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ミッション結果の要約

実施状況および結果
飛行概要
不具合など

実施状況および結果
 

S1トラスの移動
 STS-112ミッションでは、STS-110ミッション(8A)で国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けられたS0(エスゼロ)トラスの右舷側にS1トラスを取り付け、さらに3回のEVA(船外活動)により、S1トラスを構造的にまた機能的にしっかりとISSに接続しました。これにより、S3/S4トラスが取り付け可能となりました。
 また、S1トラスに固定して打ち上げられたSバンドアンテナの所定の位置への取り付け、2個目の外部TVカメラの設置、展開機構の動作確認のためS1トラスの3枚のラジエータうちの1枚の展開も行われました。
 
 

ミッション終了後のISS
 さらに、S1トラスに固定されて打ち上げられたCETA(Crew and Equipment Translation Aid)カートのモービル・ベース・システム(MBS)への連結、試運転が行われ、正常に機能することが確認されました。CETAカートは、モービル・トランスポータ(台車:MT)上を移動し、EVAクルーやEVA工具、軌道上交換ユニット(ORU)などを運搬したり、作業台の役割を果たします。
 その他、ISSの補給品の搬入、不要品や実験関連物品の搬出を行い、その結果ISSの質量は約14,400kg増加しました。

 

飛行概要
   飛行の概要は以下のとおりです。明示のない時間は米国中部夏時間です。詳細はステータスレポートをご覧下さい。
 
打上げと帰還日時
 
打上げ日時2002年10月 7日午後 3時45分(米国東部夏時間)
2002年10月 8日午前 4時45分(日本時間)
帰還日時2002年10月18日午前11時44分(米国東部夏時間)
2002年10月19日午前 0時44分(日本時間)
ミッション期間*10日19時間57分
*:打上げ/帰還時刻の秒時の処理により、フライト期間が両者の差と異なる場合があります。

アトランティス号の着陸
 
  当初予定していた10月2日の打上げは、ハリケーン「リリー」がヒューストンのNASAジョンソン宇宙センター(JSC)に迫り、その対応作業のため5日間延期されました。
 
ISSとの結合および分離日時
 
結合日時2002年10月 9日午前10時17分(日本時間2002年10月10日午前 0時17分)
分離日時2002年10月16日午前 8時13分(日本時間2002年10月16日午後10時13分)
結合期間6日 21時間56分
 
EVA(船外活動)
 
EVAを行うピアース・セラーズ宇宙飛行士
 この飛行では計3回のEVAが行われました。ISS組み立てとしては、ISSから実施したものも含め、通算46回、計285時間25分のEVAを実施したことになります。
 今回のEVAは順調に行われ、予定していた作業は全て完了しました。また、余裕があったため、STS-113ミッション(11A)で行う予定であった作業の一部を前倒しで行うことが出来ました。
 
 
第1回EVA(飛行4日目)
開始時刻2002年10月10日午前10時21分(日本時間2002年10月11日午前 0時21分)
終了時刻2002年10月10日午後 5時22分(日本時間2002年10月11日午前 7時22分)
作業時間7時間1分
作業者デイヴィッド・ウルフ、ピアース・セラーズ
主要作業内容
  • S0トラスとS1トラス間の電力通信ケーブルの接続
  • S1トラスのラジエータパネルのロンチロック(打上げ時の固定器具)装置の解除
  • S1トラスに固定されて打ち上げられたSバンドアンテナ(SASA)の取り外しとS1トラスの所定の場所への設置
  • CETAカートのロンチロックの解除
  • CETAカートのMBS/MTへの連結(第2回EVAの作業を前倒しで実施)
  • S1トラスへの外部TVカメラの設置
 
 
第2回EVA(飛行6日目)
開始時刻2002年10月12日午前 9時31分(日本時間2002年10月12日午後11時31分)
終了時刻2002年10月12日午後 3時35分(日本時間2002年10月13日午前 5時35分)
作業時間6時間4分
作業者デイヴィッド・ウルフ、ピアース・セラーズ
主要作業内容
  • P6-Z1トラス間、Z1-Lab間のアンモニアQD(着脱コネクタ)へのSPD(Spool Positioning Devices:機能改修用の器具)の設置
  • S1トラスのATA(アンモニアタンク)とNTA(窒素タンク)間の配管接続
  • S1トラスのラジエータパネルのロンチロック装置の解除(第1回EVAの残作業)
  • CETAカートのスイングアームの展開や連結器の固定解除、右舷ブレーキシステムの解除
  • 2個目の外部TVカメラのデスティニー外壁への取り付け
  • CETAカートの試運転
  • S1トラスのRVBM(Radiator Beam Valve Module)SPD18個の設置
 
 
第3回EVA(飛行8日目)
開始時刻2002年10月14日午前 9時11分(日本時間2002年10月14日午後11時11分)
終了時刻2002年10月14日午後 3時47分(日本時間2002年10月15日午前 5時47分)
作業時間6時間36分
作業者デイヴィッド・ウルフ、ピアース・セラーズ
主要作業内容
  • 8Aからトラブルを生じていたMTのIUA(Interface Umbilical Assembly)の安全化ボルトの解除
  • S0トラスとS1トラス間のアンモニア配管の接続
  • 同配管のQDに計4個のSPDを設置
  • S1トラスのキールピン(スペースシャトル貨物室の底に固定するピン)2個とそれを支えていたドラッグリンクの取り外しと収納
  • S1 TRRJ(Thermal Radiator Rotary Joint)のQDへの2個のSPDの取り付け
  • S1 Pump ModuleへのSPDの取り付け(11AのEVAで予定していましたが、作業が順調に進んだため実施)
 
船内活動
 

EVAとともに以下の船内活動も行われました。

 
  • 「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)を用いたS1トラスの取り付け
  • カナダアーム2によるEVAの支援、記録のためのカメラ撮影
  • アトランティス号から「クエスト」(エアロック)の高圧ガスタンクへの酸素と窒素の補給
  • 「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のTVIS(エクササイズ用のトレッドミル)の交換修理
  • クエストの空調装置の除湿装置の交換
  • 日本のHDTVカメラを使った地球観測
  • ISSへの810kg以上の機材や補給品、実験装置、約751リットルの飲料水の搬入
  • 実験装置や実験試料、ISSで不要となった物品(約810kg)のアトランティス号への搬入
  • TV局、通信社とのインタビューなどの広報活動
  • SHIMMER(Spatial Heterodyne Imager for Mesospheric Radicals)実験装置による大気観測
 
リブースト
 

 リブーストとは軌道高度を上昇させるための軌道制御のことです。ISSは、空気抵抗で高度が徐々に下がります。そこで、その次の便が到着するまでの高度低下を見込んで、スペースシャトルをISSから分離する前に、スペースシャトルのスラスタによりリブーストを実施しています。また、プログレス補給船のスラスタによるリブーストも行います。STS-112ではリブーストを次のように実施しました。

実施日飛行日数実施宇宙機上昇高度
2002年10月12日
6日目
アトランティス号
6.3 km
2002年10月14日
8日目
アトランティス号
3.6 km
2002年10月17日*
12日目
プログレス補給船
6.9 km
*:アトランティス号がISSから分離後に実施

 

不具合など
   STS-112ミッションの期間中には次のような軽微な不具合が発生しました。
 
アトランティス号の打上げ
アトランティス号の打上げ時に、スペースシャトルを射点から切り離す破砕ナットの火工品の主系が点火しなかったというトラブルが起きていたことが分かりました。しかし予備系が点火したので、分離は問題なく行われました。帰還したアトランティス号は、STS-114ミッションの準備のため帰還後の点検を行っており、この件の調査も行われています。
 
第2回EVAで取り付けを予定していた24個のSPDのうちの2個が設置できませんでした。これはP6トラスのQD2個に設置する予定だったSPDで、このQDは他のQDとは取付部が異なった設計であったことから取り付けられませんでした。将来的にはこの部分のシステムは遮断されるため、ここにはSPDを設置しなくても良いと判断されました。

 

最終更新日:2002年12月2日

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