このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
古川宇宙飛行士の作業状況(2011年11月21日)
11月18日、古川宇宙飛行士は、11月22日の地上への帰還に備え、セルゲイ・ヴォルコフ宇宙飛行士とともに地上の専門家と打ち合わせを行い、ソユーズ宇宙船(27S)の降下手順や、ISSとの分離後の手動姿勢制御モード、およびスラスタ異常への対処などについて確認しました。
また、数日前に開始した微小重力が宇宙飛行士の身体の免疫系にもたらす変化を調べるNASAの統合免疫研究(INTEGRATED IMMUNE)を引き続き行い、マイケル・フォッサム宇宙飛行士、ダニエル・バーバンク宇宙飛行士とともに唾液の採取を行いました。
その他、音響計測装置(Sound Level Meter: SLM)を使用して「トランクウィリティー」(第3結合部)の8ヶ所および「きぼう」日本実験棟の3ヶ所の騒音を測定しました。
国際宇宙ステーション(ISS)は、日本時間11月18日午後1時07分にソユーズ宇宙船(27S)の分離に備えた軌道高度調整のため、リブースト(軌道上昇)を行いました。その結果、平均高度が6.22km上昇し、平均高度が392.6kmとなりました。
11月19日は、船内の緊急事態への対応手順が更新されたため、ISSの運用手順書の更新部分を印刷する作業を行いました。運用手順書はISS内の設定変更やクルーの人数の変更などにより定期的に更新されています。
実験やメンテナンス作業も行い、二酸化炭素濃度監視モニタ(Carbon Dioxide Monitor: CDM)や燃焼生成物成分分析装置(Compound Specific Analyzer-Combustion Products: CSA-CP)などを使用して「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)や「コロンバス」(欧州実験棟)の酸素濃度と二酸化炭素濃度の測定を行ったほか、自転車エルゴメータ(Cycle Ergometer with Vibration Isolation and Stabilization System:CEVIS)の制振装置のメンテナンス作業を行いました。
その他、週に1度の食事摂取についてのアンケート(Food Frequency Questionnaire: FFQ)に回答したり、家族との交信(Private Family Conference: PFC)を行ったり、健康状態を確認するために定期的に行う交信(Private Medical Conference: PMC)を行いました。
11月20日は、「きぼう」内の宇宙放射線を計測するため、17ヶ所に設置していた受動積算型宇宙放射線線量計(Area PADLES)の取外し作業を行いました。Area PADLESはソユーズ宇宙船(27S)に搭載され、地上に回収されます。
実験活動としては、今回のISS滞在中最後となる、骨量減少・尿路結石予防対策実験のためのビスフォスフォネート製剤(アレンドロネート)という骨粗しょう症の治療薬を朝食前に摂取しました。また、精神運動覚醒検査(Reaction Self Test: RST)を行いました。
また、NASAの統合免疫研究(INTEGRATED IMMUNE)で唾液の採取や血液の採取を行いました。取得したサンプルはソユーズ宇宙船(27S)に搭載し、地上に回収されます。
古川宇宙飛行士ら第28次/第29次長期滞在クルーの帰還に先立ち、クルー6人が集まり、ISSコマンダーの指揮権の移譲セレモニーが行われました。これにより、フォッサム宇宙飛行士から第30次長期滞在クルーとなるバーバンク宇宙飛行士にISSの指揮権が移譲されました。
古川宇宙飛行士ら第28次/第29次長期滞在クルーが搭乗するソユーズ宇宙船(27S)は、日本時間11月22日午前7時58分にISSから分離予定です。古川宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(27S)の国際宇宙ステーション(ISS)からの分離と着陸の模様はこちらでご覧いただけます。
【一言コラム: ISS滞在クルーの指揮権の移譲】
ISS滞在クルーの指揮権の移譲は通常、滞在クルーが地上へ帰還する前日に実施されます。
この指揮権の移譲により、ISSコマンダー(指揮官)が交代します。この様子はNASA TVでも中継され、ISSを離れるコマンダーが滞在期間の出来事を振り返って感想を述べ、新しいコマンダーによろしく頼むと伝えます。
また、ロシア人クルー間の引継ぎとして、ロシアモジュールに関する公式な引き継ぎ文書2枚に署名し、1枚はISS上に残され、もう1枚はソユーズ宇宙船で地上に回収されています。
ISSコマンダーは、通常は米露のクルーが務めますが、徐々に各参加国のベテラン宇宙飛行士も担当するようになっており、第21次長期滞在ミッションでは、欧州宇宙機関(ESA)初のコマンダーが誕生しました。2013年春の第35次長期滞在ミッションではカナダ人宇宙飛行士初のコマンダーが誕生します。2014年春の第39次長期滞在ミッションでは、 若田宇宙飛行士が日本人宇宙飛行士初のコマンダーを務めます。
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |