JAXA宇宙飛行士活動レポート 2007年10月
最終更新日:2007年11月27日
JAXA宇宙飛行士の2007年10月の活動状況についてご紹介します。
「きぼう」の固有訓練
船内保管室への入室手順を確認する土井宇宙飛行士(左)と1J/Aミッションから軌道上に長期滞在する国際宇宙ステーション(ISS)クルーのギャレット・リーズマン(右)宇宙飛行士
土井、若田、野口、星出宇宙飛行士らは、筑波宇宙センター(TKSC)にて、1J/A(STS-123)ミッション、1J(STS-124)ミッション、そして第18次長期滞在時に実施する「きぼう」日本実験棟の組立てに関わる作業に即した、各ミッション固有の訓練を行いました。
また、第18次長期滞在クルーを地上で支援するクルーサポートアストロノート(搭乗者支援宇宙飛行士)の古川宇宙飛行士と1J/Aミッション時に土井宇宙飛行士のクルーサポートアストロノートを務める山崎宇宙飛行士も訓練に参加しました。
今回の訓練は、土井、星出両宇宙飛行士にとって、スペースシャトル搭乗前に実施するTKSCでの最後の「きぼう」の訓練となりました。
※各訓練について、以下のページで紹介しています。是非ご覧下さい。
- 1J/Aミッションスペースシャトルクルー訓練(土井宇宙飛行士)
- 1Jミッションスペースシャトルクルー訓練(星出宇宙飛行士)
- 第18次長期滞在クルー固有訓練(若田、野口、古川宇宙飛行士)
「きぼう」のクルー機器インタフェース試験(CEIT)
機器を確認する土井宇宙飛行士(左)と1J/Aクルー
NASAケネディ宇宙センター(KSC)にて、土井宇宙飛行士を含む1J/Aクルーと1J/Aミッションから軌道上に滞在するISS長期滞在クルーのギャレット・リーズマン宇宙飛行士が、「きぼう」のクルー機器インタフェース試験(Crew Equipment Interface Test: CEIT)を実施しました。
CEITとは、ミッションに関係する機器の使い勝手などを、軌道上で実際に使用する宇宙飛行士自らが、事前に地上で確認する試験です。
試験では、「きぼう」船内保管室を「ハーモニー」(第2結合部)へ取り付ける前に船外活動で実施する、共通結合機構(Common Berthing Module: CBM)を覆う多層断熱材(Multi Layer Insulation: MLI)カバーやCBMに汚れが付くのを防ぐためのカバーなどの取外し作業や、打上げ時に船内保管室をスペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)に固定するためのトラニオンピンのMLIカバーについて確認を行いました。また、船内保管室内のラックに搭載されたバッグの取外し作業や、スペースシャトルから船内保管室に電力を供給するケーブルの接続部へのアクセス性などについても確認を行いました。
- 1J/Aミッション
- ミッションの実施内容を解説しています。
バーチャルリアリティ(VR)システムを使用したロボットアームシミュレーション訓練
VRシステムを使用したシミュレータで訓練を行う星出宇宙飛行士
星出宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて1Jクルーと共に、1Jミッション時に実施する船外活動クルーとロボットアーム操作クルーの協調運用について訓練を行いました。訓練には、NASA宇宙飛行士室でロボティクス業務を担当している山崎宇宙飛行士も参加しました。
1Jミッション時、星出宇宙飛行士は「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)の操作を担当し、「きぼう」船内実験室の「ハーモニー」(第2結合部)への取付けなどを行います。日本人宇宙飛行士でカナダアーム2の操作を担当するのは、星出宇宙飛行士が初めてです。
訓練では、ISSに設置されたセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)を取り外す運用など、船外活動クルーと星出宇宙飛行士らロボットアーム操作クルーが協調して運用を行う作業について訓練を行いました。また、訓練を行うと共に各手順の検証も合わせて行いました。
- 1Jミッション
- ミッションの実施内容を解説しています。
ISS緊急時対応訓練
ガスマスクを装着する若田(左)、野口(右)両宇宙飛行士
若田、野口両宇宙飛行士はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて、ISS長期滞在中に、冷却用アンモニアの漏洩、火災、急減圧がISS内で発生した場合を想定した対応について訓練を行いました。
訓練では、アンモニア計測器の使い方やガスマスクの装着方法、他の宇宙飛行士の所在を確認する方法などを含め、緊急事態対応時の手順について説明を受けました。
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