔医療に活用します。 長期宇宙滞在が心臓自律神経機能の概日リズムに及ぼす影響を解析します。 |
参考情報 |
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目的 | 軌道上で取得した医学実験データを宇宙医学実験支援システムに取り込み、古川宇宙飛行士の医師の視点から、システムの操作性、データインターフェースの信頼性等に係わる機能検証を行います。これにより、今後の軌道上における運用へ向けたシステムの運用性の確認、課題抽出を行います。 |
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概要 | 宇宙医学実験支援システムは、小型高性能の様々な医療機器から取得した医学実験データを軌道上で統合管理し、簡易分析を可能とするシステムです。 |
期待される成果 | 宇宙飛行士が、軌道上で自己の医学データを記録・参照するためのカルテとして機能し、健康状態のモニタと体調管理に役立てることができる宇宙医学実験支援システムが、将来的に構築されることが期待されます。 |
目的 | 「きぼう」船内の宇宙放射線環境の計測、及び宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測します。 |
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概要 | 受動型線量計を「きぼう」船内12箇所に6ヶ月程度設置して宇宙放射線環境を計測し、データベースとして整備します。また、宇宙飛行士が受動型線量計を携行し、被ばく線量を測定します。 |
期待される成果 | 「きぼう」での実験に必要な宇宙放射線情報を利用者に提供します。将来の有人探査に必要な基礎情報を蓄積します。長期滞在宇宙飛行士のリスク評価や健康管理にも活用します。 |
詳細情報 |
目的 | 骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート)を用いて、長期宇宙飛行の骨量減少と尿路結石リスクを軽減させます。 |
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概要 | ISS滞在中に毎週経口薬を服用します。飛行前後に骨密度、骨代謝マーカ、および、尿路結石の検査を行い、骨量減少と尿路結石リスクの予防効果を検討します。 |
期待される成果 | 不動(宇宙飛行、寝たきり)や加齢に伴う骨量減少リスクを予防します。地上より短期間で薬剤効果を確かめられます。 |
詳細情報 |
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その他、以下の医学実験も行う予定です。
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