国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、3月6日までロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行い、3月9日からは米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船で飛行する間の運用を想定したシミュレーション訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、ISSへのランデブ・接近・ドッキング時と、ISSから分離後の大気圏再突入時に実施するソユーズ宇宙船の操作手順をシミュレータで訓練しました。また、油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船搭乗時に着用する自身のソコル宇宙服と、ソユーズ宇宙船の自身専用のシートライナーのフィットチェックも行いました。
JSCでは、ISSの運用全般に関わる訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン両宇宙飛行士とともに、ISSで火災が発生した際の対処手順をシミュレーション訓練で確認しました。また、ISSの定常的な1日の作業を、事前に計画されたスケジュールに沿って進めるシミュレーション訓練も実施しました。その他、バーチャルリアリティ(VR)システムを利用して、船外活動中の船外機器の取り扱い方を確認する訓練も行いました。
医学関連では、ISS滞在中に定期的に実施する医学検査手順を確認したほか、医学研究に用いる飛行前データの取得などを行いました。
今回のJSCでの訓練は、ISS長期滞在前最後の米国での訓練機会であったため、訓練のひとこまを日本の報道関係者に公開しました。訓練公開では、ISSのロボットアーム(SSRMS)で宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を把持する手順をリングリン宇宙飛行士と一緒にシミュレータで訓練する模様を公開しました。この訓練公開には金井宇宙飛行士が立ち会い、油井宇宙飛行士の訓練内容を報道関係者に解説しました。
訓練公開後に、油井宇宙飛行士は、JAXAヒューストン駐在員事務所とJAXA東京事務所を繋いで記者会見を行い、長期滞在に向けた意気込みを述べました。