ISS搭乗宇宙飛行士の2004年2月の活動状況についてご紹介します。1月下旬から3月初旬にかけてロシアにおいてソユーズ宇宙船に係る訓練を行いました。
ソユーズ訓練
古川・星出・角野宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)にて、ソユーズ宇宙船に係る訓練を受けました。この訓練は、ソユーズ宇宙船の運航技術者の資格を取得することを目的とし、第1回目は2003年7~9月にかけて行われました。訓練は全体で約6ヶ月かかり、今回は2回目の前半となります。
約6週間におよんだ訓練の一部を紹介します。
3名の宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船のテレビや熱制御などのシステムのほか、船外活動用宇宙服であるオーラン宇宙服や、ロシアの船外活動などについて講義を受けました
。 また、Egressシミュレータと呼ばれる訓練設備を使い、オーラン宇宙服を着用しての船外活動訓練を行いました。Egressシミュレータとは、地上でオーラン宇宙服を宇宙と同じ差圧まで加圧し、ワイヤーなどで体を支えることによって無重力を模擬する訓練設備です。
3人は、このシミュレータを使用して船外活動の基本操作や、宇宙服に緊急事態が発生した場合の対処法、通常及び緊急時のエアロックの操作法などの訓練を行いました。
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船外活動シミュレーション
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オーラン宇宙服は背中から出入りする |
ソユーズ帰還モジュールシミュレータ |
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訓練の最終週には、Hydro Laboratory(通称「ハイドロラブ」)という訓練施設でスキューバダイビングを行いました。これは、次回訓練時に行われる宇宙服を着ての水中訓練に先立ってスキューバダイビングのスキルレベルをチェックするものですが、ダイバーが意識を失った場合の緊急対処訓練のほか、水中に設置されたISSロシア要素のモックアップの視察も行いました。
ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)では、ロシア宇宙飛行士のほかNASAや欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)の宇宙飛行士も訓練中で、世界の宇宙飛行士と交流がもてるのも大変有意義なことです。
なお、ソユーズ宇宙船に係る第2回目訓練の後半は、2004年度上期に予定されています。
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