潜水前の準備作業を行う 古川・角野・星出宇宙飛行士 （左から）

第3回WETS-EVA訓練が、日本人宇宙飛行士を対象として、2002年11月から12月にかけて行われました。この訓練は、EVAに関する技術的知識の修得および技能の維持・向上を目的として行われる訓練です。 今回は、「きぼう」日本実験棟の水中モックアップを使い、宇宙服（*）を着用して関連する作業の訓練が行われました。

(*)水中で使用する宇宙服は、軌道上で使用する宇宙服の一部を水中用に改修したものです。

また、EVA訓練と並行して、IV (Inner Vehicle) クルートレーニングと呼ばれる訓練が実施されました。IVとは、EVA作業全体を通じて、作業が円滑に進行しているか、危険がないかをスペースシャトル船内から確認する役目の宇宙飛行士であり、 EVメンバーとIVの間の意志疎通をいかにうまく図るかが、EVA作業を順調に進める上でとても重要となります。

EVA訓練を行う古川宇宙飛行士

EVA訓練を行う星出宇宙飛行士

IV訓練を行う角野宇宙飛行士

エアロックに関する訓練

角野宇宙飛行士

2002年11月、ロボットアームや船外実験プラットフォームを対象に実施された2ndフェーズ「きぼう」システムアドバンスト訓練のためのパイロットコース訓練は、12月には第2回目として、エアロックや実験装置を対象に行われました。

11月に引き続き、角野宇宙飛行士は、この訓練にオブザーバとして参加し、NASA、欧州宇宙機関(ESA)から参加した宇宙飛行士や、同じくオブザーバとして参加したエンジニア、インストラクタと議論を行い、「きぼう」の訓練の向上に努めました。

H-IIA4号機打上げ

H-IIAロケット4号機は、2002年12月14日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載された環境観測技術衛星「みどり ＩＩ」（ADEOS-II）を所定の軌道に投入しました。

角野宇宙飛行士はこの打上げ時、種子島宇宙センター内にある宇宙科学技術館にて、打上げ視察者に「きぼう」の説明を行うなど、H-IIA打上げ隊員として様々な渉外業務を行いました。

NASAオキーフ長官

意見を交わすNASA・NASDA関係者

12月6日、米国、欧州、カナダ、日本及びロシアの宇宙機関長が東京において一堂に会し、ISSに係る協力についての評価及びその促進を図ることを目的として、宇宙機関長会議（HEADS　OF　AGENCIES　MEETING：HOA）が開催されました。

この会議に先立ち、12月4日には、オキーフ長官を始めとするNASA関係者が筑波宇宙センターを訪れました。3人はこの訪問に際し、「きぼう」フライトモデル（実機）の視察にて解説を行ったり、訓練の現状、今後の宇宙開発について意見を交わしました。

古川宇宙飛行士は、12月22日に下関市の海響館で行われた「宇宙に飛び出す魚たち」講演会にて"宇宙への夢―国際宇宙ステーションと宇宙飛行士の訓練―"をテーマに講演を行いました。また、質問コーナでは宇宙酔いについての質問や、"宇宙服を着ないで宇宙船の外に出たらどうなるのか"など次々と質問が飛び出しました。

意見を交わす星出宇宙飛行士

12月3日、日米教育委員会フルブライトメモリアル基金の代表として米国人教育関係者らが筑波宇宙センターを視察に訪れました。この訪問時、星出宇宙飛行士は彼らと意見交流の場を持ち、宇宙飛行士としての訓練や、日本の宇宙開発全般について説明、また米国の教育現場の現状、米国における教育の宇宙開発に対する取組みなどを聞き、意見を交わしました。