JAXA宇宙飛行士活動レポート 2006年11月
JAXA宇宙飛行士の2006年11月の活動状況についてご紹介します。 「きぼう」日本実験棟運用シミュレーション訓練
古川宇宙飛行士は、筑波宇宙センター(TKSC)にて行われた「きぼう」日本実験棟運用シミュレーション訓練に参加しました。この訓練は、「きぼう」の運用場面ごとに運用を模擬した訓練で、「きぼう」を運用する飛行管制官の技量向上を目的としています。
今回のシミュレーション訓練では、「きぼう」船内実験室が打ち上げられ国際宇宙ステーション(ISS)に結合された後、軌道上のクルーが就寝している間の運用が行われました。古川宇宙飛行士は、飛行管制官が実施する運用スケジュールの再検討や発生した不具合への対応作業に立ち会い、地上の飛行管制官がどの様に「きぼう」の運用を行うのか理解を深めました。
星出、山崎宇宙飛行士のNASAでの業務
NASAでの業務の一環として月数回、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)のミッション・コントロール・センター(Mission Control Center: MCC)とISS間の交信担当(Capsule Communicator: CAPCOM)業務を務めている星出宇宙飛行士と、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)運用の支援を行っている山崎宇宙飛行士が、同じ日にMCCでの業務を行いました。 山崎宇宙飛行士は第14次長期滞在クルーが行うカナダアーム2の運用の主担当を務めています。第14次長期滞在クルーがカナダアーム2の運用を行う際に、山崎宇宙飛行士がMCCにてクルーと交信を行い、飛行管制官とクルーのチームワークの取りまとめを行っています。また、カナダアーム2の運用は基本的にふたりのクルーで行うことになっていますが、現在ISSに滞在している3人のクルーのうち、ふたりのクルーをカナダアーム2の運用に割り当てることは難しいため、山崎宇宙飛行士が地上からカナダアーム2のふたり目のクルーとして支援します。
星出宇宙飛行士と山崎宇宙飛行士がともにMCCで業務を行った時には、カナダアーム2を「デスティニー」(米国実験棟)の窓の近くまで移動させる運用が行われました。これは、カナダアーム2の把持手であるエンドエフェクタ(Latching End Effector: LEE)内部の写真を軌道上のクルーが撮影できる様にするために行われました。その他にSTS-116ミッションに備え、モービルトランスポータ(台車:MT)をISSの左舷側に移動させる運用も行いました。 また、STS-116ミッション前に、山崎宇宙飛行士は、P5トラスをISSに取り付ける際に使用するカナダアーム2に関するソフトウェアがきちんと機能するかどうか、実際にカナダアーム2を動かして確認する作業を行いました。 野口宇宙飛行士、平成18年度外務大臣表彰授賞
野口宇宙飛行士は、STS-114ミッションでの功績を称えられ、米国の在ヒューストン日本国総領事館にて平成18年度日本国外務大臣表彰を授与されました。 表彰式では、加茂総領事から野口宇宙飛行士の科学技術分野における功績を称える祝辞をいただきました。野口宇宙飛行士からは、宇宙開発はチームワークであり、本表彰は宇宙航空研究開発機構(JAXA)全体のこれまでの活動が評価されたものとして、栄誉を頂いたことへの感謝の言葉がありました。 野口宇宙飛行士、日米特別功労賞授賞
野口宇宙飛行士は、ニューヨーク日本商工会議所主催の第22回アニュアル・ディナーに出席しました。このアニュアル・ディナーにおいて、野口宇宙飛行士の宇宙開発に臨む姿は日米および世界の人々の希望であると称えられ、日米特別功労賞を受賞しました。 日米特別功労賞のもうひとりの受賞者がボビー・バレンタイン監督であったことから、野口宇宙飛行士は授賞式で、野球でチームを優勝に導くには何が必要かという事と、スペースシャトルのミッションの成功には何が必要かという事を結びつけスピーチを行いました。 「東京テクノ・フォーラム21」古川宇宙飛行士講演会
古川宇宙飛行士は、東京テクノ・フォーラム21にて行われた「膨らむ宇宙開発技術の民間転用(スピンオフ)への期待 -科学者、宇宙飛行士たちが語る過去・現在・未来」と題して開催されたシンポジウムに参加しました。シンポジウムには、古川宇宙飛行士のほかに、JAXAの的川泰宣宇宙教育センター長とサイエンスライターの野本陽代氏もパネラーとして参加しました。 シンポジウムでは、宇宙開発を通してこれまでに得た技術や発見された事が地上での生活にどの様に役立っているのか、また今後どの様な形で地上での生活に役立つのか紹介されました。古川宇宙飛行士はシンポジウムの中で講演を行い、国際宇宙ステーションや「きぼう」、そして「きぼう」で行われる実験や宇宙飛行士の訓練の紹介など宇宙の様々な話題について話しました。 最終更新日:2006年12月22日
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