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JAXA宇宙飛行士活動レポート

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JAXA宇宙飛行士活動レポート 2015年3月

最終更新日:2015年4月20日

JAXA宇宙飛行士の2015年3月の活動状況についてご紹介します。

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施

国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、3月6日までロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行い、3月9日からは米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。

ロシアでは、ソユーズ宇宙船で飛行する間の運用を想定したシミュレーション訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、ISSへのランデブ・接近・ドッキング時と、ISSから分離後の大気圏再突入時に実施するソユーズ宇宙船の操作手順をシミュレータで訓練しました。また、油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船搭乗時に着用する自身のソコル宇宙服と、ソユーズ宇宙船の自身専用のシートライナーのフィットチェックも行いました。


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VRシステムを利用して船外機器の取り扱い方を確認する油井(左)、リングリン(右)両宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/James Blair)

JSCでは、ISSの運用全般に関わる訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン両宇宙飛行士とともに、ISSで火災が発生した際の対処手順をシミュレーション訓練で確認しました。また、ISSの定常的な1日の作業を、事前に計画されたスケジュールに沿って進めるシミュレーション訓練も実施しました。その他、バーチャルリアリティ(VR)システムを利用して、船外活動中の船外機器の取り扱い方を確認する訓練も行いました。

医学関連では、ISS滞在中に定期的に実施する医学検査手順を確認したほか、医学研究に用いる飛行前データの取得などを行いました。

今回のJSCでの訓練は、ISS長期滞在前最後の米国での訓練機会であったため、訓練のひとこまを日本の報道関係者に公開しました。訓練公開では、ISSのロボットアーム(SSRMS)で宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を把持する手順をリングリン宇宙飛行士と一緒にシミュレータで訓練する模様を公開しました。この訓練公開には金井宇宙飛行士が立ち会い、油井宇宙飛行士の訓練内容を報道関係者に解説しました。

訓練公開後に、油井宇宙飛行士は、JAXAヒューストン駐在員事務所とJAXA東京事務所を繋いで記者会見を行い、長期滞在に向けた意気込みを述べました。


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シミュレータでロボットアームを操作するリングリン宇宙飛行士(手前)と、操作を支援する油井宇宙飛行士(奥)(出典:JAXA)


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油井宇宙飛行士らが訓練を行うシミュレータと同じ映像が映し出された画面の前で訓練内容を解説する金井宇宙飛行士(出典:JAXA)


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JAXAヒューストン駐在員事務所で記者会見を行う油井宇宙飛行士(出典:JAXA)


油井宇宙飛行士がJSCで訓練する模様を報道関係者に公開、記者会見を実施

大西宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施


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AREDのメンテナンス手順を訓練する大西宇宙飛行士(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)


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ロシアモジュールでの緊急事態発生を想定した訓練を行う大西宇宙飛行士(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)


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ソユーズ宇宙船のシミュレータで訓練を行う大西(奥)、アナトーリ・イヴァニシン(手前)両宇宙飛行士(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)

国際宇宙ステーション(ISS)の第48次/第49次長期滞在クルーである大西宇宙飛行士は、3月前半はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。

ISSのロボットアーム(SSRMS)の操作訓練では、操作技術の維持・向上を目的に、船外活動クルーを支援するロボットアーム操作と、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)などの無人の補給機を把持するロボットアーム操作をシミュレータを使用して訓練しました。

船外活動に関連する訓練では、船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)の機能や構造を再確認し、EMUに備えられている生命維持機能などのシステムの設定を、状況に応じて変更・調節する手順を確認しました。

また、ISS滞在中に定期的に実施する認知機能検査(Spaceflight Cognitive Assessment Tool for Windows: WinSCAT)の実施手順を確認する訓練も行いました。WinSCATは、判断力を客観的に分析するためのツールで、ストレスが判断力に与える影響を評価する際に用いられます。

その他、大西宇宙飛行士は、ISS船内の微生物サンプリングの手順や救急救命処置手順、改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)のメンテナンス方法などについても訓練を行いました。

3月後半は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでISSのロシアモジュールとソユーズ宇宙船について訓練を行いました。

ロシアモジュールについては、火災・急減圧・空気汚染などの緊急事態が発生した際の対処手順を実習したのに加え、緊急時の対処手順の訓練の一環で、ロシアモジュール内のハッチの位置やハッチを閉じる操作も確認しました。これらの訓練の他に、ロシアモジュール内で安全に作業を行うための講義も受けました。

ソユーズ宇宙船については、打上げ準備段階からISSでのミッションを終えて帰還するまでの間に行うソユーズ宇宙船の運用手順をシミュレータで訓練しました。訓練の中では、コンピュータの故障や急減圧といった異常事態が発生した場合の対処手順を重点的に実習しました。

大西宇宙飛行士は、日々の訓練の様子をGoogle+で紹介していますので、是非こちらもご覧になってください。

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野口、大西両宇宙飛行士、船外活動50周年記念行事に参加

野口宇宙飛行士と大西宇宙飛行士は、ロシアのモスクワで開催された宇宙探検家協会(Association of Space Explorers: ASE)の公式行事に参加しました。

この行事は、旧ソ連のアレクセイ・レオーノフ宇宙飛行士が世界で初めて船外活動を行ってから50周年を記念して開催されたもので、野口宇宙飛行士はASE会長として参加しました。

1965年に行われたレオーノフ宇宙飛行士による船外活動は、ロシアでは、ユーリ・ガガーリン宇宙飛行士による人類初の宇宙飛行と、ワレンチナ・テレシコワ宇宙飛行士による女性初の宇宙飛行と並ぶ記念碑的行事となっています。


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