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ロシアにおける国際宇宙ステーション(ISS)運用は、国営宇宙公社ロスコスモス(State Space Corporation: ROSCOSMOS)で行われます。
ISS計画に参加する国際パートナーがISSの実験棟など一部を製作するのとは異なり、ロシアがISS計画で開発するザーリャ、ズヴェズダ、その他のISSを構成する部分は、それらだけでも独立した宇宙ステーションとしての機能を持っています。そのためロシアは自分で開発したシステムについては自己の判断の下に運用することになっています。ロシアのこのような活動全体のコントロールはモスクワ郊外コロリョフの宇宙飛行管制センター(ツープ※1)でおこなわれます。(システム運用)
ロシア以外の国際パートナーが、米国のデータ中継衛星(Tracking and Data Relay Satellite: TDRS)を経由してISSと交信※2するのに対し、ロシアはISSとロシアの地上局との交信可能な範囲でのみISSと交信します。約90分間でISSが地球を1周回する間に、ロシアのいくつかの地上局が連携してISSと交信し、最長20分程度の期間ISSと交信することができます。ロシアはこの期間を利用して自己の責任範囲のシステムに必要な指令を出したり、実験データを入手したりします。
ロシア以外の国際パートナーは米国のマーシャル宇宙センターでの調整を経てISS内での実験を実施しますが、ロシアはISS内での実験実施計画もツープでとりまとめ、ISSに滞在しているロシアの宇宙飛行士にロシアの地上局から直接指示が伝達されて実行されます。(ペイロード運用)
このようにロシアはISSの運用については、他の国際パートナーのように米国のコントロール下にはありませんが、ツープ内にはジョンソン宇宙センターの分室(HSG: Houston Support Group)が、またジョンソン宇宙センター内にはツープの分室(RRCG: Russian Regional Control Group)が設置されており、これらの組織を経由してロシア/米国間でISSの運用に関する調整を行いながら運用を進めています。
実験に必要な物資や装置、あるいは搭乗員が必要とする補給品などは、ロシアのプログレス補給船やソユーズ宇宙船で、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げてISSに輸送します。また、バイコヌール宇宙基地からは、ISS滞在クルーの交代要員を国籍に係わらずソユーズ宇宙船で打ち上げます。
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